2008年12月31日水曜日

YAMAHA アルトサクソフォン YAS-875

 今年最後の更新となりました。さて、なんで書いたものかな。しばし悩んで、そうだサックスで書こう。なんせ、この年の瀬、いったいなにがどうしたものか、いつになくサクソフォンづいたわけでありましょう。だから自分の楽器のことで書こう。べ、別にネタがなかったわけじゃないんだからねっ!

私の使っている楽器は、YAMAHAのカスタムというライン、YAS-875です。私の入手した当時における最高級機で、ええといつかと思って保証書確認してみたら、平成2年6月10日に購入。なんと、私、16歳だ! すげえなあ、そりゃ歳とるわけですよ。シリアルナンバーが1800番台で、結構初期のころの楽器ですね。それが十数年経って、私もおっさんになって、世紀もまたいだのか。すごいことになっていますね。ですが、この楽器はまだ現役、これからもずっとつきあっていきたい、そういう性にあった楽器であるのです。

しかし、サックスというと、詳しい人ならご存じでしょうが、セルマーというメーカーが人気でして、こっちを選ぶ人がとにかく多いんです。アマチュアでもそうなら、専門の人でもそうで、セルマーが大半、残りをヤマハ、ヤナギサワ、クランポンがわけるというような状況であったと思います。いや、ヤナギサワは少なかったかな。ジャズなんかでは、ヤナギサワユーザーも多いんじゃないかと思うんですけど。

私がYAMAHAを好きだというのは、素直な音の出がするというか、楽器による色付けが少ない、そんな気がするからなんですね。セルマーだと、セルマー! という音がして、セルマーを選ぶ人はきっとこの音が欲しいんだろうなって思うんですけど、私にはちょっとあわない感じがして、だからYAMAHAを選んだんですね。それにバンドーレンのマウスピースを合わせる。昔はそれにロブナーのリガチャーを付けてたんだけど、さすがにそれはどうだろうといわれた。いやね、ちょっと重いんですよ、吹いた感じが。私はそういうのちょっと気に入ってたんだけど、あまりにも疑問視されたものだから、しかもその後、ハリソンのゴールドプレートを安くわけてもらう機会があったものだから、結局乗り換えてしまいました。こういう、ポリシーがあるようで、ちっともないというところ。実に私らしいです。いいかげんなんですよ、基本的に。

最近なのか、875に上のモデルが出てるんですね。知りませんでした。875EXというのがそれで、一体なにがどう違うんだろうと思って、大学時代の友人に聞いたら、軽くなったんですってよ。重さが減ったという。へー、そうなんだ、と思ってメーカーサイトで仕様を見ても、重さ、書いてない……。なんでだろう……。

軽くなって、演奏しやすさ、というか、吹奏感もずいぶん変わったんだそうで、楽に出る? そんな風な話です。でも、重い875の方が音の深さというか響きはいい、まあこういうのは好き好きなんですけどね、と思ったら、値段一緒だ。本当に好みで選ぶものみたいですね。

もし今、選ぶとしたら、私はどちらを買うだろう。多分、悩んだ末に875を選ぶんじゃないかなあ。でも、華奢な自分にはEXの方がいいんだろうって思うんです。だって、身長180で体重48kgよ。学生時分は53kgあって、それに若さを加えてもなおしんどかったというのに、今はさらに5kg減った。もう、つらいつらい。さっきの友人、一年後輩なんですが、高音なんていくらでも出るじゃないですか、なんていうんだけど、無理だから。はっきりいって、High Fくらいからしんどいよ。フラジオは一応出せたけど、あくまでも一応だから。やっぱりもう10kgくらい体重欲しいよね。体脂肪率8%って、どんなアスリートだよって感じで、もうつらい。人生がつらい。ちゃんと食べてるんだけど、なんで太らないんだろう。

だから875EXの方がいいんだろうと思うんですが、それでもきっと私は875を選ぶ。そんな気がします。

今日、『千の風になって』を吹いてみました。録画してみましてね、改めて客観視してみたら、これはちょっとまずいですね。頑張らないといけないな、そう思って、レッスンに通おうかと思っているところです。やっぱりね、うまい人の演奏を身近にするというのは大きいんです。その人の演奏、音色が基準になります。ただそばで聴いているだけで糧になる、そんなところがあって、それに加えて教えてもらえるってんだからありがたい。毎週ってのはきついから、月一くらいでいいから、習ってみようかな。殊勝なことをいっております。

といった具合で、一年の締め括りなのだか、新年の抱負なんだか、振り返りと目標を新たにしたところで本年最後の記事を終えたく思います。今年一年、ありがとうございました。

こうしてリストにしておいてなんだけど、いかな横着な私であっても、こうした通販で楽器を買う勇気はありません。

2008年12月30日火曜日

GENERATION XTH -CODE BREAKER-

 今年がもうすぐ終るという段になって、心残りは多々あれど、まず手近なものはなんだろう、そう思った時、自然に浮んできたのはGENERATION XTH -CODE BREAKER-でありました。先月末、11月30日に発売されたゲーム。Wizardry系の迷宮探索型RPGであるのですが、これが適度な手応え、適度な難易度を持っているものだから、プレイしていて実に楽しいのです。気付けばもくもくとレベル上げをしてしまう、レアアイテムのドロップを期待して、より強い敵を求め、あまりに深入りしすぎて、パーティ半壊、必死に逃げ帰るなど、そうしたもろもろの出来事が、用意されていないドラマを見事に盛り上げてくれて、ああいいゲームだなと思うのですね。さて、少しずつ進めてきたCODE BREAKERですが、ここは一気にシナリオクリアまで持っていきたい、そう思い、根を詰めてプレイしてみました。そうしたら結構クエストが殘っていて、また迷宮の難度も結構高くて、いやあ参りましたよ。今日中にクリアできないかと思いました。でも、なんとかシナリオクリアなりました。なので、気分はちょっと晴れやかなのであります。

クリアしてみての印象は、思ったよりもボリュームがあったなという、それにつきるように思います。ストーリーは、メインの敵勢力があり、そうかと思えば別勢力の動きもあり、複数の意図がからみあっている中で進行していくものですから、いい感じに攪乱されて、深みというか厚みが出ていたように思います。プレイヤーの属する組織も思いがけない転身を繰り返すなど意外性は抜群で、プレイヤーキャラが一旦レベル1相当に落とされてしまうという、あの演出もなかなかのものだったと思います。

基本的には一本道のシナリオだから、途中に出てくる選択肢を誤ってひどい目にあう、ということもちょっとないゲームです。だからそれだけに、誰もがひどい目にあう、そんな状況が用意されていて、いやあ、弱体化したパーティで遁走するという展開には泡食いましたよ。けれど、そうした演出もまた王道なんですよね。Team Muramasaは、少年漫画におけるお約束みたいなものをよく理解しているというか、真っ向からそうした要素をぶつけてくれるから、昔少年だった私なんかはやたら盛り上がってしまいましてね、もうたまりません。多分、こんな風に引き込まれてしまったプレイヤーも多いのじゃないかなあ、なんて思うくらいに、サービス精神旺盛なゲームであります。

ちょっと脳が疲れてしまってるようなので、軽くクリア時の戦績を書いて終りにしたいと思います。まず瀕死回数は34回。これは少ない方だと思います。それだけ用心してプレイしたということであるのですが、それでもラストダンジョンでは頻繁に死者が出て、なかなかに厳しかったです。隊壊滅回数は1回。けれど、これはレベル1から育てているパーティの全滅なので、ちょっと状況は違いますね。なんというのか、前作からキャラクターを持ち越すことを前提としたバランスであるためか、レベル1からの育成は茨の道になっていまして、もう、本当にくじけます。

クリアに要した時間は、45時間51分でした。思ったよりも遊んでますね。平日は遊べない、休日もそんなに遊べない、とはいっても、そこそこ時間を捻り出していたっていうことなのでしょう。ゲームは一日一時間+αくらいは遊んでいたわけで、まあ結構プレイしてるじゃん。やらないといけないことも多いのに、本当にまずい状況だな、そんなこと思ってます。

