2005年5月8日日曜日

伝説の勇者ダ・ガーン

  最近のアニメにはどうにもこうにもついていかれない私ですが、平成もまだ一桁だった頃のになりますと目がないといいますか、もう言葉もないほどに好きなんですね。以前紹介しました『ガンバルガー』なんかは、勢いでDVD-BOXを買ってしまって、ちびちびと週末の楽しみみたいに見てきて、この連休で最終話まで見て、やっぱりよかった。ええ、素晴らしいお話でした。

さて、素晴らしいお話といいますと、『ガンバルガー』と同じ年に放映された『ダ・ガーン』も名作だったんですね。ええ、見れば必ず感動して泣く、大きくうねりつつ盛り上がる、壮大なドラマが堪えられない素晴らしいアニメでした。

この年 — 1992年(平成4年) — は、日本サンライズにおける家族年であったのではないかと思うほど、家族を描いたアニメが多かったのでした。『ガンバルガー』は古き良きご近所付き合いという色こそ強いですが、主人公とその父親の関係というのは無視できないものでありましたし、『ママは小学4年生』なんてのは、まさに育児がテーマの家族アニメでありました。で、私はこの『ダ・ガーン』も家族アニメであったと思うのですね。

主人公星史の家族というのが、実に象徴的だったのですよ。父親は軍人でありまして、家族よりも仕事が優先されて不在がち。ニュースキャスターをしている母親にしても同様で、このアニメの放送中に、この三人が同じ場で顔を合わすということは一度もありませんでした。父子、母子、そして父母が別々の場で個別に会うということはあっても、一家がそろうということがなかったのです。

けれど、それでも家族をしっかり描ききっていたのですね。ロボットを率い常に最前線で戦っている隊長が息子であると気付いていた父親は、軍を率いる責任者として息子に会い、毅然とした父親像をしっかりと見せつけます。

母親は、ずっと秘密にされていた正義のヒーローの正体が自分の息子であったと知ったとき、失敗に打ちひしがれ自分の弱さにつぶれそうになっている息子を抱きしめ、これからは私があなたを守るからと — 、私は、希薄であると思われていた親子の絆の強さ、親子の情の深さに涙するのですよ。

『ダ・ガーン』が最前面に打ち出すテーマは自然でした。地球は私たちすべての命にとっての母たる星という、そうした大きなテーマがまずあって、けれどこれに並行して家族というテーマがあった。今思えば、地球環境と家族というテーマは、相互につながりを持っているのかも知れませんね。どちらも私たちを取り巻く環境であり、そしてかけがえのないもの。地球規模に渡る大きなテーマとしての自然と、そして規模こそは小さくとも決して小さくはない家族がともに描かれて、『ダ・ガーン』は希有ともいえる深みを持ったのだと思います。

さて、もうお気付きのことと思いますが、『ダ・ガーン』は秘密のヒーローものでありまして、この点においても私のお気に入りでした。秘密のヒーローには、その秘密を共有する仲間 — その人数は少なければ少ないほどいい! — というのがあれば最高ですが、ええ、このアニメには桜小路蛍という地球の声を聴くという不思議少女がいたのですね。

桜小路蛍は、ヒーローの正体を暴こうとせず、陰に日向にロボットの隊長をサポートして、実にクールで最高のキャラクターでありました。

CD

ところで、どなたか『ミステリアス・ベル』の真相をご存知の方っていらっしゃいませんか。私、何度聞いても誰が犯人かわからんのです。もしご存知の方がいらっしゃったら、教えてください。

ちなみに、サントラは名曲ぞろい。岩崎文紀はいいなあと、聴くたび心からそう思います。私の中では、『ガンバルガー』他の長谷川智樹とまさに双璧をなす作曲家なのであります。

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