2005年5月10日火曜日

HD革命/BackUp

 なんでかわからないんですが、私は仕事先でコンピュータの保守みたいなことをするようになってまして、特定のコンピュータに不具合が出たら、データを救出し、コンピュータを再セットアップし、データを書き戻し、設定を整えリリースするという、— けど、なんでこんなことやらされてるんだろ(つまり契約外なのじゃ)。まあ、世の中にはいろいろよくわからない事情があるんです。

さて、コンピュータにトラブルが発生してなにが一番困るかといったら、自分の作ったデータが失われることに尽きるでしょう。ハードウェアはよほどのものでない限り代替品がありますし、ソフトウェアにいたっては再インストールしたらいいだけの話です。けれど、自分で作った文書に関してはそうはいきません。なので、こまめにバックアップをしましょうという話になるんですが、なんせ自分の使ってるコンピュータじゃないんだもんなあ。というわけで、自動でバックアップしてくれるソフトウェアを導入することに決めたのでした。

バックアップツールは探せばいろいろあるのですが、その数々ある中から私が『HD革命/BackUp』を選んだのはなんでかといいますと、DOSやLinuxの知識は必要ありません、という売り文句にひかれたからなんです。いや、私が自分用に使うんだったらDOSやLinuxの知識を必要としてもなんら構わんし、そもそもバックアップにツールを購入しようなんてそもそも考えない。つまり、私以外の事務員でも操作できる、バックアップを行い、データの書き戻しができるようにと、そういう利便を考えたからでありました。

私がこのソフトに期待したことは、おおむね次の二点に集約することができるでしょう。ブート可能の復旧CD/DVDを作成できる。そして、スケジューラで定期バックアップを行える。つまり、セットアップや設定のすんだ状態をCDに確保しておいて、日々増えていくデータは外付けHDDに定期的に差分バックアップ。ええ、『HD革命/BackUp』は、これらを非常に簡単に行うことができて、実際、私はそのあまりの簡単さに感心しています。

アプリケーションを起動しますとね、ボタンがふたつ並んでいるのですが、それがバックアップリストアというわかりやすさ。ソフトを起動しボタンを押す。バックアップ元を選んで、バックアップ先を決めたら、それだけでイメージファイルの作成が始まります。私が使ったのはバージョン5なので、起動ディスクのバックアップ時にはすべてのサービスが停止され、つまり『HD革命/BackUp』にコンピュータを占有されてしまうのですが、バージョン6ではバックグラウンドで実行できるようになったみたいですね。

さらに、『HD革命/BackUp』はバックアップしたイメージファイルからOSを起動することができるのですが、バージョン5ではプライマリHDDからしか起動できなかったのが、バージョン6だと外部HDDからでもオッケーだとか。正直これは便利だと思います。

バージョン6の変更点でささやかながらも大きいのは、ファイル/フォルダ単位でのバックアップを行う『BackUp Easy』なんではないかと思います。「簡単バックアップ機能」を選ぶと、マイドキュメントとかお気に入りだけでなく、メールとかアドレス帳、IMEユーザ辞書を対象に、ざっとバックアップしてくれるんだそうで、一般的なユーザーなら「簡単バックアップ機能」にお任せで本当に充分だと思います。

バージョン5ではこんな便利な機能はなかったから、メールのバックアップを行うために、\Documents and Settings\user\Local Settings\Application Data\Identities\{...}\Microsoft\Outlook Expressをバックアップして、けどOutlook Expressのデータがこんなところにあるだなんて、コンピュータに明るくない人は知らないよ。一番バックアップしたいと思われるメールをバックアップできず、困った人もいたんじゃないかと思いますが、バージョン6ならそういう心配もないでしょう。ささやかながらも大きな変更点といったのは、こういう理由からです。

コンピュータが、コンピュータ好きの使う道具から、一般的な(コンピュータがとりわけ好きというわけでもない)人の使う道具になってきて、こうしたバックアップツールの需要は高まってきたのだと思います。そんな中、わかりやすさ、取っつきやすさという点で『HD革命/BackUp』は一歩抜きんでるんではないかなと思いました。初心者ないしは初級レベルのユーザーに薦めるなら、これかなあと思います。

で、中級以上なら、ツールの使用は勧めません。必要なファイルの確保くらい、自分でできるようにならなくちゃ、ですよ。

参考

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