というわけで、まずはシナリオクリアしましたという報告でした。エンディングに自分の名前見付けて、じんわりと感動して、そして僕達の戦いはこれからだ! 余韻にひたる間もなく、次の展開が用意されるところなど、なかなかに楽しませてくれるゲームであるのです。だから、まだまだ終りませんよ。

2008年12月29日月曜日

J. S. Bach : Suite No. 1 pour saxophone seul

Musical score先日、久しぶりにサクソフォンを吹く気になったといって、リードを買いマウスピース・パッチも買い、そうしたら楽器に軽微な故障が発生して、楽器店に入院。その時に見かけたソプラノサックスに一目惚れ、そして今日、具体的な商談をしてきました。じゃなくて、楽器を受け取りにいってきたのでした。ついでに人に会う約束もしていたので、見切り発車で店にいったら、まだ仕上がっていないってことだったので、時間をつぶすべく楽譜売場をぶらっとまわって、そして一冊買いました。バッハの組曲一番。チェロのための、無伴奏のものなのですけど、サクソフォン用に編曲されたものがあるのですよね。復帰するにあたり、この曲にとりくんでみようかな、そんなことを考えたわけです。

この曲は、私が短大でサックスを学んでいた時に、練習課題として渡されたもので、それから数年に渡り吹き続けたから、それはそれは愛着のある、思い出も深い曲なんです。渡されたその時は、原曲はどんななのだろうと、図書館から原典版を借り出して、かたっぱしから編曲されてる部分を消し、オリジナルに似るように戻していった、こういうところ、私の性格がわかるんじゃないかと思いますが、そしてそれからはわからんまま吹いて、あれこれ試行錯誤して、チェロの演奏もいろいろ聴いてみて、楽譜どおりに吹かない、スラーと書いてあるのを無視してデタシェで吹くようになって、やっぱこれがいいなと納得するところを見付けたのでした。そうなるまでに何年かかったんだろう。少なくとも短大は卒業して、つまりは学部時代であると思うのですが、いやどうだろう、下手したら院にあがってるな。とにかく、長く吹いてきた曲であるんですね。

知り合いでプロモーションだかマネジメントだかをやっている人がいましてね、その人が24時間テレビの仕事をとってきたことがあるんです。読売テレビの社屋でやるイベントステージ、そこで演奏しておくれよといって、誘われた。もちろんそれはイベントのものだから、テレビに映るかどうかはわからない。けれどもしかしたら映るよと。そして私は、いうても専攻生だったわけだから、そのカメラが来るという時間にあわせてスケジュールを組んでくださったんですね。

あの時は、面白かった。ステージにあがると、徹夜明けなんでしょうね、若者が観客席となったロビーにごろごろと、あたかもダイインでもするかのように多数横たわっていて、まいったな、苦笑しながら音出ししたら、それがもう気持ちよく響くこと響くこと。天井の高い、その天辺に向って音が伸びていくようで、うわあ、気持ちいいなあ、終始そう思いながら吹いて、ステージを掃けたら、みんなからよかったよよかったよといってもらえて、思い返すごとに、あれが私の頂点だったと思う。というのはどうでもいいんですが、その演奏している最中にカメラがきたんですよ。建物入口あたりがざわつきはじめて、あ、カメラがきたな、そう思った瞬間、さっきまで屍のようだった若者たちががばっと跳ね起きたかと思うと、一目散に駆け出していって、その行き先を見ればアンパンマンの着ぐるみ。カメラはアンパンマンとむらがる若者たちを映し続け、ついぞステージにたどり着くことはありませんでした。

まあ、そりゃそうだろう。なんてったって、アンパンマンは全国区だもんな。

それまで使ってきた楽譜は、コピーしたものだったのです。学生のころは金がないから、なんていうけど、今となってはやっぱり買うべきかな、そう思って、遅蒔きながら購入したのですね。まっさらの、なんの書き込みもない楽譜。正直、これで吹くだなんて考えられないような白さなのですが、ええ、やっぱり楽譜とは、楽譜そのものも宝であろうかと思いますが、それ以上に、そこに書き込まれてきたもの、それが大切であるのだと感じ入る次第でした。書き込みとは、試行錯誤の記録であり、失敗と成功の結果であるのです。年月をともに積み上げてきたものがそこにはある。書き込みのある楽譜は、代え難い、私だけの、おおげさにいうなら、戦友のようなものなのだと思うのですね。

だから、私はこれから選択を迫られるのでしょう。新しい楽譜を前に、新たな積み上げを始める、これがひとつ目。もうひとつは、コピー譜から必要な書き込みを転記する。そして最後が、原譜は買って持ってるといいはることにして、これからもコピー譜を使い続けるというものですね。

どれにするかは、これから決めます。まあ、二番から始めて、一番、つまりさらなる積み上げをしていく、ってことになるのかな、そんな気がしています。

  • Bach, J. S. Suite No. 1 pour saxophone seul. Transcripted by Jean-Marie Londeix. Paris : Henry Lemoine, 1963.

2008年12月28日日曜日

CASIO EXILIM Hi-ZOOM EX-V8

 YouTubeにて公開する動画を撮影するために買った、CASIOのEXILIM Hi-ZOOM EX-V8。けれど、これは動画も撮れるとはいうものの、あくまでもデジタルカメラであります。コンパクトカメラながらも、38mmから266mmまでの高倍率ズームレンズを搭載した充実ぶり。最近はやりの、顔認識も手ぶれ補正ももちろん装備しています。けど、私はメインのカメラとしてGR DIGITALを使っていて、はや二年ですかね、けれど未だに不満というほどの不満のないという充実したカメラであります。だから、EX-V8の出番は、こと写真を撮るということに関してはないのではないかと思われたのです。しかし、GR DIGITALにはないズームを必要とすることがあるだろう、そう思ってきた。そして、その機会が先日おとずれたのでした。

その機会とは、友人の演奏会でありました。撮影しておくれと頼まれて、それでGR DIGITALとEX-V8を持って出たのであります。リハーサルや会場風景など、近接して撮れる場合はGR DIGITALを使い、客席から舞台を狙うなど、近くにまで寄れない場合はEX-V8を使う。ええ、これが一番いい使い分けでありましょう。実際、この使い分けは理にかなっていた、撮り終えた今、本当にそのように思います。

カメラとしてのEX-V8、それほどしっかりと使い込んでみたわけではない、本当に簡単なインプレッションではありますが、まあわるくはないなというのが正直な感想です。完全カメラまかせで撮ることも可能なら、絞り優先、シャッター速度優先を選ぶことも可能で、特にシャッター速度優先は、今回のような舞台撮影、光量の不足する現場においては、役立ってくれました。1/30秒であるとかそのへんで固定しておいて、後はカメラまかせで撮ります。その際には、露出アンダーですよと警告が出るんですが、かまわず撮れば確かにアンダーであるんだけど、被写体ぶれも抑えられているし、それにまったく写っていないような、そんなこともないしで、なかなかに悪くなかったのではないかと、そんな風に思っています。

ただ困ったのは、レリーズのタイムラグです。カタログスペックでは約0.008秒とあるのだけど、思ったよりも遅れるという感触で、今だ! と思ってレリーズするも、写っているのは一瞬遅れた場面ということが多くて、具体的にいうと、演奏者がおじぎをする、その直前を撮ろうと思ってレリーズしたのに、写っているのは頭を下げたところという悲しさ。けれどこれは自分の腕が悪いのかも知れませんね。今だ! と思って、シャッターボタンに掛かる指が押し込まれるまでに遅れが出てしまっているのかも。何度かあったおじぎ、ちょっとずつタイミングをずらしながら撮影してみて、満足できるのははたして一枚あったかどうか。ともあれ、このへんの事情は、低廉なデジカメならどれもがかかえている問題であろうと思います。

私はマニュアルを読まず、持ってもいかず、だからカメラの操作時に表示されるヒント、それだけで撮影に臨んだのですが、って、これ今から考えるとえらい無茶だと思うのですが、でもそれでも問題なく各種機能を使える、非常に使いやすいカメラであったと思います。シャッター速度優先での使い方も、ちょこっと触れば合点がいく、そうした感じで使える、ユーザーにとっての便利のいいカメラ、というのが百枚程度撮ってみての感想です。

