『まんがタイムきららキャラット』2015年6月号、発売されました。表紙は『キルミーベイベー』。昔の映画のポスター風、総天然色、『切身赤子』のタイトルに、飛び蹴りを繰り出すソーニャとやすなでありますよ。その雰囲気、まさしくカンフー映画のそれであります。しかし、このデザイン、この雰囲気、なんともいえぬおかしみも伴って、こうした味もまた『キルミーベイベー』なのでしょう。
『ススメマンガカ』、ゲストです。漫画家を目指す顔清海。持ち込みしたりと、結構がんばってる風ではあるんですが、この人の絵には問題がある。描かれているのが顔ばかり。顔だけで話が進んでいく、その理由が、もう単純に、体が描けないというものなんですね。って、これちょっとわかる。うん、体は難しいよな。この設定には、共感覚える人もままあるんじゃないかな、なんて思ったんですが、これが、まさかこんな展開を見せるとは予想外でした。学校にて、隣の席の男子、空田翔が机に残した落書き。それが、体は描けて、顔が描けていないという、まさに清海と逆パターンだっていうんですね、って、こっちはなんかレアだな。しかしそれで共作しようということになるっぽいのがおかしくて、そしてさらには誤解を招く清海の発言とかね。これはなかなか期待されるんじゃないか、そう思わせる導入でしたよ。
『トルネードよんじ』、ゲストです。キャラクターが可愛いですよね。高校での新生活、いよいよ部活動がはじまる、というのだけど、余裕で帰宅部。どこにも入部せず、とっとと帰ろうという、そんなのが主人公。なるほど、ゲームに夢中なんですね。ところがこの子、なんだか不思議な押しの強い女子にぶつかって、それで帰宅しない部なる部に勧誘されるというんですね。部長の宇佐美さん。いろいろなところにいったり、したりしよう、そんな部らしいんですが、非公認で、かつ理想だけ高くて活動は不活発っぽい。逃げようとするも、失敗して、ファミレスに連れて行かれて、主人公、中原星奈。先輩はふたり、宇佐美京香に王岸めい。って、ふたりは3年なのか。じゃあ、もうひとりいる華田というのは2年なのかな? ともあれこの部、京香の暇潰しに皆でつきあう、そんな活動なんでしょうか? 初回は京香の奢りで飲み食い。わかってるめいがステーキセットもりもり食べてるとか、この感じ、なかなかおかしかったです。女子高生のファミレスの風景には、なかなか見られないものですよね。
『あくてぃびてぃっ! — 情報支援活動探偵事務所』、飼い犬探して訪れた探偵事務所は、求人募集の張り紙をしていて、それでバイト希望と勘違いされるところからはじまるというんですね。しかし、なんか変なスタッフばかり。映画のものまねして遊んでるかと思えば、なにか忍者じみた覆面エージェントがいたりする、そんな事務所。この事務所、探偵業に偽装しているけれど、実態は米陸軍特殊部隊だっていうんですね。スパイ活動などもやっている。って、そんなことほいほいしゃべっちゃっていいのん? ともあれ、犬のタロー、見事に見付けてくれて、そうした手腕はさすがなのだけれど、ヘリまで動員しちゃうとか、犬探しにはあんまりにアンバランスと思えるその仕事。結果多額の請求発生させちゃって、バイトせざるを得なくなったという、そうした展開。不条理ないしはナンセンス、そういっていい見せ方だと思います。
『ウサギとカメは両想い?』、ゲストです。今日から高校生という白兎詩乃。この子は幼なじみの黒亀来海に片思いしていて、なるほど、ウサギとカメとはこのふたりのことなんですね。でも、昔話に描かれたウサギとカメとはどうも少々違っているようで、カメの方がぐうたら、朝は起きられないし、今日から高校生だというのに、すっかり中学校にいく気でいるなど、残念な感じ。でも実際は、細かに気配り、あるいは気ばかり焦っている詩乃ばかりが貧乏くじを引いて、反面来海はうまいこと問題を回避しちゃう、といった具合。この、最後に来海がいいとこ持っていっちゃうというのが、ウサギとカメの物語思わせるところでありますよね。しかしこの漫画、タイトルには両想い、みたいにあるけれど、実際にはなかなかそうはいっていない模様。いつか詩乃の気持ちが通じる日がくるんでしょうか。それまでは彼女の空回る様、それがメインになりそうな気配ですね。
- 『まんがタイムきららキャラット』第11巻第6号(2015年6月号)
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