2007年10月6日土曜日

ごちゃまぜMy Sister

 花の湯へようこそ』の単行本が出るって聞いたときに、私はなんだかすごく意外だなって思いましてね、なんでかといいますと、きっと出るなら『ごちゃまぜMy Sister』の方が先だろうと思っていたからなんです。妹純のことが大事で大事でしかたのないお兄ちゃんたちの活躍する漫画。兄にとって純がどれくらい大事かというと、思い余って妹のクラスに出席番号を持ってしまうほど。しかもこの兄がすごい。成績優秀の上、クラスの皆からそれなりに慕われ頼りにされているという人望の厚さ。その活躍ぶりを見れば主人公はこの兄秀といってもいいんじゃないかと思うくらいなのですが、けどやっぱりヒロインは純だと思います。

さて、私にとっては今の今まで出ていなかったのが不思議といっていいくらいの『ごちゃまぜMy Sister』、ようやく発売されまして、読んでみたら懐かしいネタがいっぱい。そういえば秀は純のクラスメイトたちとカラオケにいってたっけとか、そうそう歌は下手だっけとか、けれど驚かされるのはその揺るぎなさ。第1話時点ですでにできあがっているんですね。

長男秀は妹純に大和撫子として育って欲しいと願っており、次男健は元気さを、弟優は優しさをそれぞれ求めているという前提が第1話の一本目に語られて、そして肝心の純はというと成績優秀、スポーツ万能、部類の健啖でちょびっと粗雑で、けれど素直な娘さん。そんな純を心配するあまり、秀は36番目の生徒として妹のクラスに潜り込み、そして健は37番目。このあたりの流れ、第1話の時点で確立してますからね。それ以来、手を替え品を替え綿々と今まで続いているのですからさすがです。

以前、私はいっていました。渡辺志保梨の面白さは、シンプルなパターンが繰り返されるそこにあるのだと。だとすれば、『ごちゃまぜMy Sister』はまさしく渡辺志保梨の本領発揮です。シンプルだけど人好きのキャラクターが、基本のパターンを反復しながら、その面白さを深めていきます。繰り返されるギャグ、おなじみのパターン。そこに笑いが生まれるといっても、単調におちいっちゃ意味ないですよね。でも、渡辺志保梨なら大丈夫。これでもかと切り口見せ方違えてくるから、飽きない。いや、これが本当なんですから恐れ入ります。数年にわたり読んでいる『ごちゃまぜMy Sister』ですが、今なお継承される基本パターンには変わらぬ面白さがあって、本当揺るぎないなあと感心します。

さて、ここからちょっと余談。

「模範生」に出てくる彼女は中学生に見えますが社会人だと言い張っていますというその彼女っていうのが、明らかに『大人ですよ?』の小夜子のことをいっていて、当時少し話題になったことを思い出します。それで秀に訳される前の英文はどうだったんだろうっていって、いろいろ英作したことも懐かしい。けど、それでどういう文章にしたんだっけかなあ。思い出せないので今新たに訳してみるとこんな感じ?

She looks like a junior high school student, but she insists that she is adult.

けど、ちょっとsheが多すぎる気がするので、ひとつ減らすべく書き直すとこんな感じ?

Looking like a junior high school student, she insists that she is fullgrown.

けど正直自信がないなあ。分詞構文とかいやになるほど苦手だったからなあ。私が英語得意なら、ささっと美しい英文を作ってしまうところなんですが、なかなかそうもいかないのが歯がゆいところです。

  • 渡辺志保梨『ごちゃまぜMy Sister』第1巻 (まんがタイムコミックス) 東京:芳文社,2007年。
  • 以下続刊

引用

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