2008年12月27日土曜日

CAUL ER

 今日、ちょっとヨドバシカメラにいかねばならぬ用事がありまして、といっても、ゲームの予約、たいした用事ではないのですが、けれど年内に、可能なかぎり早くいっておきたいという事情があったので、私には珍しく休日に大阪は梅田まで出てみました。予約は昨日から受け付け開始、いわゆる早期予約キャンペーンというやつでして、けれど昨日の時点では店側に必要な情報が渡っていなかったらしく、仕方がないので一旦うちにもどり、メーカーサイトのそのページをプリントアウトしていったのでした。かくして予約は無事なって、特典はどうなるんだかよくわかりませんが、まあその帰り道ですよ、おもちゃ売り場を突っ切ることになりまして、そうしたらなんだか車のおもちゃのコーナーで足が止ってしまいました。そういえば今日はうちにちびすけがきていたから、なにか買って帰ってやろうか。トミカみたいのがいい。それも、はたらく車がいい。そう思っていたのに、買ったのはリモコンで動く車でありました。

それは別に、ラジコンが欲しいと思ったからじゃないんです。ちびすけが、リモコンで動く車を追い掛けたりしたら、さぞ面白かろうなあ、などと思ったからなんですね。それに、随分前の話ですが、父がこうしたおもちゃに興味を持っていたようなので、買えばいいじゃん、とはいったものの、変に始末屋の父は結局買うことはなく、だからちびすけのためといって父に渡してしまえばいいんだ。

家族の喜びが私の喜びなんです。わお、なんかいい人みたいだ。

しかしこの車、車に単4電池2本、コントローラーに同じく単4を2本セットしまして、スイッチオン、走らせましたらね、えらい速いんですよ。ええーっ、こんなに速いものなのか! 正直なところをいいますと、プラレール程度の速度を期待していたのですが、そんなどころじゃない。どう考えても、二歳児の足じゃ追い付きません。それどころか、油断すると壁に激突しそうです。まいったなあ。うちの中でちょこっと遊ぶには、高性能すぎる感じです。

私の買ったのは救急車でした。うちの近所にですね、老人ホームがあるものですから、救急車がよく通るんですね。そのたびにちびすけが反応するので、じゃあこいつにしておこうかと思ったんですね。最後までバスと迷ったんですけど、なんせ都営バスでしょう。京都府民の私には縁もゆかりもないものでござんす。阪急バスだったら、せめて京都市バスなら買ったろう。けど、都バスじゃ駄目です。

救急車は、ライト&サウンドシリーズ、というわけで、走ると赤色灯が光り、サイレンも鳴るというのですから、より興味を引くのではないかと期待したのでした。けど、サイレンがですね曲者で、走行させると確かに鳴るのですが、走り始めてしばらくしないと鳴らないんですね。さっきもいいましたけど、我が家で走らせるには少々速度が出すぎるおもちゃです。なので、前進ボタンをちょこちょこ押すことで速度を調整する。そうすると、いつまでたっても走り始めてしばらくという状態にならないので、サイレン鳴らないのですよ。まいったなあ。けどまあいいか。鳴ってもたいした音量ではないし。

リモコンは電波を使うものではなく、赤外線を使うタイプ、つまりテレビのリモコンみたいなものです。そのため、車がものかげに入り込んでしまうと、コントロールが効かなくなります。でもこれは、特に子供が遊ぶおもちゃとしては、正しい仕様かと思います。見えないところまで走らせて、なくしたり、さらには人に迷惑かけたりすることがないわけで、だからこれはむしろ好印象でした。操作してみての感覚はというと、なにしろ前進後退、右左のボタンしかついてませんしね。速度の調整もできない、とにかく簡単仕様。RCカーファンにはきっと物足りないでしょうが、ちょこっと動かしてみたいというような人間にならこれで充分。ええ、私には充分なものでありました。

帰った時には、ちびすけはお昼寝の最中で、だから自分ひとりで走らせて、その具合を確かめていたのですが、ほどなくしてちびすけお目覚め、私のいる居間に入ってきたら、その場で固まってしまいました。謎の動く物体に怖がってしまったようで、あちゃあ、まいったな。そうきたか。確かにこのおもちゃは対象年齢8歳以上と、ちびすけにはまだ早いものでありますが、それは操作して遊ぶという点においてのこと、見て遊ぶには充分だと思ったら怖れさせてしまいました。

いやあ、失敗失敗。けど、いずれ慣れるでしょう。そうしたら喜んでくれるに違いない? 喜んでくれるといいな。

あ、そうそう。Amazonの商品ページの写真、現物と違ってますから。ちなみに現物はこんな感じ。父はパッケージを見て、なんだ、東京消防庁か、といいはなちました。ええ、私も同意見です。でも、全国の消防は網羅できんよな。地元消防がよかったら、自作でしょうね。

引用

  • カズホ「キルミーベイベー」,『まんがタイムきららキャラット』第5巻第2号(2009年2月号),49頁。

2008年12月26日金曜日

サンスター文具 ペーパーステッチロック

 今日は今年最後の出勤日。本当だったら休みたいところであったのですが、今日にやっておかないといけないこともあったから、気力を振り絞って働いてきました。さて、私の今の職場は、この年末に別の事務所と統廃合されるかたちで引越しをしたのですが、その行き先である事務所にちょっと気になるアイテムがありましてね、それはなにかといいますと、針を使わないステープラーであります。一般にホッチキスと呼ばれることの多い文具でありますが、あの紙を綴じるための器具。広く知られているものは針を使います。って、説明する必要なんてありませんよね。ですが、この針がちょっと面倒で、最近は再生に出す際、ステープラーの針程度なら付けたままでもオッケーなんだそうですが、昔はいちいち外さないといけないし、それにシュレッダー使うときなんかにも外す必要があって、もう面倒くさい。それに、あれ針金だから、指突いたりして結構危ないんですよね。といったわけで、長く針を使わないステープラーに興味を持ってきたわけですが、それが新事務所にあった。うわあ、こりゃちょっと嬉しいなあ。思い掛けない出会いに喜んだのでした。

それはサンスター文具のペーパーステッチロックZnというモデルでした。金属製のボディは、亜鉛なんだそうですが、ずしりと持ち重りするようで、質感はたっぷり。この口に紙を挿し入れてやって、レバーを押し込むと、さくりと紙を切る感触をともに綴じられるというのですから、よくできています。けれど、残念なことに、これはまったくといっていいほど使われておらず、というのは、誰もこれが紙を綴じる道具だとは気付かなかったからなんですね。私がいくまで、なんだかよくわからないままに放置されていたのでした。まあ、そうでしょうね。文具マニアとか、そういう気のある人間でないと、こんな道具、知るわけないですよね。

この事務所に引っ越してきた暁には、こいつをひとつ占有してやろう。野望を胸に引っ越してきたものの、最初はばたばたしていてそれどころじゃない。ようやく落ち着いた今日、ああそうだ、この紙を綴じるのに、あいつを使おうじゃないか。そう思って探してみたら、なんとなくなってる。ええー、どこいったんだろう。どうやら、我々が引越してくる、そのスペースを空けるついでに、あちこちもろもろを整理したらしいんですね。で、用途不明の道具はどこかに押しやられてしまったと。これはちょっと悲しかったですね。

代わりに出てきたのが、同じくサンスター文具のペーパーステッチロックタワーでした。これはプラスチック製のボディで、随分軽いものです。口に紙を挿し入れて、でっかいボタンを押し下げてやると紙が綴じられる。仕組みはそんなに違いませんね。ただ、綴じ方はちょっと違っていて、それに結構力が必要で、とにかく非力軽量の私にはちょっと使いにくい道具であるかも知れません。

でも、ペーパーステッチロックZnが行方不明である現在、私にとってはペーパーステッチロックタワーしかないわけで、だからZnを探しつつ、こいつを使っていこう、そのように考えています。綴じられる紙は、Znが7枚、タワーは4枚程度、どちらもそれほど多くの枚数は綴じられないものの、ちょっとした書類をまとめておきたい、メモに資料を添える、そんなくらいの用になら充分対応可能です。だから、私はこれからは、針を使わないステープラーをメインに使っていきます。エコとか関係なく、道具のギミックとしての面白さに引かれた結果ですね。魅力的な道具だと思います。

2008年12月25日木曜日

うらがアルっ!

