こないだ職場の人と雑談してまして、遺伝子組み換え作物について話してたはずなんですが、途中から遺伝子組み換え人類の話になりまして、そういえばと、先日のイベントでいってた馬鹿話を思い出したのでした。その馬鹿話っていうのはなにかといいますと、『ガンダムSEED』なんですが、あのアニメに出てくる人の髪の色っていうのは、演出であるとかなんとかでなくて、まんまなんだそうですね。なんか、台詞にピンクの髪ってのがあったとかいいますね。見てたその人は、あれって映像上の表現じゃないんだ! ってたまげたらしいんですが、でもねよくよく考えたらSEEDの登場人物って、遺伝子改造を受けたコーディネーターが中心なんですよね。ということは、そのピンクの髪っていうのは遺伝子改変の結果だったんだよ! みたいな話をしまして、けど日本では古来から緑の黒髪っていうじゃないですか。そういえば、昔、緑の髪を持つ女性が出てくる小説を新井が書いていましたっけ。話していたその人曰く、読んだはずだけど内容を思い出せない。そうなんですよね。私もこの本持ってるんですが、中身思い出せない。ほんと、どんな内容だったっけ……。
そうした話をしていたのが先週末のことでした。そして、今日、私がちょいとお邪魔しました施設にですね、たくさん本が、漫画が用意されておりまして、私こういうの見るとチェックせずにはおられないんですが、いやあ、あったのですよ、『グリーン・レクイエム』。しかも漫画版。多分文月今日子だったと思います(まさか複数タイトルあるとは思ってなかった)。へえ、漫画になってたんだと思って手に取って、そのまま読みはじめてしまいました。頭からがっつり読んだわけではなくて、ぱらぱらとめくりながらの粗読みですが、けどだんだんと思い出してきて、そういえばそういう話だったっけ、で結末はどうだった? なんて思ったところでタイムアウト。おおう、残念。ラストは次回に持ち越しか。けど、本当に不思議なくらい内容忘れているのが意外です。ヒロインが髪に葉緑体を持つ植物性の人間(?)だったってことしか覚えてなくて、ピアノが出てくることも忘れてたし、研究所とかも忘れてたし、植物に影響することも忘れていました。
読んだときに、わりと面白かったけれど、文体含め雰囲気が趣味じゃないなと思ったことを思い出します。出た当時にはそれが受けたのかも知れないけれど、私が読んだときは大学在学時ですから十年くらい経ってますね、やっぱりなんだか受け入れがたいと、変な少女趣味といったらいいか、作られた感じ、これは当時の言葉でいうブリッコだな、ちょっと気色悪いと思ったことを告白しておきます。またこれはSFという触れ込みだったと思うんですが、けど読んだ感じSFとは思えなくて、SFっぽい設定や状況は出てくるけれど、せいぜいファンタジー、それもライトファンタジーだと思った。今でいえばライトノベルとしてひと括りにされる感じだと思います。面白かったけど、ちょっとなって感じです。けど、その後読んだ続編は、こりゃどうだろうと思ったんですから、やっぱり正編はいけてた部類なんだと思います。
漫画になれば、そうした独特の臭みはなくなりますから、少女漫画的という別種の空気を纏うわけではありますが、それは割合受け入れやすくて、やっぱ小説と漫画だったら、漫画の方が荒唐無稽設定を受け入れさせやすいのかな。そしてラブストーリーが、しっかりとしかしさらっと展開して、なんか矛盾したこといってますが、重くなりがちな展開でも、さらりと表現しやすいといったらよいでしょうか。小説のコミカライズとして、うまくいっていると思いました(といっても、原作をまったくといっていいほど忘れてるんだから、説得力ないね)。
この小説と漫画の相性のよさというのは、『グリーン・レクイエム』の持つ少女漫画的空気もあるのかも知れません。漫画的な雰囲気、ライトさが、実際の漫画表現にもよくマッチしたという好例なんじゃないかと思いました。いや、説得力全然ないんですけどね。
- 文月今日子『グリーン・レクイエム』新井素子原作 (講談社コミックスフレンド) 東京:講談社,1985年。
- 春名里日『グリーン・レクイエム』新井素子原作 東京:講談社,2003年。
- 新井素子『グリーン・レクイエム』東京:講談社,1990年。
- 新井素子『緑幻想—グリーン・レクイエム2』東京:講談社,1990年。
- 新井素子『グリーン・レクイエム』(講談社文庫) 東京:講談社,1983年。
- 新井素子,ナオミ・アンダーソン『グリーン・レクイエム』東京:講談社,2000年。
- 新井素子『グリーン・レクイエム』イナアキコ絵 東京:日本標準,2007年。
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