2010年10月26日火曜日

『月刊アフタヌーン』2010年12月号

 『月刊アフタヌーン』2010年12月号、発売されています。正式の発売日は昨日ですね。さて、表紙は『げんしけん』。二代目とのこと、期間限定復活連載なのだそうですよ。『げんしけん』、人気あったそうですが、私はこの漫画を読んだことなくってですね、オタク、マニアのことを描いたものだっていうことは知ってる。逆にいえば、それくらいしか知らないんですね。前提となる情報をまったく知らない、雰囲気くらいはなんとかわかるかも、そんな状態での二代目。なかなかに面白いと思ったから、前作知ってる人はきっとすごく面白いんでしょうね。

『ネクログ』、先月はじまった漫画。この人の漫画『もっけ』、好きだったので、『ネクログ』にも期待しています。しかし、いい感じにオカルトであります。舞台は中国、屍体を操る道師があって、そして屍体があって、その屍体の幼なじみがいて — 、登場人物を書き出すだけでも普通じゃない。けれど、この決して優しくない設定がこの作者らしいと感じられます。だってヒロインの美少女が屍体で、ベチャベチャと他の屍体を食っちゃう。微妙にハードなんだけれど、基本は楽しく読める? コメディだと思うんですね。これから先、道師の目的とかね、そういうのがだんだん見えてくれば、より一層に面白くなりそうです。

『友達100人できるかな』、やっぱりこれ面白い。プライドが高く素直になれない女の子、山本杏が今回の友達候補なんですが、この子、友人たちの前じゃ直行なんて目じゃないわ、みたいなふりしてるのに、ちょっと人の目がなくなるとものすごく自分の気持ちに素直になってるっていうのね、ものすごくいい。しかし今回は、友達の手前素直になれない杏と、大人として対処しようとしたために本音でぶつかれなかった直行、ふたりともに素直であれなかった、それゆえの劇であったのだなって思わされる話でした。しかしさ、最後のさ、傷心で街を去ろうとする杏に自分の気持ちを伝えようと自転車を走らせる直行、この真正面からぶつかっていく、こうした描写こそがこの漫画の真骨頂であるな。思わず目頭が熱くなる、実に力のあるいい漫画であると思います。

百舌谷さん逆上する』。今回は百舌谷さんよりちーちゃんの方がメインって感じです。ちーちゃんとむーちゃん、小さな頃の思い出が語られて、なるほどこういう経緯があったのか。と思っていたら、なんか酷い状況に……。しかし、むーちゃん、思った以上に酷いな。いつもはこれを隠しているのか……。おとなしくて、ちょっとおどおどしてる、そんな娘だと思っていたのに、千鶴という人をよくよく把握して操縦してしまう。結構なやり手だったんですね。もっと好きになりました。

しかし、実に酷い話。千鶴踏んだり蹴ったり。丸めこまれてコスプレ。失恋が確定。傷ついて落ち込んだまま、パープルローズで町内疾走。つらい、ひどい、いたたまれない。さらにコスプレのりのりのむーちゃん到着で、いや本当にいたたまれない。加えてむーちゃんに当たるちーちゃん、本当にいたたまれない。けれどここからぐっと一気に持ち直す、異様なノリで盛り上げる、そこが実に素晴しかった。あの竜田の兄貴が参加したオフ会、そこで異彩を放っていた師匠、彼まで加わって(というか、それ、声かけ事案だろう)、壮大なスーパーヒロインタイム。馬鹿なんだけれど、いたたまれないんだけど、べらぼうに面白かった。むしろ感動してしまったくらい。大変にいい話でありました。はいいんだけど、むーちゃんの背景に描かれた花が気になります……。

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