 『うらがアルっ!』が始まったときはなぜだか変に抵抗してみせて、というのは、見た目小さな女の子が背伸びをするという話、自宅での素の姿が紹介される毎回の扉に現われる、穂咲りあののあまりの無防備な姿に、こういうのを求めておいででしょう? というメッセージを勝手に読み取ったためなんですね。歳のわりに小柄な女の子、外ではしっかり者を演じているけれど、お家だとこんなに幼気なんですよ。アニメ見て、パンツなんかも見せちゃったりして、っていう、それがどうにも気にくわんかったんですね。でも、読んでいるうちに、なんとなく好きになってしまっているというのも、また私にはよくある話で、ええ、今は楽しく読んでおります。そういえば、こないだも同じようなこといってましたね。ほんとう、私にはよくある話なのです。

でも、あんた小さな女の子好きなんじゃないの? ええと、幼女じゃなくって、小柄な女の子ね、っていわれれば、そうですね、好きですよ。それにりあのん、眼鏡かけてるじゃん。って、確かにかけてますね。だからいかにも個人的に大ヒットしそうなキャラクターなのに、それが意外と駄目で、いったいどこがはずしてるのかわからないのだけど、ぐっとこないんだ。確かにかわいいキャラクターだと思うし、絵もすごく引き付けるものがあるのだけど、それがこない。多分これは、あまりにポイントに迫りすぎたために、少しの齟齬が大きく影響してしまった、というやつなのでしょう。

と、ここまで書いて、わかりましたよ。りあのん、不幸度が低いんですよ。なんか、すごく天真爛漫として、すごく仕合せそうで、もう見るほどに幸いになる、そんな印象いっぱいに描かれていて、だから私も目を細めて見てしまうのだけど、その幸い度の高さが私を寄せ付けないのですね。それは、ペットボトルが猫を追い払ってしまうように! あ、いや、あれは効果ないんだっけか。ともあれ、穂咲りあのが私をロックしなかったのは、陰のない、まるで日向のような娘だったからなのですね。それはそれは、見ているだけで暖かにゆるむ。幸いですね。ええ、とても幸いなあたたかさの心地良い漫画なのです。

でも、これだけじゃないんですよね。お家では稚気にあふれ、学校では生徒会に所属する真面目なしっかり者、りあのんのその二面性、ありていにいえば背伸びなんですけどね、それをちゃんとわかっている先輩たちに彼女が囲まれているというところもなんだか楽しくってですね、見ていてすごくほほえましいのです。りあのんが背伸びしているってことは、もうばればれなんだけれど、それでもしっかり者を演じようとするところが可愛い。そして、そんな彼女を見守る上級生たちをとおして、まるで私もりあのんを慈しむような気持ちになって、そうか、この漫画は、直接りあのんを愛でるのではなく、りあのんを愛でる人たちを通じて間接的に可愛さを感じようという、そういう趣向であるのか。愛での共感、そこにこの漫画の楽しみの核があると、そのように感じます。

さて、そんな私が気にいっているのは、ことあるごとに鼻血を出している会長も大変にお気に入りなのですが、それよりもりあののお母さんが素敵であると思います。割と頻繁に怒ってる、けれど娘大好きで、甘々なお母さんです。その母娘関係がなんだかよいなあと、さらに仕合せ感覚を強くしているよなと思う。とりわけ、あーあ… あーあ!?に連なる流れなどは最高だった。ふたりの関係のよさを垣間見るようで、すごくよかったのでした。

  • もんちぃ『うらがアルっ!』第1巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2008年。
  • 以下続刊

引用

2008年12月24日水曜日

Saxophones, taken with GR DIGITAL

Saxophone2008年12月GR BLOGトラックバック企画のテーマは☆キラキラ☆なんだそうですよ。しかし、キラキラかあ。キラキラといって思い出されるものといったら、サンリオキャラクターであるとか、あとは四コマ漫画誌かなあ。まあ、どちらもキラキラではないのでありますが。さて、あらためてキラキラといわれましても、なにを撮ったものかわからないというのはいつもの話であります。基本出不精の私ですから、ライトアップやイルミネーションを見にいくこともしないし、かといって、仕事の帰り道に見るイルミネーションを撮影して、というのも気がひけます。なんてったって、個人宅ですからね。といった具合で、どうしたものか悩んでいたところ、ちょっとよさそうなものを見付けました。それは、楽器。楽器でトラックバック企画 ☆キラキラ☆ に参加であります。

楽器。先日、我が愛器に軽微な故障がでたから、楽器店にいってきたといっていました。その時にですね、ショーケースを見ていたらですよ、そこにはきらきらと輝く新品のサックスがずらり並んでいましてね、ああ、ちょっと欲しくなっちゃうな。特にソプラノサックスが欲しい。実をいうと、学生の頃から憧れてた楽器なんだけれど、貧乏学生の私には到底手の出るようなものではなく、だから諦めていました。卒業してからは、サックスから一時離れていたこともあって、憧れはどこかにひっそりと隠しながらも、買うことなどはなかろうと、そんな風に思ってきたのですね。

ですが、この年末に久しぶりにサックスを吹いてみて、ああ、やっぱりいい楽器だなあ。そう思って、なんとかして演奏の機会を作ろうと考えて、仕事を紹介しておくれとお願いをしてきたところ。そうしたら、来年からブライダルに力を入れようと思っていたからちょうどいいとの返事をいただき、やったぜ、来年は働くよ! それで、お金貯めて、ソプラノサックス買うんだ! 俄然はりきっちゃうのであります。

そんなわけで、GR BLOGトラックバック企画には、私をやる気にさせてくれた楽器の写真を出しちゃう。一枚目がソプラノサックス、二枚目はテナーサックス。冒頭のは私の愛器、アルトサックスでした。私の欲しいといっているソプラノサックスは、写真に写っている中の一番左側のもの。隠したのには他意はなく、構図を考えたら隠れてしまっただけです。

これらの写真、まさに文字通りショーケースに貼り付くようにして撮ったものであります。ショーケースの楽器に憧れるあまり、貼り付いてしまうというのは、古今東西、老若男女問わないことであるようですよ。

Saxophones

Saxophones

2008年12月23日火曜日

四つの署名

 ああ探偵事務所』に刺戟をうけて、シャーロック・ホームズを一から読んでいるというのは、以前、『緋色の研究』で書いた時にも触れたことであります。もはや古典といえる探偵小説。書かれたのは十九世紀も末、百年以上も前の小説だというのに、今なおその人気は衰えることなく、読まれ、新たなファンを獲得しています。熱狂的なファンは世界中にいる、だなんて昔からいわれていますけど、そうした人たち、いわゆるシャーロキアンの世代交代も進んでいるのでしょうか。

さて、『緋色の研究』に続いて私の読んだのはなにかといいますと、『四つの署名』であります。なぜ『四つの署名』かというと、これがホームズものの第二作目だから。すなわち、発表順に読んでいるというわけなのですが、しかし、この話はのっけから驚かされることばかりでした。

なにに驚いたかというと、ホームズの暗い愉しみについてです。なんと、ホームズ、コカインを愛用している、いうならば薬物中毒者であるというのですから、いやあ、驚いてしまいました。こういう話は聞いたことはあったのですが、それがまさかこうもあからさまに描写されているだなんて思ってもいなかったものですから、この幕開きには正直軽くショックを感じるほどでした。

ですが、ひとたび事件となれば、そうしたホームズの影の部分はいずこかへと消えさって、はっとさせるような理性の閃きが読者を魅了すること前作に変わるところなく、いや、やはり読ませる話であるなという印象を新たにするばかりでありました。

