『まんがタイムきららミラク』2014年1月号、発売されました。今年の冬は桜系。年が明ければ、いよいよアニメもはじまる『桜Trick』を表紙に、めずらしいですね、春香ひとりのイラストです。手に紙コップ、白い息。制服にウールのベスト、コートに帽子。暖かい飲み物、暖をとりながら、誰かを待っているんでしょうか。壁にもたれてるようで、その壁は描かれていない。なんだかちょっと不思議なバランス。周囲のポップな文字、その全体で成立しているバランスが素敵です。
『夜森の国のソラニ』、終わっちゃいましたね。終わろうとしている、そうした雰囲気はしばらく前から感じられたので、とりわけショックとか、残念とか、そういう感情はなかったのですが、けれど、やっぱり寂しく思うのです。おそらくは、夜森が感じた寂しさ、それに似てるんじゃないかな、なんて思っちゃうんですね。夜森と昼森が和解した。森には昼夜が戻って、そしてソラニは目覚めることを決意した。夜森との別れ。もう目を閉じてられないみたい。ソラニの言葉を納得しつつも、それでも胸に去来する寂しさ。ああ、夜森、あの感情の発露。そしてソラニの別れの笑顔。うん、いずれこうして終わるのだろうな、そう思ってたとおりだった。これ以外の終わりなんてなかった。わかってたのに、それでも切なさ感じられて、それはこれまで描かれてきた夜森とソラニ、そして皆のいる世界の様子、それがしみじみと身近と感じられたからなんじゃないかな、そう思ったんですね。優しい世界だったんだと思う。それだけに、ソラニがこの世界を去るのは必須で、けれどそうだったからその世界との別れが寂しいんだと思うんですね。終わるべくして終わった。そうした感覚と、寂しさ。ええ、いい味わいです。
『となりの魔法少女』。夏のお祭り。いきなりあきを騙してるウサですけど、お祭りに舞い上がって、なにも聞いてないっていうあきもなかなかのお嬢さんです。あきにとっては、はじめてのお祭りなんですね。すごく楽しみにしていて、ウサはウサで、あきを楽しませてやろう、そうした気持ちでいっぱいみたいで、ええ、いい子たちですよ。射的、面白かったですね。ウサがやたら本気で、あきの魔法で弾道を変えさせたりするんだけど、景品びくともしないとかね。ええ、屋台の非情さが際立つ描写でした。雑談、イカロスの翼の物語。花火の場所が確保できなかったウサ。そして飛行の魔法。これが一直線に繋がって、一気に視界が広がるところなど、大変によかった。ワンダーだ! そう思った。静かなシーンが一気に躍動して、それは派手な描写のせいじゃない。あきやウサ、けぇの心の動き、その躍動がためでしょう。ええ、素敵なエピソードでした。
『RUN×BU!』、ゲストです。タイトルからして、走るの? 陸上部もの? と思ったら、これが違ったんですね。ヒロイン嵐山舞が転入してきた学園は、なんだか変わったポリシーがある模様です。生徒同士の戦いを推進してるというのですが、まんま肉弾戦、それが花嫁修行の一環なんだそうですよ。舞が出会った柳芽衣は、そうした校風に馴染めていない? 芽衣に稽古をつけるという麗子様と舞が戦ってみるとか、またその様子を見守る麗子の姉皇美優、生徒会長なんですが、舞に興味を持って、生徒会に引き込みたがってるみたい。バトルもの、アクションは軽快で、見せ場もいろいろありそうですよ。キャラクターもたくさんで、個性があるから導入時点で、充分インパクトあり、印象にもしっかり残る。そんな感触でありますよ。
『全力パッションゲーム』、ゲストです。杉村咲花部長、蛇川紅ふたりが、ゲーム好き女子竜桜を自分たちの部に引っぱりこもうというのです。いったい、なんの部活? 青春の淡い情熱なるキーワードだけが提示されて、杉村蛇川ペアと美術部並木が竜桜をとりあう、そういう話みたいですよ。青春の淡い情熱、これ、どうも制作中のゲームのことみたいですね。とりあえず竜桜にゲームのROMが渡されて、プレイしてみたら、グラフィックが実に微妙。ゲームとしては面白いのに、惜しい、ってことになるんですね。なるほど。竜桜には、キャラクターを想像し描く能力が期待されてるってことか。もしかしたら、美術部並木も巻き込まれるな。なるほど、導入、しっかり状況伝わってきましたよ。
- 『まんがタイムきららミラク』第3巻第1号(2014年1月号)
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