2010年10月10日日曜日

『まんがタイムきらら』2010年11月号

『まんがタイムきらら』2010年11月号、昨日の続きです。

『モコモコニンニン』、方向性が見えてきましたよ。忍者の娘モコが引き起こす騒動と、それを始末する同じく忍者のツバメさん、そして頭領。普通の生活に憧れて、けれど普通というものに慣れていない、そんなモコを過保護に過保護にお守りするっていう、甘やかしっぷりがなかなかによかったです。第1話で、頭領からは甘やかしてるっぽいなっていう雰囲気感じられたんですけど、ツバメさんも同類というわけですか。で、甘やかしてる場面だけ見れば、いかにも嘘っぽい、忍術とか使えるの? といいたくなるような人たちなのに、やる時はやるというか、むしろ普通にしててよさそうな場面でこそやってみせる。この、人食った感じもよかったです。

境界線上のリンボ』、なかなかにシリアスな展開を見せています。街を支えている機関に異常が発生した? 突然の地震に不安が一気に掻き立てられて、ちょっと大きな盛り上がりの山が作られそうですね。都市構造の隙間を通って、リンボの下部に広がる街にいくフゥ。決死行思わせる展開です。しかし、このいった先にあったものがなかなかに意外。ああ、こういう街があったのか。無理解や不寛容、対立が端的に描かれて、これまでの様子とは大違い。なにか心がざわざわとする、そんな展開になっています。こうした展開を用意して、そしてどのように取り込み、まとめられるのだろう。これは実に興味深い、次回を心待ちにする思いです。

『かいちょー☆』、ゲストです。見た目こそはきちんとしていて、いかにもなんでもできそうなお嬢さんだけど、勉強が駄目、運動も駄目。そんな里乃が生徒会長に据えられてしまった、という話です。可愛いからという理由で、一教師の一存で、決められてしまった。けれど、駄目な子ほど可愛いのパターンで、皆で支え、時に甘やかし、愛でる、そんな展開になるのでしょうか。いずれにしても、第1話は人物や状況の説明って感じですね。だから、実際の展開もろもろはこれからですね。

『アイオーンコード』。これ、最初は自分の好みからはずれている、そんな風に感じていたのですが、とんでもない、めちゃくちゃ面白いですね。『そこは』『テストに』『出ません』予言定理オラクルのお嬢さん、自分は自分でした予言がわからないんですよね、いきなり先生の定番台詞を潰してしまう、その断言っぷりが最高です。この漫画のいいところは、登場人物それぞれが持っている超常能力、それがうまく機能して、展開に関わってくるところだと思っています。私は中でも予言定理オラクルが気にいってまして、事件や波乱の幕開けを告げる、そのインパクトが素晴しい。こうなるといわれたことは、必ずそうなる。いわば、予言が成就するまでの状況が描かれる漫画であるわけです。

今回は予言定理オラクルが2回発動して、後の方の予言、それが面白かったです。いや、最初の予言の時点で最高だっていっちゃってましたけど。一度は軽くスルーされたかに思われた予言、しかしそれがちゃんと成就する。その過程、実にうまいこと繋って、先生が座布団を差し出してしまいたくなる状況が発生する、そしてその発生の理由も能力がらみっぽくて、いやあ設定が設定にとどまらず、本当にうまいこと機能していますよ。でもって、ちょっとあれなうららちゃん。悪気はない、だから気にすんな。理解してるかむろなんだけど、いざとなったらざまあ! ですか。そのいきなりの変わりよう、これはよかったなあ。ええ、すごく面白かったです。

My Private D☆V、『きんいろモザイク』の原悠衣です。好きなものつめこまれたイラストとのこと。フリル! リボン、金髪、花、日傘、足、清楚系、素晴しい! あ、素晴しいは私の感想です。ちょっと昔風といったら語弊があるかも知れませんけど、懐かしい感じもある、少女漫画風。少しレトロで、けれどその懐かし感も魅力に一色添えている、そんな風に思うのですね。いや、ほんと、大好きです。イラストも、漫画も、どちらもとてもよい。大好きです。

  • 『まんがタイムきらら』第8巻第11号(2010年11月号)

引用

  • 柳原満月「アイオーンコード」,『まんがタイムきらら』第8巻第11号(2010年11月号),177頁。

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