2015年4月29日水曜日

『まんがタイムオリジナル』2015年6月号

『まんがタイムオリジナル』2015年6月号、一昨日の続きです。

『迷走乙女の文学会議』、今回は森鴎外の『舞姫』でありますね。夜、仕事帰りの電車のホームにて、倉野さん、松島さんに偶然出会うんですね。その時、手にしていた本が『舞姫』、それで『舞姫』について話すのですけど、松島さん、『舞姫』、ご存じじゃないんだ。ということは、結構若い? 昔は学校の教科書に載ってたので、誰もが知ってた、そんな感じだったんですが、そうかあ、ご存じじゃない。さて、自分は昔読んだ印象をずっとひきずっていて、ドイツにて女を弄んで捨てた男の物語、みたいな、そういう理解のままでいたんですよ。なので、松島さんのいう、豊太郎は鬼畜、っていうの。うん、そのままそういう感想ですよね。ところが今回、倉野さんの説明で、ああ、そういう感じにも思えるものなのか。長い間抱えていた一面的な理解を、ここで改めることができた。ちょっと新たな気持ちで読み返してみてもよいかも知れない、そう思えるようになった。ええ、よかったですよ。ところで、原文は古語って、現代語訳とか本当にあるんですか? 文語じゃないんすか? と、なんだか驚いたのですが、口語訳とかあるのかなあ。しかし、今回、松島さんの不意の優しさに、倉野さん、ほんとぐらっときていて、それがまた社内に誤解を招いてしまったとかね、この流れ、すごく面白かったです。

『たよスポ!』、面白いですね。自分の記事が紙面に載るようになってきた。それをスクラップ。さらに先輩、沙織の記事もスクラップ。熱心ですよね。見習わないといけません。さて、明日の仕事は朝の散歩。なるほど、取材先の柔道日本代表監督と一緒に歩く、そうやっていろいろ情報得たり、あるいは情報得やすくする、そんな関係を築いていく。でも、兄貴はちょっと勘違いしてそうですよね。しかし、この散歩の後、渡辺選手と沙織が話しているところを写真に撮られて、SNSに公開されてしまった。しかもそれが悪いことに、不倫の噂になっちゃって、でも決して悪いばかりにならないのがこの漫画のいいところだと思います。練習にはより身が入るようになり、そして先輩のために悔しさ噛み締めるたより。この子の事態解決の策、あれは面白かった。沙織には、これでいいのだろうかとか思われてるけど、自分のことより、先輩のことを大切にする、ちょっと捨て身のこの行動に、たよりという子の気持ちよさがよく表れていたと思います。

『北斎のむすめ。』、お辰が妹お栄の結婚やら恋愛やらについて心配してますけど、そもそもお辰ちゃん、君はどうなのかね? 今回は本の挿絵の話なんですね。この時代の本だと、黄表紙とかいうのになるのかな? 挿絵を描くにあたっての作家、版元、そして検閲やらなんやら、トラブルもか、含めての共同作業というか、せめぎあいというか、描かれて、これがもうおかしい。お栄は、作家のことをひねくれたおっさんって怒ってるけど、作家からしたらものすごいボロ屋描かれたりして、こっちはこっちでとんでもない絵描きだったって怒ってそうですよね。薄紙に版下絵を書いて、版木に彫る。下絵の時点で検閲をうけておく。あの検閲回避のいいわけが酷くって、この漫画家の面目躍如といった感じでありましょうか。彫りの行程での失敗、これがもとで話ががらりと変わったりね、こうしたところもおかしくて、ほんと、最後の腕力に至るまで、お栄はじめ皆の人を食ったところ発揮されて、楽しかったです。

『あかるい夫婦計画』、最初の一本、感熱紙に熱い急須を置いたというのから、今だと文字が消えるボールペンって発展させるのね、これ見事でした。下書きとかに、熱で消えるボールペン、使ってらっしゃるのかな。鮮やかでした。うん、これは一度冷凍しましょう。そして先輩後輩OL、今回も健在で、嬉しいなあ。先輩、すごく可愛い。キャッチ&リリースされたこと話してる時の点目、すごくチャーミング。しかもなんだかすごく追い込まれてるっぽくって、私が大ダメージ受けるようなこといってみて? って、後輩、困っちゃいますよね。いや、もう、しあわせで上書きしましょうよ。眼鏡からコンタクトの話、これも面白かった。ああー、大きさ違って見えるのかあ。ほんと、ちょっとした日常にありそうなこと、いろいろ拾い上げられて、それが魅力的なエピソード、コミュニケーションの妙を感じさせてくれるものになっていて、とてもよいと思いますよ。

  • 『まんがタイムオリジナル』第34巻第6号(2015年6月号)

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