物語自体は、必要以上に凝ることもなく、いたってシンプルであります。美しい女性の持ち込んだ依頼をめぐる謎の数々が興味をくすぐります。数年に渡る謎の人物からの援助、差出人不明の手紙、行き先不明の馬車に運ばれた先で聞かされる過去の不正、そして痛ましい事件がおこって、さあ我らがホームズの活躍ですよ。しかし、今回は、ホームズの活躍もさることながら、もうひとつ気になる要素がありまして、それはなにかというとワトスンの恋愛事情であります。なんと、ワトスン君、依頼人に恋しちゃうんですね。いやあ、まいりました。もう一目惚れといっていいくらいのありさまで、話の進むにつれてなおも高まる恋心。ヴィクトリアンは恋愛ごとに積極的だったとでもいうのか、それともたまたまワトスン君がそうだったというだけなのか、いずれにしても、美しい女性とのロマンスだなんて、ちょっとそそるではないですか。それでなくとも凡人だ凡人だと馬鹿にされがちなワトスン君、そうした描写のあまりに有名なせいで、人のいい迂闊ものという印象を持ってしまっているものだから、思わず応援してしまいましたよ。

シャーロック・ホームズを読むと、探偵小説、推理小説をミステリーと呼ぶ理由がわかるような気がします。描かれるのはあくまでも犯罪で、一筋縄ではいかない事件を探偵の叡智が快刀乱麻を断つごとく見事に解決する。確かにストーリーはそうした構図を持っていますが、その語られようはというと、怪奇もののそれである、そんな感じが拭えないのですね。そもそも殺人というものが非日常です。誰だかわからない犯人が、なぜだかわからない理由で人を殺害する。それはもう非日常も非日常、私たちの住む平穏な世界とはかけ離れた出来事にほかならず、そしてそうした異常事態が、かくもおどろおどろしく語られるのですね。いわば読者は不安にいざなわれるわけです。世にこれほどに奇怪なことがあろうかと、手に汗握り物語を追い、そしてその不安は見事探偵の活躍によってからりと晴らされる。この、日常を離れ、そして日常に回帰するという構造、不安と安定の間をゆきかう浮き沈みを楽しむのが探偵小説であるのかも知れませんね。

私は、とかく探偵小説というと、当たり前のように殺人、犯罪がおこり、そしてそこには当然のように謎、仕掛けが用意されているという、そんなものだと思ってきましたが、あらためてホームズを読んでみれば、そうした要素よりもより以上に怪奇性の方が強く感じられて、ああ、この感触こそがミステリーなのかな、などと思っている次第です。そう思えば、江戸川乱歩の小説や横溝正史の小説に感じられるもの、あの怪奇的な感触もまさしくミステリーなのかもなと、今さらながらに思う次第です。

  • ドイル,コナン『四つの署名』延原謙訳 (新潮文庫) 東京:新潮社,1953年;74刷改版,1993年。

2008年12月22日月曜日

ひかるファンファーレ

音大を舞台にした漫画がヒットしたからなのか、音楽を題材にした四コマも増えて、この動向は本当に予想外でした。けれど、悪くいえば無節操に、はやりを取り入れようとするのは、四コマ界隈に限らずいずこも同じであります。だから、はやりものは嫌いなんて偏屈なことをいうんじゃなくて、自分も一緒に楽しんだ方がきっとずっと楽しいんですよ。反省しましたか? はい、反省しました。

さて、現在芳文社では吹奏楽ものが二本連載されていまして、そのうちの一本が、こないだからなんだかんだと言及している『うらバン!』です。吹奏楽部に入部した小柄な女の子、鈴杉冬美が巨大な低音楽器チューバに配属されるという、見た目におけるギャップ萌え漫画といってもよいかと思うのですが、実はもう一本の吹奏楽ものも同様に、吹奏楽部に入ったら、チューバを吹くことになってしまった小柄な女の子、ひかるをヒロインとするギャップ萌え漫画、なんでしょうか。けど、同様の設定でありながら、その感触はずいぶん異っています。

その感触の違いは、掲載誌の違いが大きい、そういってもいいのではないかと思います。『うらバン!』は『まんがタイムきららキャラット』連載、『ひかるファンファーレ』は『まんがタイムジャンボ』連載です。そのためか、『ひかるファンファーレ』の方がナンセンス色が薄く、地に足のついているという印象を与えますが、実は『ひかるファンファーレ』の方が夢見がちのように感じます。天才少年に美少女、ちょっとしたけれんですね。そうした要素を散りばめながら、けれど不思議と地味に落ち着いていくのがこの漫画の面白いところで、だって天才少年黒田君の楽器はトロンボーン。って、こりゃまた地味だな。トロンボーンにせよなんにせよ、関わったものならわかるよさ、魅力、華がある。けど、それは一般には通じにくいっすよ。しかしそこをあえてトロンボーンをこの漫画の花形にすえた、そこに私はちょっと光るものを感じてしまうのですね。

一般にわかりやすい花形といったら、金管楽器ならトランペット、木管楽器ならフルートあたりでしょう。実際、吹奏楽部に夢とともに入部してくる新入生たちは、このあたりをやりたいって思っているんです。ところが、ヒロインはチューバ。ヒーローはトロンボーン。って、中低音がやたら充実していますね。これで対抗のヒロイン、池森結衣がテナーサックスあたりだったら、なんという中低音天国、ってな感じになったのでしょうが、残念(?)ながら結衣はアルトサックスです。

望みの楽器があって、しかし望まない楽器に配属されてしまうというところは、スクールバンドの現実を色濃く反映していて、実は私なんかもそうでした。中学の吹奏楽部に入って、希望はホルンだったのですが、って、それもまた地味だな。いやねシューマンがホルンはオーケストラの魂だとかいったんだって話を聞いて知っていたものですから、じゃあ是非ともその魂をやりたいものだ、そうした夢一杯で数ヶ月、走り込みやら腹筋やらを耐えたというのに、結局サックスに配属されてしまったのでした。でも、今はその配属は正しかったって思って、むしろ感謝してますよ。

私が吹奏楽部に引き込んだ友人は、中学ではホルンをやって、高校にあがった時も当然ホルンを希望していたのですが、残念ながらチューバにまわされて、彼はそれはそれはショックで、男泣きに泣いたとかいう話であります。だから、ひかるのような話はどこにでも転がっているのです。希望するのは、誰もがその胸に思い描く花形であります。私の姉ならフルート、しかしやつは中学ではトロンボーンに配属され、高校では一旦クラリネットに決ったものの、最終的にユーフォニウムに落ち着きます。おそらくは最初はいやいやなんです。ええーっ、こんな楽器いやだ、そう思って、それこそクラブやめようかなんて思いながらも、なんとなく続けているうちに好きになっていくのですね。

それは、さっきもいっていた、どの楽器にも等しくあるという華、そいつに気付いてしまうからなんだと思うのです。ベースを支えるチューバは、第二のメロディとでもいうべきベースラインを朗々と奏で、トロンボーンは、パート全体がひとつの機能となって、中低音域をぶ厚くふくよかに彩ります。それはそれは格好いいんですよ。けど、それはただ漫然と聴いてるだけじゃわからないかも知れない。だから、こうした漫画をきっかけに、吹奏楽も面白そうだと思った人は、もう一歩を踏み出して欲しいものだと思います。もちろん、やれってわけじゃありません。ただ、漫画のネタのひとつとして、部活ものの一バリエーションとして受け取るだけじゃもったいない。一歩踏み込んで、実際に聴いてみる。たいてい、どこでも地元の高校あたりが演奏会したりしてますからね、そういうのに足を運ぶなりして、ああ、漫画の中の彼ら彼女らは、こうした世界の中にいるのだという実感を確かなものとしてもらえたら、どんなにかいいだろうと思います。

