2015年4月16日木曜日

『まんがタイムきららミラク』2015年6月号

『まんがタイムきららミラク』2015年6月号、発売されました。表紙は『城下町のダンデライオン』、茜様が王冠にマント、手には杖を持って、まさしく女王の風格なのであります。しかし、ほんと、豪華絢爛。そうとしかいいようのない装束を、ぱっと見には普通の女の子、女子高生にしか見えない茜様が身につけているというそのギャップに面白みと、そして茜様の愛らしさを強く押し出す、そんな効果があるなあと、あらためて思わされまして、ええ、普通に、実に、さりげなく、けれどとても魅力的。そんな茜様のよさが溢れている素敵な表紙であると思います。

今回は新作ゲスト多め。というわけで、今日はゲスト5本を取り上げます。

『ひなどりはネコに恋をする』、明日から高校生という女の子、真野ひなこの視点で送る書店もの? と思ったのだけど、いや、これは書店を出て、学校で、街で送る日常の物語になりそうな予感がする、そうした第1回でありました。書店にきた女の子、頭になんかまるっこいもの乗っけてまして、それが気になる。傾けても落ちない、なんで? と思ったら、なるほどカチューシャみたいになってるんだ。見た目おまんじゅう、点目がふたつついてて、そしてその表情が女の子のそれにリンクしてる。その子、ネコが好きなんですね。ネコの本をたくさん買おうとしてるくらい好きなんだけど、本物のネコとなると手が出ない。ネコの集団に襲われたことがあって、ちょっと怖いんですね。そんな彼女が、書店店長というネコとコミュニケーションして、仲良くなっていく? そしてひなこのもとには早速制服着た友達がやってきて、ああ、幼なじみ。この子たち3人、学校で再会しそうな予感がしますよね。

『やさしい新説死霊術』、魔法のある世界が舞台です。アカデミーにて魔術を学ぶ女の子たち。主人公はリンリでいいんでしょうか。その友達が死霊術師、ネクロマンサーをやっているんですね。ゴーストを呼び出したりするんですね。死者の魂を使役する、この世界においても禁忌とされる死霊術を操る彼らには悪いイメージがつきまとって、けれどリンリの友人のネクロマンサー、ソレイユはやたら明るい女の子なんですね。そしてちょっとトラブルメーカーっぽくもある。呼び出したゴーストを逃がしちゃったりしてね、それを皆で追い掛ける。そのどたばたが面白かったです。倉子って女の子、落ち着いてて、なんか優等生っぽくて、そしてリンリに執着している。この子の執着、そして暴走、結構好きな感じかもなあって思いました。まだまだ半人前の彼女らの、だんだんに成長していく、そんな物語が期待されますね。

『ハートオブtheガール』、これ、面白い前提持ち込んできましたよ。駅で拾ったポンポン、ケセランパサランみたいなやつを鞄に入れていたら、なんだかそいつが不思議生物で、スマートフォンにアプリなんてインストールしてくれちゃって、しかもそれが、実在の女の子をターゲットにした恋愛ゲームアプリだっていうんですね。主人公、真中のぞみは、花学学園にて学ぶごくフツーの風紀委員長。その実態は、女の子が大好きでめぼしい子は全員チェック済みという、わりとヤバめの女の子なんですが、けどさすが風紀委員だけはあるなあ、胸の大きな子、モトちゃんが例のアプリに映っているのを見て、盗撮!? 悪質なイジメ? 助けなきゃ、ええ、正義の子なんです。けど、そのゲームというの、映し出された女の子にアタックせよというもので、結果的にモトちゃんはクリア。そして次に映し出されたのが、のぞみもずっと気にしていた女の子、城島カコイなんですね。かくしてカコイをめぐって、金髪美少女の宇宙人イクラとのぞみが対決する? カコイはカコイで、人を好きになることに後ろ向きになっているようで、どうやら過去になにかあった模様。ああ、のぞみとの因縁ありそうですね。面白そうな前提と、なにかありそうと思わせる謎、うまくちりばめられて、これは先が楽しみです。

『ていねんぴクエスト』、これも魔法ものですよ。ある日突然、空から女の子が落ちてきた。ツノと尻尾のある女の子。聞けば、ケリーネ財団の次期当主、ミケラ=ケリーネというのですが、そんな財団なんて誰も知らない。別世界からやってきた、召喚されたのだろう、というんです。召喚は一種事故だったんですね。植物モンスターを捕えようと召喚したつもりが、本を間違えて、結果ミケラが呼び出されてしまった。かくしてその当事者イナバ先生が責任もってミケラをもとの世界に送り返さねばならなくなったというわけです。この世界の魔法のシステムが面白かったですよ。なるほど、魔法を使うにはお金がかかるんだ。魔力は国が管理していて、その使用には税がかかるというんですね。魔法に税がかけられるにいたった顛末とか、なるほど面白い。魔法は決して重要なスキルではないけれど、人によっては仕事で使ったりもする。けど使うには結構なお金がかかるから、まったく使わない人もいるなどなど。ちょっと微妙なポジションというのも悪くない。ええ、こうした状況が説明されて、そして金に縁のなさそうな先生が、ミケラを送り返すためのお金をこれから貯めよう、みたいな話はいいのだけれど、これ、ミケラがよっぽど頑張らないと、いつまでたってもお金貯まらないんじゃないの? と思わせる先生のポンコツ具合がこれからの波乱を予感させます。

『ああいえば英雄』、のっけから勇者登場です。ゴミ拾いしてる。あまり勇者らしくないというか、それ以前に自分の行いがいずれ自分によい報いをもたらすだろうと考えたりしてる打算的なところが悪い感じでいいですね。同じクラスの女の子の、はねた髪を角と見立てて魔王認定してみたりする。この、どうにも駄目っぽい勇者と、普通っぽい女の子みゆきとの、ナンセンスな会話主体のコメディ。今後もこの噛み合うのかどうなのか、よくわからない展開で、勇者とみゆきの学校での様子や同居の情景を描いていくのか、そう思っていたら、あれれ、それだけではすまなさそうですね。魔物と関わりを持ってる女の子もいるみたい。と、そういう情報ちらりと与えられて、続きは次回。意外な動き、展開を見せてくれるやも知れませんね。

  • 『まんがタイムきららミラク』第4巻第6号(2015年6月号)

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