2015年4月20日月曜日

『まんがタイムファミリー』2015年6月号

『まんがタイムファミリー』2015年6月号、先日の続きです。

『軍神ちゃんとよばないで』、単行本売れてるみたいですね。重版決定との文言が頼もしく感じます。さて、本編はといいますと、これまでの、どうにもこうにも緩くて、なのにぽんぽんうまいこと事が運ぶという面白さ、それを脱して、一気に深刻の度合いを増してしまったというから大変です。黒田とその軍師の仕掛けた策略でもって、兄と妹の仲が引き裂かれようとしている。虎千代は、なんとかして兄との仲を修復したい。その一心で、かつて誉められた笹だんごを作って届けようとして、しかし兄晴影は、妹虎千代を信じきれなかった。自分の思いを届けたいという虎千代必死の笹だんごを投げ捨てた。ああ、なんという描写だろう。虎千代の涙、その表情の痛ましさ、そして決意。もう、涙なくしては読めない、そんな入魂の一本に仕上がっていました。本当、胸につきささる、そんな表現があったと思います。

『あまてる!』は、結構シリアスな内容抱えてますよね。舞台は宮崎は高千穂だったんですね。夜神楽は面白かった。神話も興味深く、それで他にオススメないかと友達に聞けば、天岩戸とか返ってくるんですね。神話スポットめぐり。神社にいき、天安河原を訊ね、そうしたスポット、また自然などもすごく珍しく魅力あると感じるのは舞にとってだけであって、桜、ひまわりといった地元組にとっては、これが普通、あたりまえでしかない、あえていえば退屈な風景だというのですね。今は新鮮な気持ちで、あれもこれも面白いと思える舞。けれど自分もいつかそれが当たり前になって、その魅力も薄れてしまうんだろうかと不安に思ったり、そしてこの街の魅力、それをどう伝えたらいいのかと悩む。桜、ひまわり、楓の話す現実。仕事があれば若い人も出ていかないかも知れない。けれど仕事がなければ生きていけない。これは本当に地方の抱える難問なのでしょうね。これ、舞に天照も深刻な表情浮かべてますけど、なんらかの打開策など見出せるのか。それとも違う方向へと進めていくのか。いずれにしても、結構なシリアス展開。これ、目が離せない、そんな思いにさせられますよ。

『宅飲み残念乙女ズ』、面白かったですよ。珍しく仕事の愚痴とかない楽しいオンリーのエピソード。とはちょっといかないんだけど、でも、大筋そんな感じ。皆でショッピングにいくんですよ。それぞれに違う趣味、行き着けの店も全然違っていて、そして買い物で見える意外な素顔。すぱっと買い物すませそうに見えるグリっちなのに、すごく長考するとかね、しかもわりと面倒くさいとかね。いや、もう、意外意外。そしてゆみみ、彼女はすごいよ! どの服が一番私をメスとして輝かせてくれるー? 店員にダイレクトに聞いて、いやもう、むしろ清々しかったです。てつ子は安売り、というか、不思議なラインナップが魅力のお店にいって、そこで意外なこだわりがあるということがわかる。いや、それぞれの性格、意外とは思うけれど、でもおかしいとは思わない。そうしたところ、あるよね、わかる、そんな風に感じるところも確かにあって、このキャラクターの確かさといいましょうか、ほんと見事だと思います。最後にてつ子ルームにてファッションショー。なんかふたりとも楽しそうで、けれど押し寄せる現実……。そいつに白滝で立ち向かおうというのも最高です。

『先生と星が教えてくれたこと』、琴音の悩みですよ。模試の結果がよくなかった。よりにもよって、得意の英語がダメだった。それで落ち込んじゃって、けどそんな琴音を、望遠鏡の店の店長がはげましてくれるんですね。そうか、店長は昔、宇宙飛行士になりたかったのか。けれどいろいろあって諦めざるを得なかった。でも星に関わる仕事をと思って、実家を継ぐことに決めたんですね。いろいろな仕事がある。いろんな個性がある。そしてそれぞれが、それぞれの役割を担っている。店長の、ちょっと納得して、けれど負け惜しみみたいともいえる、そんな感情はよくわかる。ええ、でもその言葉に真摯さがあったから、琴音にも通じたのかも知れませんね。そしてそれは同時に天川先生にも通じて、はげまされた、そういうのだけど、一緒に告白したことにもなってしまっていたっていうね。改めて告白するも先生には断わられて、でもこれ、受験生が大変さを乗り越えたら一考してくれちゃったりする!? いやまあ、琴音のいうように、失恋を経験するのがここでの店長の役割なんでしょうね。

『かしこみかしこみ』、ムクの変身、まさか前回からの続きが見られるとはー! 変身したら、ムク、女の子に!? って、違うか。ベレーの似合うほのぼのボーイですよ。マシュマロほっぺがチャームポイント。基本的にといったらいいのかな、やっぱりムクですよね、ムクらしさ見事に健在で、ほんとすごくいい感じ。変身は不完全なんですね。たぬきの尻尾が隠せない。そう遠くないうちにもとに戻りそう。というので、急いでお母さんに変身した姿を見せに帰るんですね。おお、故郷に錦だ。立派になった姿を見てもらいたい。いじらしいですよね。孝行息子ですよ。けどムク失敗しちゃって、でも、それでもちゃんと変身した姿をお母さんに見せられた。よかったなあ、よかった、ムク。ちょっとだけ前進。変身の奇跡をまた願ってるムクと山椒が可愛いですよね。

  • 『まんがタイムファミリー』第33巻第6号(2015年6月号)

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