古民家!! 異文化交流! 日本文化! 外国人! なのに萌えだけがない!!? って、いやいやマッキー可愛いじゃんよ! 全然がんばる必要なんてないよ、マッキー。そのままで、充分萌え萌えだよ! 夏服マッキーもエンジェルマッキーも、ほんとすごく可愛くて、表情豊か、泣いたり笑ったり、困ったり焦ったり、調子に乗ったり家から飛び出していったり、ほんとそんなマッキーと世界のあちこちからやってきた個性的な面々との同居コメディ。マッキー、いやさ万希の両親は外国暮らし、万希ひとりが日本に帰ってお婆ちゃんの家にお世話になることになったのですが、祖母、ひとり暮らしと思いきや、家には外国人がいっぱい! いったいなにごと!? 不思議な三池さん家の事情であります。
いや、そんなに複雑な話じゃないです。大きなお家にお婆ちゃんひとり暮らしじゃもったいない。なので日本にくるお友達、それすなわち外国人に貸しています。最古参のドイツ人、ミヒャエルを筆頭に、って? あれ? ドイツ人っていってるね? ともあれ、やけに主婦っぽいミヒャエル、やたら陽気な日本オタクのマイケル、そして他にも続々外国人が居間にも庭にも住んでいて、名前ある人もない人も、って、おやおや、ない人の方が圧倒的に多いじゃん! けど、それでも個性溢れて、皆愛らしい人たち。なにかあると、ぞろぞろ集まってきて、喧喧諤諤、議論する。日本の学校に興味津々、日本の風物も大好きで、そしてついには自分の文化にも話は及ぶ。その多様性。いつでもなんだかちょっとお祭りみたいでしてね、楽しいんだ。時には友人のようで、時には保護者のよう。万希のこと、暖かく見守っていてくれる。ほんと、いいお兄さん、お姉さんたちですよ。
そんな彼らと一緒に暮らして、万希がですね、いい感じに子供らしさ発揮してくれて、それが実にいいんですね。意固地でさ、海外で暮らしてた時も頑なに現地語を拒んでいたものだから、結局日本語しかしゃべれなくてさ、こういう、こうと決めたらもう動かぬ、そんなところはやっぱり子供なのだと思う。なのに、帰国子女でしょう? 外国語ができるだろう、そう思われるに違いないって心配ばっかり先立たせてね、まったくもって自意識強くて、なかなか素直になれなくて、けどもろもろの感情がゲージ一杯までたまったら、一気に決壊して素直になっちゃう。そんなところが、ほんと、すごくいいんですよ。
万希は学校でもなかなかうまくやってるようで、友達も何人かいるんですけど、巻頭の人物紹介見てびっくりしましたよ。万希の友達、名前はまだないよ! て、ないのかー! そういや、出てきた記憶なかったわ! けど、それでもちゃんと、この子、あの子ってわかるような個性があって、人柄なのかなあ、なんとなく、なんかわかる感じがする。これは、三池家に集う外国人も同じですよね。いきいきとして、しっかりそこに感じとれる人の存在感。キャラクターのインパクトなのかも知れないけど、その存在感がモブをモブにしない、そう思わせられるんですね。
キャラクターが生きて動いて、関わりあって、そうして展開していくエピソード群。そりゃ軸、基礎になる人たちがこんなにも魅力的なんだから、面白くならないわけがないですよね。しかも、中盤過ぎから加わる新たなクラスメイト、そして三池家の居候、彼、彼女の個性、魅力もかなりのもので、ああ、ミカイール、彼女は実に天使でありますよ。一目見れば、引き込まれる、そんな魅力のあるお嬢さんでありますよ。
ああ、そうだ。マイケルの自慢の料理、マカロニチーズ。あれ、自分でも試してみたんですよ。いや、おいしかったですよ。けど、途中で冷めて、ガビガビにならない? いや、でも、また作ってみたい。10分かからぬお手軽料理。小腹がすいて、とにかく詰め込みたいぞ、炭水化物、そして乳製品! そんな気分の時には確かに最高のソウルフードであります。
- 駒倉葛尾『居間には今外国人がいます。』第1巻 (アクションコミックス) 東京:双葉社,2014年。
- 以下続刊
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