『まんがタイムきららフォワード』2015年3月号、発売されました。表紙は『となりの柏木さん』、こちらにぐっと手をのばしてくれている、あたかも手をつなごう、そういっているかのごときイラストなんですね。マフラー、コート、袖にはファー。暖かくしている。つまりは寒い日に手をつなごう、そういってるわけですね。その笑顔、また魅力的。いいイラストであります。他に『がっこうぐらし!』のカットもございます。
『バミれ、みどりちゃん!』、新連載です。ああ、『きものなでしこ』の人! 演劇ものなんですね。入学式、その通る声を見込まれたのか、椎名翠、演劇部に誘われるんですね。けど、その手段がすごい。なんと先生のふりをして、授業に堂々入り込んでくるのか。2年生、阿久津絢子。先生の様子見るに、常習犯っぽいですね。しかし、演劇部にいってみたら、どうも、なんか、大歓迎されてる感じではないんですね。なるほど、もうひとりの先輩。奈緒。この人が厳しいんだ。やる気のない人はいらない。とはいえ、せっかくきた新入生を選り好みするのはいいとしても、泣くまで追い込んで追い返しちゃうのはやりすぎだよ! と思ったら、なるほど、弱小部活ではないのか。入部の試験は即興劇なんですね。簡単に役を決めて、なりゆきでどんどん演じていく。しかしそれで奈緒が翠の勢いに負けちゃって、なるほど、翠の資質の一端が見えよう感じであります。しかし、こうして合格したものの、演技はすごい下手っていわれちゃうのか! けど声はとてもよく通る。そうした資質が今後どう活かされるか、楽しみに思いますよ。
『鬼が出るか蛇が出るか』、これはやられました。学校にいくことになった優。この村の学校は女子ばかりと聞いて心の傷が開いたというんですね。優から変な臭いがする。そういわれてずっと避けられてきた、その記憶が蘇ろうとしてきて、そして学校では、女子集団に取り囲まれて、ついにダウンしちゃうんですね。さて、私、甘く見てました。女子3人による優争奪戦だと思ってましたが、全然違ったんですね。わーい、新たに女子がふたり加わったよ! 井月悠理、それからしろと呼ばれてる犬フードの女の子。ふたりともに前回の山姥の側の娘で、高代ババアのとこの娘に先を越されてはなるまいと、悠理、けしかけられてるんですね。でもって、優に迫って、そしてわかってきたところがちらほら。なるほど、優の臭いというもの、人には不快でも、妖怪の血を引くこの子らには、むしろ誘引するものがあるのか。かくして、悠理、この子が一歩先んじたかたちになって、そして優の周囲の女の子、5人全員が同居することになるという……。ハーレムが完成しましたね。これで全員になるのかな?
『ようこそ幻界集落へ!』、村の名物をアピールすべく参加したご当地グルメコンテスト。結構な賑わいで、けれど神山村ブースには、さっぱりお客がこないっていうんですね。なぜなんだろう? そうした疑問に、環とふみが答えてくれる。地味なんじゃないか? それでまわりのブースを見て回ってみて、なるほど、理解するわけですね。パフォーマンスをして人目をひこう。かくして、幻獣の皆が、仮装と見せかけて、自分の能力をフルに使ったパフォーマンスを繰り広げる。こうして、自分たちの特性を、隠すことなくおおっぴらに出せるというのは、なんかのびのびとしたもの感じさせてよかったですよ。アピールも成功して、お客さんも続々きてくれるようになって、めでたしめでたし、といいたいけど、あんなに派手に火を使ったら駄目なんじゃないの? ええ、やっぱり駄目でした。過剰な呼び込み行為により失格となりました。この追加の落ち、よかったですよ。すごく面白かった。けど、アピールには成功したからよかったんじゃない?
『そこテストにでます!』、英椛さん、御冠です。数馬が自分の名前を忘れてしまっていた。卒業してからたった1ヶ月、それで忘れるってどういうこと? 怒るんですけど、すまん、ほんと、こればっかりは仕方ないんです、って私が謝ってもしかたがない。本当は覚えていたんだぞ、もみじって、下の名前で呼ぶんですけど、明らかにもみじ動揺して、わかりやすいんですね。かえでにもみじ、ふたりのヒロインがきっちり印象づけられて、さて、数馬の気持ちはかえでに向いてるわけだけれど、この状況でもみじの恋は実るのか? そしてさらにもうひとり。いろは登場。いろは、数馬を見て、ちょっとタイプかも! なるほど、この子は素直に好意を表すわけだ。いろはは年少なわけですけれど、ええと、かえでの妹ですよね。かえでと数馬との繋がりを回復させるのかな? しかし今回はやっぱりもみじでしょう。素直じゃないお嬢さん。この人が今後、どういう風に数馬にその気持ちを伝えるのか。それとも伝えないのか? 今の雰囲気だと、なかなかの大仕事になりそうですよね。
『西峰さんの友達作り計画』、ゲストです。その見た目から誤解されて、怖がられて、ずっと友達のできなかった西峰さん。無人の教室についついこぼした一言、待ってくれる友達でもいればなあ、それを聞かれてしまうんですね。ちんまりした女の子。西峰にぴったりくっついてきて、なんでかと思ったら、次の授業がどこかわからない。友達がいないっていうんですね。宮瀬結美音。友達のいない西峰が、結美音の友達作りを手伝うことになって、しかしあの結美音の一言、それでなんで友達いないの? がぐっさり西峰につきささるのがおかしかったです。しかし、結美音がへたくそでしてね、西峰の作戦をことごとく失敗に導く。けど、その様子をいじめと勘違いされて、そこで結美音のために嘘をつき、自分を悪者にしてまで、彼女に友達を作ろうとした西峰。そして、そんな西峰をかばった結美音。ああ、千裕というのか。ここではじめて西峰の名前がわかる。よかったって思ったんですよ。シンプルな話。千裕、結美音の不器用さと、けれどふたりの優しさ、そうした気持ちの交換の描かれて、悪くない話でありましたよ。
- 『まんがタイムきららフォワード』第9巻第3号(2015年3月号)
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