『ひかるファンファーレ』は、吹奏楽の世界に夢をともに飛び込んできた女の子が、一度は夢を壊されながらも、配属された楽器を相棒として新たに夢を育んでいくという、実に吹奏楽部的な面白さを描いている漫画であると思います。それはまさにスクールバンドの典型であって、それはすなわちスクールバンドの青春そのものといっても過言ではありません。音楽への取り組みについて激論を交すこともある。友情を深める出来事、レクリエーションもあれば、ひとつの大きな山を皆で越えるという達成感、そしていたらなかった自分への悔しさもあって、それは多分吹奏楽に限らない、なにかにチャレンジしている人、いた人すべてが共有しうる感情であろうかと思います。そうした広く共感されるものをもって開かれる世界の中には、吹奏楽ならではの面白さが確かにあって、それが私には妙に懐かしいんですね。

さて、ここから以下は余談です。読む必要はありません。

マーチングの回で、ひかるがスーザフォンについて、強化プラスチック製だから重くないっていってました。これは本当です。ええと、私の愛するYAMAHAの製品だと、9.1kgだそうですよ。って、重いな……。けれど、昔はスーザフォンも総金属製でして、私の学校にあった楽器なんてまさにそれで、本文でいってた元ホルン吹きのチュービストは面白がって、そいつを復活させたのはいいものの、その重さに音をあげて、再びしまいこまれることと相成りました。さて、その重さとはいかほどのものかというと、ええ、私の愛するYAMAHAが総ブラス製のスーザフォンを出しているのですが、12.5kgだそうですよ。思ったより軽いなあ。

YAMAHAのサイトには、硬軟とりまぜて、楽器を紹介するコーナーがいくつかあって、中でも楽器解体全書はわかりやすく、質も高い、実によいコンテンツです。もちろんチューバもありますよ。トロンボーンだってあります。漫画で興味を持ったという人は、ぜひ楽器そして音楽の魅力にも触れていただきたいものだと、切に願うところであります。

  • 田川ちょこ『ひかるファンファーレ』

2008年12月21日日曜日

千の風になって

 私ははやりものというのが好きではありません。これはとにかく昔からの習い性で、モーツァルトイヤーにはモーツァルトを聴かず、今やジブリ映画を見ることもなくなって、こんな私ですから、当然『千の風になって』も聴かなかったんです。話題になって、ブームにもなって、いろいろなメディアで展開もされた歌、というか詩というべきですか? 私には、そうした話題沸騰ぶりがどうにもついていけないものと感じられてしまったようで、全曲をはじめて聴いたのは去年だったか一昨年だったかの紅白歌合戦というありさまです。しかし、この一方的な敵視とでもいいましょうか、そうした状況からやっと抜け出すことができましてね、なにがきっかけかというと、岩崎宏美ですよ。岩崎宏美のカバーを聴いて、いい歌だなと思った。いや、秋川雅史が悪いなんて思ってませんよ。ただ、はやりに対してあまりに嫌悪を露にしすぎました。そのせいで、ちゃんと聴いてこなかったのかも知れませんね。偏見というのは、とかく人を駄目にするという話でした。

で、一方的に和解して、どうしたかというと、ほら、最近サックスを吹くようになったっていってましたけど、ウォーミングアップないしはリハビリにこの曲がいいんですよ。ゆっくりとしたテンポで、ゆったり、たっぷりと歌う。そうした曲調が、大きく息を吸い、大らかに吹く、吹奏楽器の基本ですよね、そうした練習に実によくって、しかもうまいことに、オカリナやってる母が、この曲の楽譜を持ってたんですね。いやあ、人気のある曲だけあって、楽譜入手が楽、というか労せず手元にやってきて、ありがたいことこのうえないです。

基本は実音in Cで吹いて、けれど適当に移調しながら、低音から高音まで満遍なく網羅するようにして、そうしてると結構楽しくなってきて、これ、営業にいくときにはぜひ演奏しよう。そんな気持ちでいっぱいで、ただ問題は仕事があるかどうかなんですよね。なので、知り合いにお願いしているところ。年明けくらいから具体的に動けると嬉しいなあ、なんて勝手にいってるけど、そうは問屋がおろさんでしょう。とりあえず今は返事待ち。でさ、仕事がうまくもらえるようなら、ソプラノサックス買うよ! いやあ、あの真っ直ぐなのがかっこいいんですよ。私の心のようにねっ。って、冗談みたいなこといってますけど、私の今のサックス熱に『うらバン!』は少なからず関係しています。

けど、その私の愛器は、現在修理中。いやね、昨日吹いて、片付けようと思ったら、ベルの中になんかごみみたいのがありまして、引っくり返して取り出してみたら、なんとコルクですよ。ああ、どっかのコルクがはがれたんだね。あちこち見回して、ああ、ここか。サイドのCキー? そこのコルクがはがれてしまっていたんですね。

そのコルクはなくても演奏には支障はないのですが、そのままにしてると楽器の管をいためてしまうかもしれないら、早めに修理したほうがよさそうです。なので、私にしては異様なスピーディさを見せて、なんと今日楽器店に持ち込み、リペアの依頼をしてきました。しかし、修理はコルクだけではすまないでしょう。なんといっても数年仕舞い込まれていた楽器です。それ以前に、十年以上使ってきた楽器です。タンポ(孔を塞ぐパッド)の交換も必要だろうし、あちこちのコルク、フェルトも駄目になってるかも。となると、タンポ、コルク、フェルト全交換、ほぼオーバーホールコースだろう。予算は、まあ五万を下ることはないだろう……。覚悟を決めて見積りしてもらったら、四万円以内とのこと。タンポを全交換するまではいかなかった。いやあ、ありがたい。けど、どうせやるなら万全にしてもらいたいと思ったから、費用はオーバーしてもかまわないので、存分に腕を奮ってくださいとお願いしてきました。

かくして私は相棒としばし別れて、『千の風になって』の出番もしばらくないかと思いきや、ギター抱えて、歌うことにしました。私はオペラ歌手でも声楽家でもないから、秋川雅史みたいには歌えないけど、それなりにしみじみと歌っています。そうしたら家のなかが暗くなるのね。あかん、あかんわ、ともちゃん!

かくして、私のレパートリーに別れたり死んだりする歌がまた増えそうなのでありますよ。

新井満

秋川雅史

引用

2008年12月20日土曜日

ノナカ・マウスピース・クッション

 楽器の話、続きです。YouTubeシンフォニーオーケストラに触発されて、再びサクソフォンを吹きはじめたわけです。サックス吹くためには必須のリードを買って、そして一緒にマウスピース・クッションも買ったのでした。マウスピース・クッションっていうのはなにかといいますと、マウスピース、ええと、サックスの吹き口、あの黒い色したくちばしなんですが、あれに前歯、上の門歯があたることで傷つけてしまう、それを防ぐために貼り付けるシールみたいのをマウスピース・クッションもしくはマウスピース・パッチと呼びます(私はずっとこっちで呼んできました)。また、マウスピースの保護以外にも、前歯から伝わる振動を和らげる効果もあって、この目的でマウスピース・クッションを付けるという人もあるそうですよ。

(画像はベイ Vibra-Ease)

ですが、私にとってマウスピース・パッチは、マウスピースを歯から保護するためのものであります。サックスのマウスピースはエボナイトという硬質ゴムで作られている(もちろんメタルもあるし、それ以外のものもあるよ)のですが、このエボナイトという材質は、丈夫ではあるんだけど、そんなに硬くもないのですよ。だから、結構簡単に歯で削られてしまったりして、気にしないという人もいるんですが、私はどうしても気にしてしまいます。なにしろ、マウスピースは個体ごとに出来不出来があるから、出来のいいのがあると、できるだけ長持ちさせたいというのが人情というものかと思います。そして、私の使っているのは当たりの個体なんです。って書くとたまたま買ったのが当たりだったみたいですが、そうではなくて、大学に入る前に習っていた先生に選定していただいたものなんですね。だから、駄目にしたくない。なので、マウスピース・パッチは私にとってはどうしても必要なものであるのです。

