2014年10月20日月曜日

『まんがタイムファミリー』2014年12月号

『まんがタイムファミリー』2014年12月号、先日の続きです。

『軍神ちゃんとよばないで』、ほんとおかしいですよ。柿崎、そして黒田との決着がついてしまいました。なぜ中立だった柿崎が敵にまわったのか。その理由が戦バカ。そんな戦バカについての講評で、ふと口にした視野が狭いという言葉を、宇佐美がいいように解釈してくれて、しかもそれで敵陣にまで出張ってくれるんですから、ほんと、さすがの展開でした。って、ツノどう入ってたの!? もう、最高だな、これ。他にも、構うよ!? とかね、やりとりのおかしさ見せながら、柿崎説得はうまいこと成功して、宇佐美の台詞とか見せ方とかかっこいいんだけど、それを台無しにするのが虎千代。この塩梅? いいからいいからで黒田が捕まってくるとかね、もう、ほんと、面白かったです。

『宅飲み残念乙女ズ』、てつ子がゆみみ、グリッちを呼び出した、その理由がなんか食い違ってて、これはなにかの罠? かと思ったら、なるほど、懐かしゲームで遊ぼうって趣向だったんですね。エリート家族の中、ゲームが許されなかったので、ずっとテレビゲームに憧れてた。うん、子供のころに禁止されてると、大人になってからタガが外れたりしますよね。けどタガが外れたのは、てつ子じゃなくて、むしろグリッち、ゆみみというのが面白い。カートゲームやっても格闘ゲームやっても、仕事のストレスがノンストップなグリッちとかね、ほんと、大変だねえ、仕事。でもって、乙女ゲーに本気出すゆみみですよ。光の速さで本名入力。うわー、本名プレイってガチなのか。最初は、グラフィックが粗いとかいってたのに、一発で陥落するちょろさ。うん、見事なゆみみらしさであります。さらに加えて、おお、NTR展開。最高だな。もうたまらん面白さでした。そして最後に、てつ子の落ちゲーの才能。ああ、実家でも、兄、姉とちょっと遊んで、その能力を惜しまれてたりしたのか。この兄さん、姉さん、妹のこと大切にしてますよね。この感触、好きですよ。

『先生と星が教えてくれたこと』、タイトル変更ですよ。ううむ、残念。けど、本編の面白さには違いはありませんよ。天文同好会の皆、将来、進路をどうしようかと考えているこのごろ、ついに熊彦の順番がきたんですね。成績がよく、学校の勉強なんて楽々。けど、そんな熊彦が悩んでいる。落ち込んでいる。なぜか。同好会の皆が心配して、なんとか元気づけられないか。天体写真の展示会、それを皆で見にいくんですが、そこでの会話が熊彦の視野を広げるんですね。画像処理、加工抜きでは成立しない星景写真。けれど、なぜ加工するのか、その理由が天川先生の視点から語られるのがですね、ほんと、ロマン感じさせるもので、実によかったんですね。この漫画は、先生が、一生懸命に自分の答を出そうとしている。その試みが生徒にしっかり響くところが非常によくて、それは教えるのではなく、導くのでもなく、一緒に悩み考えていると感じられるからなんだろうなあ。ほんと、すごくいい先生だと思う。また、生徒たちもいいんですよね。

『パパとあそぼう!』、もう、ほんと、面白いなあ。家族で一緒に温泉にいきますよ。と、そこに妻の両親も加わって、祖父は孫との旅行を楽しみに、祖母は近くであるきよじろーのコンサートを楽しみに、でもってそれでパパと祖父が本気対決ですよ。ふたりともに大人気ないんですよね。射的であやうく一万円使うところだったり、酒でも必死だったり、けどそんな祖父の気持ち、それが祖母から語られる。ああ、パパに似てるのかも知れませんね。娘との時間をとれなかった。その気持ちが孫に向かってるのかも知れない。そういうんですが、翌朝、朝食からまた全面対決になって、すっかり女性陣からうとまれる。ほんと、めちゃくちゃ面白いですよ。

『かしこみかしこみ』、今回は桜、橘がメインなんですね。夜の仕事はムク、山椒には無理だからと、ふたりがプチ祈願の手伝いをするっていうんですね。夜の仕事!? とはいいますが、やるのは夜回り。商店街のパトロールなのだそうですが、普段は奏衣様のボディガードをやってるふたりですから、そりゃもう頼もしい。いや、護衛と認識されてないのが面白いですよね。ほのぼの仲良しだと思われていた。橘は女子から大人気。桜は男子に人気だけど、遠く密かに思ってるもんだから、当人は気付いてないんですね。そしてパトロールでは、奏衣様の夜遊びを見付けたり、さらには、感覚の鋭さゆえですよね、些細なことを事件と思って大変です。次こそは事件を見つける、そういう橘にかけた奏衣様の言葉がよかった。そこは、大事なくてよかった、そう思って安心するところだろう。ああ、さすがですよ奏衣様。そして最後に描かれる、奏衣様と桜、橘の仲良さ。その関係の静かで、けれどしっかりとしているところ、ぐっときた。ほんと、いい漫画でありますよ。

  • 『まんがタイムファミリー』第32巻第12号(2014年12月号)

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