2014年10月14日火曜日

機動戦士クロスボーン・ガンダム スカルハート

 機動戦士クロスボーン・ガンダム』をまとめて購入しましたよ、と昨日いっていました。もちろん外伝も買っていて、昨日、休日を利用して『スカルハート』まで一気に読んだのでした。『スカルハート』、これは外伝でいいのかな。短編読み切りとして発表されたものを一冊にまとめた単行本であります。単行本タイトルには、X1改・改につけられた通称、スカルハートが添えられていますが、読み切りのすべてでスカルハートが活躍してるわけではないというのは面白かった。むしろ、のっけから全然違うのが活躍してるんですから、ほんと、とんでもない漫画です。

話には聞いてたんですよ。ほら、ガンダム顔のボールの話。名付けてBガンダム、というんですが、公式にBガンダムが出たら名前が変わりますとか書いてあって、この弱気なところも面白い。とにかく公式じゃない、そう断りをいれることで、好き放題にやっちまおう、そんなノリが感じられて、しかしそれが面白いんだ。わりとしっちゃかめっちゃか。けれどベースにはしっかりした話の運びがあるから、面白がって笑いながらも、活劇として楽しく読める。ほんと、おかしかった。これは必読、とまではいわないけれど、機会があれば読んでみたらいかがだろう。と、おすすめしてしまうくらいに面白かったです。

『クロスボーン・ガンダム』本編でもいっていましたが、長谷川裕一らしさですよ、『スカルハート』はより以上にそのらしさが全面に出ていまして、ボオルもそうですが、「星の王女様」とか、まさしくこの人の筆致! そう思わせるものがありました。ロマンですよね。隔絶された世界でひとり暮らす美少女。まだ海賊として一人前ではなかったトビアが彼女と出会って、そしてこの子の行動、それがただおとぎ話のお姫様のそれではないってところとか、とてもいい。さらに、トビア、ちゃんとこの子との約束をまもったってことが、この先を読んでいくとわかるとかいうところもね、ほんと、丁寧だわ、実にいいわ。

長谷川裕一的ロマンは、ガンダムに対しても発揮されていて、「最終兵士」はしびれました。『クロスボーン』をやってた時に浮かんだアイデアを、とにかくかたちにしてみたといわんばかりの短編集。「猿の衛星」なんかも、本編の要素をぐーっと広げてみました、そんな感じで、けど、あれは妙に説得力、いや納得させる力といったらいいのかなあ、発揮して見事でしたよ。

とにかくガンダムが好き、けどファーストに限る、そういう人には受け付けない漫画であるかも知れないけど、面白い漫画を読みたい、長谷川裕一漫画が好き、そうした人ならガンダム抜きにしてもきっと存分に楽しめるだろう、そう思わせられる一冊でした。

ああ、そうそう。ハリソン大尉。彼にとっては、とばっちりみたいな漫画だったかも知れません。ほんと、笑いました。で、ここでひとつ落ち着くのかな? そう思ったら、全然そんなことなくって、ほんと、ハリソン大尉、ただ性癖が曝露されただけ! いかしましたよ。

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