以前、私の使っていたものはベイのパッチだったのですが、これはしっかりと貼れて丈夫というのが売りのものです。今回もベイを買うつもりでレジまでいったのですが、ふと思いついて、お姉さんに聞いてみたのでした。何種類かパッチがあるみたいだけど、評判のいいのとかありますかって。そうしたら出てきたのがノナカのマウスピース・クッションでした。厚さが0.20mmと0.36mmの二種類あって、わたされたのは0.36mmの方。やぶれにくいという話で、ああ、これはありがたい。マウスピース・クッションも結構やぶれやすいものなんですよ。特に私の前歯は、右側が若干長いようで、そのために力が不均衡にかかってしまう、ゆえにやぶれやすい。丈夫と評判だったベイでも、そんなに長持ちしなかったものなあ。ノナカのパッチがベイより丈夫だったら正直なところ嬉しいですね。

Vandoren Traditional Saxophone Reedsさて、ちょっとだけ昨日の続き。バンドーレンのリードですが、適当に取り出してみたのを一枚だけ吹いてみて、ぱっと見には左右のバランスが悪いと思われたのですが、いやいや、割に悪くない感じで、ちょっと抵抗感が強めだけど、腰の強い感じで最後までへたらず吹けました。当たりかも知れませんね。残り9枚もそんな調子で使えるかは、フローパックとやらを開けてみて初めてわかることですが、もし最初の一枚の印象どおり、みなそれなりに使えるものだったりしたら感激ですね。あんまり期待しないようにしながら、残りを開ける日を待ちたいと思います。

  • ノナカ・マウスピース・クッション

2008年12月19日金曜日

Vandoren Traditional Saxophone Reeds

 リードを買ってきました。リードっていうのはなにかというと、クラリネットとかサクソフォンの歌口(マウスピース)に取り付ける部品というかなんというかで、これがないと音が鳴りません、というか、音を出すための振動体そのものであります。ギターでいえば弦にあたる部品、人であれば声帯ですね。リードは一般にはケーン、葦で作られているのですが、久しぶりにサックスを吹こうということになって、樹脂製リードを試してみようと思ったら、いった店にはジャズ向けのしか置いてなくて、結局はいつものリードに落ち着いたのでした。いつものリード、それは信頼と実績のバンドーレンであるのですが、最近のはやりはどんななんでしょうね。サックスを吹かなくなって、情報からも遠ざかって数年、本当に疎くなっています。

サックスは廃業した。ついこないだそんなことをいっていたというのに、なんでリードを買ったの? 吹くの? ええ、吹くのですよ。いやね、黒目先生のサックス吹いてるのを見てたら、それがあんまりにも気持ちよさそうで、ああ自分も久しぶりに吹いてみようかと思ったんです。 — ごめん、嘘。いや、完全に嘘じゃないんだけど、理由は別にあるんですよ。

それは、YouTubeシンフォニーオーケストラであります。なんと、YouTubeがオーケストラをやってみようっていうんですね。曲はタン・ドゥン作曲Internet Symphony “Eroica”。この企画のための書き下ろしなんだそうですが、パート譜をダウンロードして、演奏したものを録画して、YouTubeにアップロードしたまえとのこと。さらに、オーディションに応募することもできて、2009年4月15日にニューヨーク、カーネギー・ホールで開かれるコンサート、その舞台にのるための切符をゲットするチャンスだぜ! しかしなにがすごいといっても、交通宿泊費はYouTubeもちだっていうんだから、がぜんやる気になるってもんですよ。

でも、サックスのパートはないんですよね。うう、ちょっとがっかりだ。けど、リストにない楽器の応募も大歓迎、自分の楽器に音域が近い楽譜を選んで、存分にやってくれという話。おおう、再びやる気がでてきたよ。せっかくだから、私はイングリッシュホルンを選びました。でも、ブランク長かったし、吹けるかな、その不安は消すことができず、まあとにかく吹いてみないと始まらないよな。楽器を引っ張りだしてきて、吹いてみたのでした。

My Saxophoneおお、結構大丈夫じゃん。吹いてみれば、不安はすっかり消えさって、そりゃ昔のようには吹けないよ。でも、どうにかなりそうだ、そう思えるくらいには吹けています。それは、管楽器はやらないものの、ずっと歌ってきた、そのおかげなのかも知れないですね。サックス吹いた翌日、腹筋が筋肉痛になるのではないかと思っていたら、それが意外と大丈夫で、まあかわりに腰が痛いんだけど、この腰痛、学生のころ、ずっと悩んでいたんだけど、まさかサックスに原因するものだったとは……。はじめて知りましたよ。

アンブシュア、口のかたちですが、それを維持するのもきついのではないだろうか、そういう心配もあったのだけど、それも大丈夫。これには驚きました。そして、楽器の心配。数年間、ノーメンテです。しかし、これも思ったほどには悪くない。ただ、やっぱり低音は出にくくなってるんだけど、まあこれは予測の範囲のうち。というか、もっと出ないかと思ってました。よほど悪く考えすぎていたんでしょうね。そうした不安がひとつひとつ消えていくことで、やる気もいっそう強くなった、そんな気がします。

で、リード、これだけは買ってこないといけません。なぜって、これ、消耗品なんですよね。毎日吹くと、だいたい二週間三週間くらいでへたってきます。だから、大抵は複数枚を使いまわすことで消耗を防ぐんですが、手元にあったのはこれまで散々吹いたリード、そんなのしかストックにないから、ちゃんと吹くというなら、買ってこないわけにはいかんかったのでした。で、このリードが曲者なんです。なんといっても、天然素材。なかなかに質が安定しないようでして、10枚入りを買ってきて、使いものになるのは二三枚、頑張ってせいぜい四枚、運が悪いと一二枚? そんな有様なんです。でもさあ、工業製品として、それってどうよ。私はサックスを吹いていた昔から、ずっとそう思い続けてきて、だもんだから、ギターに転向したときは感動しましたよ。買ってきた弦がそのまま使える! 夢みたいだ! いや、それが普通なんだと思うんですが、どうなんでしょう。今はこの状況、改善されてるのかな。

Saxophone樹脂製のリードを試してみようと思ったのは、天然素材ゆえの品質のばらつき、それがきっと少ないに違いなかろうと期待したからなんですね。昔、私が現役だったころ、樹脂製リードが出始めてきて、みな一応は興味を持つのですが、やっぱりケーンの方がいいという結論に落ち着くみたいなんです。確かに長持ちするけど、何ヶ月も使えるわけでもないらしい。また音にちょっと癖があるから、ちょっと使いづらい。そういう意見がよく聞かれたものでした。ですが、それからずいぶん時間が経ちました。だから、もしかしたら、樹脂製リードの改善も著しいのではないか、そんな風に思ったのですね。ですが、まさかクラシック向けのが売ってないとは思わなかった。ということは、あいかわらず人気がないのか。その人気のなさは、質において問題があるためか、あるいは音楽家特有の保守性のためなのか、そのへんはわかりませんが、でも多分前者なんだろうなあ。

なので、順当に使いなれたバンドーレンに戻ってきて、そうしたら箱がむやみやたらと大きい。アルト用を買ったのに、まるでバリトン用みたいな大きさで、なんで!? と思ったら、最近のリードって個別包装されるようになったんですね。ファクトリーフレッシュとかいってます。湿度がリードの性能に影響を及ぼすため、湿度管理された工場での品質を保つため、ひとつひとつリードをパックした、そんなことをいっています。名付けてフローパック、なんだそうですよ。でもこれって期待してもいいのかな。輸送中、保管中の変質、劣化を防ぐというからには、ベースとなる品質はちゃんとしてるということなんだと理解してもいいんですよね。3番(リードの厚さは数字で示されます。1/2刻みで1から5まであるんだけど、2以下及び4より厚いのは見たことありません)を買ったはずなのに、どう考えても3じゃないだろ、これ。みたいなのは勘弁してくださいよ。いや、冗談じゃなくて。本当にお願いしたいところです。

2008年12月18日木曜日

PRAHA

 このところ、私はいつになく岩崎宏美に夢中。テレビで聴いた『聖母たちのララバイ』によほど感じるところがあったのでしょう。昔の、フレッシュながらもまだ若干のかたさを感じさせるものではなく、今の、年月を経て円熟した岩崎宏美の歌唱。その魅力にすっかり酔ってしまって、最近の歌唱を収めたアルバムも手元に置きたい、そのように思ったのですね。そうしたら、ちょうどいいタイミングとでもいうべきでしょうか、一年ほど前に自身の持ち歌を録音したアルバムを出していらっしゃったんですね。それがPRAHA。アルバムタイトルは、レコーディングをした土地、チェコのプラハに由来する、ドヴォルザークホールにてチェコ・フィルハーモニーをバックに収録された、ちょっとリッチなアルバムであります。

