2010年10月14日木曜日

『まんがタイムラブリー』2010年11月号

『まんがタイムラブリー』2010年11月号、昨日の続きです。

『もも×てん日記』、ゲストです、多分。小学校からの幼なじみのふたり、天童さんと桃地さん。小中高と一緒で仕事も一緒。きっちりしてる天童さんに、気まぐれそのものといった桃地さん。いわゆるでこぼこコンビなんだと思うのですが、どちらかがよい、悪い、って風に描かれないところ、これはとてもいいですね。きっちりの天童さんはイレギュラーに弱く、度の過ぎた凝り性で心配性。桃地さんは気まぐれ、けれど状況の変化におろおろするようなところはなく、むしろおおらか。片付けられないけれど、物持ちはいい。こうしたふたりが、互いにつっこみいれながらも支えあってる、そんな感じがありまして、そういうところ悪くないなって思います。絵も可愛い、小物にも意識が向かってる、続きをもっと見てみたい漫画です。

『少女カフェ』、ロゴの位置が憎い! 単行本ではロゴは消えるから、単行本を待つしか! というわけで、『少女カフェ』、つくし、ものすごくしっかりしてますね。予約の電話をうけているのですが、その予約というの、おおプロポーズとな。お父さん緊張しちゃって、けれどその緊張をとこうという、まったりゆるゆるふわふわへろへろ踊りがいいですね。つくしのかもしだす適当感、実に素晴しい。でもって、プロポーズ。押し掛けて観察しようという葉月さんも宮嶋さんも、悪ノリが過ぎるタイプだな。でも、この店はそれが許されるような雰囲気がある。これってつまりアットホームってことなんだろうなって思います。興味本位もあるのかも知れない、けれど他人であるはずの人のことを、まるで友人のように喜べる。そんなお店で、お客さんで、この気持ちの親しく近しくあるという感覚、ああとてもいいじゃありませんか。ええ、とてもよかったです。

『トノサマガアル』、眼鏡をはずすと信長に乗っ取られる女子、ふぶきの話。だったのが、ああ信長様はいなくなってしまった。なんだか物悲しいはじまり。ちょっと喪失感感じさせる、そんなオープニングです。本編はといいますと、前回の状況をあらためて振り返って、いかにしてふぶきはあの火事から生還したのかが描かれています。これを読んで思ったこと、この漫画って、ふぶきの自立、成長して独り立ちするまでを描く、そういうものでもあったのかも知れません。信長にふりまわされっぱなしだったふぶきが、信長に頼るでなく、生きるということを自ら引き受けようという、そんな姿勢が見事でした。信長がふぶきから離れたのは、ふぶきがしっかり自分自身を持ったから? と思ったらどうもそうではないらしく、けれどいつかなんかで戻ってきそう? いやどうなんでしょうね。

最後の最後に衝撃的台詞、コンタクトにしたの。おお、なんという! けど、ええねん。眼鏡なしでも可愛いからええねん! いや、本当にそう思います。なにかふっきれたようで、明るくなった? ええ、とても魅力的だと思います。

『ポンテ!』、久しぶりですね。ガラス工房の話。ダルマと呼ばれるガラスを溶かす炉? それをいかに活用しようかという様子が描かれて、ええと、主に調理器具として。道具を工夫し、長フォークにとどまらず長フラパンなるフライパンまで作り出して、もうものすごい脱線です。けれど後半はガラス工房らしくなって、ダルマの温度で濡れた服を乾かしたり、ガラスを磨く砥石で爪も磨いたり……。やっぱり脱線だ。けれど、ただの脱線じゃなく、ガラス工房ではよくある風景? あるいはありそうな情景? そういったもの感じさせて、こうした場、工房にて作業する人たちを身近なものにしてくれるように思いました。

  • 『まんがタイムラブリー』第17巻第11号(2010年11月号)

引用

  • 池尻エリクソン「トノサマガアル」,『まんがタイムラブリー』第17巻第11号(2010年11月号),178頁。

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