2013年11月2日土曜日

『まんがホーム』2013年12月号

『まんがホーム』2013年12月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』。みんなに愛されて連載10周年なのだそうですよ。ということで、表紙は『らいか・デイズ』一色。学校に向かう皆ですね。一番手前で、こちらに手を振るらいか。奥には竹田、愛美、蒔奈と続くんですね。いつもとはちょっと違う雰囲気のイラスト。けど、なにか特別、そう思わせるものがある、そんな表紙になっています。

というわけで、『らいか・デイズ』は巻頭2本立てに加え、作者インタビューに「らいか・デイズアンソロジー』と盛り沢山。アンソロジーの参加者は宮成樂、瀬田ヒナコ、クール教信者、師走冬子、ひらふみ、ÖYSTER、吉村佳であります。

しかし、もう10年なんですね。思えば『らいか・デイズ』がはじまった時は、このところには珍しいオーソドックスでストイックな作風、作者の来歴など知らない自分にとっては、はじまったその時点ですでに名人みたいな感触を得て、ものすごい人が出てきたもんだ、驚いたのでした。初期の『らいか・デイズ』は本当にストイックで、漫画が、キャラクターが、機能としてキビキビ動いている、そんな印象に溢れていて、ものすごかった。後にキャラクターが主導するようになってからも、そのキャラクターたちが広く読者に愛されていることは、その10年という年月が証明しています。しかし、本当に10年。長いといえば長い、けれど、もう10年、あっという間だったなあ! そういった風に思えるのもまた実感です。そしてこれからの10年も、また軽々と越えていったりするのかも知れませんね。

『桜乃さん迷走中!』、単行本発売にあわせてのゲストなんですけど、あんまりに面白かった、というか切実だったもんだから、取り上げざるを得ませんでした。基本はね、桜乃さんってどういう人か、大江さんというのもどういう人か、そうした状況を説明するような話だったんですけど、のっけからフリーターが板についてきたとかいっちゃう桜乃さんがね、最初はちゃんとした仕事が見つかるまでの一時しのぎだったはずなのに、いつの間にかバイトがメインになってる。つうか、就職とか忘れちゃってるし、みたいなこといっちゃう桜乃さんがね。ああー。ああー。身につまされるとはこのことか。つらい! こうした導入の後は、新聞チラシから新聞のどこを重視するか対決に移行して、桜乃さんはチラシと漫画派、大江さんは新聞そのもの派なんですね。って、そりゃまあ、大江さんは小説家だから、新聞紙面、重要になりそうですよ。しかし面白かったのはヤング水沢さんですね。ああー、ネット世代であります。それを桜乃さんが評して、無新聞論者だったか。その表現が面白くて、ええ、実によかったですよ。

『ただいま独身中』、随分と明るい楓さんですよ。って、ええーっ! なんと姫くんとつきあうことになったのかい、楓さん。それで友人たちと集まって、飲んで、報告して、将来設計話したりして、そして一歩先を進む友人。いや、それって先に進んでるのか。そして次号、最終回なんだそうですよ。うわー、最終回! 驚きました。そうかあ、最終回かあ。ほんと、恋愛色が出てくると終わりが見える辻灯子の漫画。そうした傾向はなおも健在であったかー! ええ、最終回、どういう終わりになるのか、期待しつつ待ちたく思いますよ。

『孔明のヨメ。』は、いよいよ郭嘉の策略に対抗しようという段でありますよ。孔明の家に皆で集まり、さあ、これからどうするか。上層部は郭嘉の息がかかっているかも知れない。うかつなことをして、勘繰られてもいけない。戦争の引き金を引いてもいけない。なので、正面衝突は避けないといけない。ええ、難しい状況。これをどう対策するのか。ほんと、戦争は武力の衝突だけではなく、経済や政治など、平時から、なんてことない普通の行為をもって行なわれてるもんなんだなあって実感させられましたよ。ほんと、マジ経済戦争。ここに描かれてることは、三国志の正史にもあったことなんでしょうか? 相手の意図をくじくと共に、経済の振興をはかり、かつ民衆を救うことにもなるという案。ほんと、しびれますね。ほんと、これは魅せられますよ。

  • 『まんがホーム』第27巻第12号(2013年12月号)

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