私はこのアルバムの存在を、それこそ、このあいだの『聖母』について書こうとした時にはじめて知って、それはDear Friends IVについての記事冒頭にてもいいましたとおりです。曲名でちょっと検索してみたら、出るは出るは、アルバムからベスト盤からオムニバス、それはもう多種多様というほかない様相を見せて、想像していたとはいえ、それを上回る状況でありました。その結果は、すなわち『聖母たちのララバイ』がどれほどに人気のある曲であるかを如実に物語って、一種ひとつの時代を代表しうる、それほどの曲であるのだといわんばかりでありました。

その結果に、PRAHAも現れてきたのですね。新しいアルバム、新録音、バックはチェコ・フィル、なんだかこれはすごそうだな。それに限定版もあるらしい。限定版にはDVDが付いてきて、収録されているのは『聖母たちのララバイ』のビデオクリップと、プラハ滞在中のドキュメンタリー、そしてフォトギャラリーだそうな。正直、DVDはなくてもいいかなとも思ったけど、そうはいっても付いてくるなら欲しい、それが私という人間です。なくなる前に買わなくちゃ! という次第で買った。慌てて買った。そして聴いて、DVDを見て、買ってよかった。これを聴けて、見られてよかったと思ったのでした。

 映像はドキュメンタリーに見る岩崎宏美は、これは、と思うほどの魅力をたたえて、なんて素敵な女性なんだろうと思いました。昔の、少しかたさを感じさせる、そんな岩崎宏美も好きなのですが、しかし今の方がより美しいというか、魅力的というか、穏かに落ち着きを見せる、そうした成熟と、時にはしゃいで見せるような茶目っ気、少女のような愛らしさが同居しているのですね。それは、岩崎宏美というひとりの女性が歩んできた年月、その時代時代の美、魅力なるものが層をなして重なり合っているがようです。

そして、それは歌においても同様なのかも知れません。美しい歌声、優れた技術、そうしたものを支えとして成立する歌が素晴しいのはあたりまえだ、そう確かにあたりまえだと思います。ですが、それだけではないのです。ただうまいだけではない。そこには、岩崎宏美という人のこれまでに重ねてきた時間が濃密であります。その曲を歌ってきたという歴史がある。その上に、この人の生活、経験が加わることで、テクニック云々ではすまされない妙味が香るのですね。時に軽く、時に艶然と歌われるその様は、少女のころを思わせる可憐さ、華やぎを刹那感じさせたかと思えば、深みをもって心に訴えかけ、ついにはさらっていく。しなやかにして豊かな魅惑の世界がひらくのですね。

それがもう素敵で素敵で、もうどうしようもないほどで、私はもう毎日毎夜Dear Friends IVPRAHAと聴いて、めろめろであります。もし今、日本で一番素敵な女性は誰だと思うって問われることがあったなら、ああ、それは岩崎さんだよ、って答えるね。いや、日本じゃなくて、世界でもいい。とにかくそれくらいに素敵。本当に素敵なのであります。

2008年12月17日水曜日

タツノコ VS. CAPCOM CROSS GENERATION OF HEROES

 私は子供のころからゲームが好きで、RPG、シューティング、アクション、どんなものでもそこそこ楽しんできたものでした。いわゆる、ノンポリゲーマー。面白ければジャンルは問わないのですね。といいながらも趣味嗜好というのは当然あって、WizardryタイプのRPGが好き、カルドセプトみたいなボードゲームも好き、そして格闘ゲームが好きなんですね。私はこのジャンルには遅れて参加したので、時代はもうZERO2だったのですが、いやあ遊びましたね。うまいのがひとり身近にあったものですから、昇龍拳道場にはじまり、スパコン道場、いろいろ稽古を付けてもらって、立ちスクリューまでできるようになって、そうするとやっぱり面白いんですよね。ちゃんと闘えると面白さが段違いになる。牽制、読みあい、駆け引きを競いあって、本当に楽しかった。でも、私はもう格闘ゲーム、いやアクション系からは足を洗ったので、この手のゲームで遊ぶことはありません。ですが、ちょっと興味のあるゲームが出てきて、それは『タツノコ VS. CAPCOM』。それこそ、状況さえ許せばWiiごと買ってしまいたいくらいに興味津々なのであります。

Ascii.jpが悪いのですよ。「Wii「タツノコVSカプコン」対戦動画を大紹介!」なんて銘打って、タツカプの対戦動画を紹介する記事が週替わりで掲載されていまして、いや、見ましたさ、見ましたよ。だって、もうこのジャンルはプレイしないっていっても、好きですから、興味はありますから。というわけで、以下にその記事へのリンクを用意しました。

  1. リュウと大鷲の健が空中で大激突!!
  2. 今回はあの3人組が登場! ド派手な必殺技を見逃すな!
  3. 小さい体ながら力持ち! ロールちゃんの活躍を見逃すな!
  4. 説明不要なデカさ! ゴールドライタンにヒロイン2人が挑む!
  5. 次世代機ロボにイケメン2人はどう戦う?【読プレ付き】
  6. 見た目も攻撃もヘビー級!? ハクション大魔王の猛烈な攻撃を見よ!

最初がリュウ&アレックスと大鷲の健&白鳥のジュンなのは、主人公格だからでしょう。オーソドックスというか、正統派ヒーロー / ヒロインといったところであろうと思うのですが、次が驚きました。なんと、想鐘サキが出てきます。ええーっ、これ、オリジナルはクイズゲームじゃんか! 驚いたんだけど、世界観の統一もへったくれも関係なしに投入されるキャラクター群の雑多さが、祝祭的な雰囲気をぐっと盛り上げて、ああ、もう、面白そうじゃありませんか。てなわけで、私はもう毎週の動画に釘付けで、一度ならず何度も何度も見返して、ううむ、欲しいなあ、でも買ってもプレイできない — 、しないと決めちゃってるからなあ。ものすごい葛藤に身悶えしたんですよ。

世界観をぶちこわすペアなら、特集第3回の灰燼の蒼鬼、ロールペアがすごい。剣やら鎗やら持った相手に、小柄な女の子がほうきで挑む。って、なんだそのナンセンス極まりない映像は! ちょっと笑ってしまって、けど私はこういうのが好きなんだ。本当にお祭りって感じがするじゃありませんか。シリアスなのもコミカルなのも、みんな一緒に楽しくわいわいとやろうって雰囲気がゲーム全体から感じられる、そんな気がして、だから私は使うならロール。いや、小さな女の子が好きなんじゃないです。ところで、ダークネスイリュージョンのコマンドが変わってますね。いわゆるダクネスコマンド(瞬獄コマンド)から逆昇龍+攻攻になってます。

ふう、これで話題をそらせたぞ。

この連載特集の第5回でですね、読者プレゼントがありましてですね、私、普段なら、こういうの面倒くさいっていってパスしてしまうところなんですが、今回は思った以上に入れ込んでいたのかも知れませんね、応募しましてね、そうしたら見事当選したのでした。Asciiさん、ありがとう! 私の選んだのは卓上カレンダー。まだプレゼントは手元には届いていないのですが、いやしかし嬉しいなあ。これ、どっかに飾っておこう。っていうか、なおさら『タツカプ』が欲くなっちゃうな。

私が『タツカプ』にこんなにも引かれてやまないのは、かつてはまった格ゲーに、子供のころに見て育ったアニメ、いやここはテレビ漫画といいたい、のヒーローたちが参加してくるという、そこにいいようもないほどの魅力を感じているからでしょう。子供のころ、テッカマンが好きだったんですね。ゆくぞ、ペガス! テックセッター! なにもかも懐しいですね。そして、私のような人が『タツカプ』を買っている、みたいなんだそうですよ。