『まんがタイムオリジナル』2014年10月号、先日の続きです。
『春雨平安日記』、今回は冬子がメインですね。扉にて、月を杯に写して飲む、秋の風流から始まるという、こうした風情いとをかし、です。霊感が強いという冬子、人には見えないものが見えるせいで、昔は変人扱いされてつらかった。そうした冬子に同情してくれた春雨に、あなたは本当に変ですと即座に返す、そういう冬子が素敵。春雨の同僚たちにもスポットライト当たって、檸檬連発、能筆の春雨に代筆を頼まない理由などなど面白い。そしてキャンプにいったりして、ほんと、おかしいわ。烏帽子で火をおこしてカレー作るとか、ほんと、なんだろう。なんともいえん平安の雅であります。
『たよスポ!』、就職活動の結果待ちしてるところの描写がくるのかなあ、そう思っていたら、いきなり決めてきましたね。たより、エブリデースポーツの内定ゲットです。でも、ニュースバリューとしては松野選手のプロ初タイムリーなのか。内定がもらえたのはパンサーズのおかげだ、そういってるたよりに、頑張ったお前の力といってあげる兄、いい兄貴だと思いましたよ。さて、内定者昼食会。たよりが見事に中心になっちゃってますね。記名記事を書いた記者は全部名前を覚えてる。それで他の内定者がビビってしまう。そして憧れの菊矢記者。パンサーズへの愛が溢れている。そう、たまりはいうんですが、菊矢記者はファンではないという。最後に、入社したたよりに出た辞令、一般スポーツ担当となって、えっ、とか思っちゃうたよりもずうずうしいですが、これ、きっと記者としてひとつのステップとなる、そんなエピソードに繋ろうとしてるのでしょうね。
『あかるい夫婦計画』、「便利と人情」とか「未来の姿」みたいな、ひとつのことがらを違ったポジションから見て対比させるエピソード、いいですよね。この人のこういう見せ方の素直さ、嫌味のなさ、それは本当に特筆すべきものがある、そう思っておりますよ。そして、最近続いている先輩後輩OLですよ。ついにふたりでキャンプにいっちゃうのか。ウキウキしてる先輩がなんか可愛いな。このふたりの仲のよさ、それがしみじみ感じられる、そんなエピソードでもあります。ええ、このふたり、大好きですよ。
『ぎんぶら』、小石の惑星ストーンズ。その名前でロックバンドを思い出したら、市長の名前がニックジャガ。あー、やっぱりそうですよね! この星にいろんな石がある理由、面白かった。SFだなあ。ちょっとした資源惑星ですよね。多分、この石を売るだけで彼らは莫大な資産を得ることになる、そんなこと考えたのですが、描かれるのはやっぱりもっとほのぼのとした、ほのぼの? なんか鉱物マニアの業みたいな話でした。ハイレベル・フェチ・マイスター、上級の石鑑定士、彼の突き詰めすぎていきすぎてしまったマニア道。なんの価値のない石も、彼が手にして評価すれば、一気に価値をあげる。ああー、千利休のエピソードみたい。ほんと、いいキャラクターでした。今回かぎりとはもったいないです。
- 『まんがタイムオリジナル』第33巻第10号(2014年10月号)
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