『まんがタイム』2015年2月号、昨日の続きです。
『鉄仮面のイブキさん』は、おおお、遊園地でダブルデートですよ! 伊吹さんと相楽さん、そして喜多くんと哀原先輩。うーん、ナイスカップル! ぎゅっと繋がれた伊吹さんと相楽さんの手、その親しさ、その友愛もナイスなら、哀原先輩の作り笑いが消えて素の表情が出る、その瞬間もよくって、ほんと落差ある。けど、表情とその向こうにある感情、それはなにが真実なのか。一見無表情とも思える伊吹さんだけど、本当は決して無表情じゃない、どころかすごく表情豊かと感じられるところ。そして哀原先輩もそうで、あの自虐的な発言の、けれど本当の表情に、すごくいい笑顔で応えてくれる相楽さんとか、ああ、目に見える上辺だけじゃない、ちゃんと本当の自分に目を向けてくれる人なんだって、そりゃ哀原先輩が相楽さんのこと好きになるって、当然だって思いましたよ。最後のね、哀原先輩の台詞がね、ほんと、この人もいいじゃん。ええ、皆がやっぱり魅力的で、それは彼ら彼女らの気持ちがしっかりと伝わってくるからなんだろうな、改めてそう思わされたんですよ。
『ノコひけ!工業娘。』、うおお、これかっこいいなあ。今夜は麻見の家に皆で集まって、なにするかといったら、模型作りですよ。パジャマパーティどころか、作業着をばっちり着込んで、やる気満々。ほんと、みんなかっこよくって、最高ですよ。けど、追い込まれるまでの期間、余裕余裕いって鍋やったり、そうした情景描かれると、ああ、やっぱりいつものとおりの彼女らだなって安心して、そして製作となってもやっぱりいつものとおり。面白くて、なんか楽しそうで、ちょっとおかしくて、実に素晴しい。麻見さんがさ、考えなしに作りたいもの作って迷走させるのがね、もうたまらんですよ。勝手に橋を作る。ああー、池を作らないといけなくなったじゃないか。勝手にジャングルジム作ってる。公園作る予定なんてないよ! そんなのがどばどばあって、そしてどんどんテンションがおかしくなっていく。しかし、これはほんと名エピソードでしたよ。最後の軽トラで作品を運ぶ、皆で円陣組んで守る。もう最高だと思いました。ほんと、青春ってやつじゃないですか。
『はこいり良品』は福袋の話題です。特に目的があるわけでなく、ふらっと入店する、それが古書店ってやつ。確かに、入ってみるまでなにが並んでるかとかわからないですもんね。いわば本との出会いを求めて入ってくる、そうしたお客さん向けに、テーマ別の福袋を用意してみました。確かになんか面白そうかもって気にさせてくれますね。けど数を絞っていて、理由は意外と売れないから、けっこうシビアなしおりさんです。そして話はさらに展開して、なるほどネットで仲間はずれにされたと悩んでいるお嬢さんですよ。書かれた文字だとニュアンスが伝わらないことがある。単純な読み間違いだってある。それでこじれた関係をなんとか修復したいって思ってる彼女にアドバイスするんですね。文字ではなく、まずは会って話してみれば。それでちゃんと仲直りして、ええ、めでたしめでたしなんですけど、こうした人間関係の悩み、誰もが抱えているようで……。福袋の売れ行きが語る社会の諸相。面白い切り口でした。
- 『まんがタイム』第35巻第2号(2015年2月号)
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