『ののかノート』、めちゃくちゃ面白いですよ! 天使ノノカ、あまりに成績が悪いために神様からの罰で、人間としてやりなおし中。人として成長を遂げたら天使に戻れるよ、っていうんだけど、どうもいろいろ駄目そうで、なんせ朝起きられないどころか、ひとりで着替えもできないありさまで、って、ののか! あなた、もう高校生よ! お姉ちゃんがたまらんのですよ。ののかのことが大好き。って、それ、もう、普通の好きというレベルを超越してますから! 甘やかしてる。うん、それは確かなんだけど、それにしても限界を突破しすぎてるから! ほんと、姉さん、あやかの度を越した溺愛っぷり。こいつに見事にやられましたね。
というのが序盤の感想。そこから徐々にののかがしっかりしていく様が描かれたり、ののかの友達も増えますし、そうしたらいつまでもお姉ちゃんお姉ちゃんってわけにもいかなくなって、もちろんお姉ちゃんとしたらショックですよ。友達にジェラシーの炎燃えたぎらせたりね、いろいろほんと大変なんだけれど、この姉、あやかがなぜこうまでののかに執着するのか。ののかを駄目な子にしながらも、甘やかし、手元に囲い、過剰な愛を隠そうとしないのか。その理由も途中語られて、ああ、姉さん、悲しいなあ。ゆえに、姉にも覚悟があるのだと思います。なんとしてもののかを守ると、そのためなら神様とだって喧嘩してみせようという勢いあって、このあやかの悲壮感、そしていじらしさ。涙をも誘うほどであったのですね。
しかし、登場人物、皆魅力的でいいですよ。度が過ぎるほどに天真爛漫のののかが可愛いのは当たり前として、ののかの幼なじみで世話を焼いてくれる叶恵、ののかのしっかりしていくきっかけを作ってくれてる玲緒奈、そして日陽子ですよ。日陽子、最高。元気なのはいいけれど、結構無茶なこといっちゃったりする子なんですね。けど、叶恵、玲緒奈がののかの保護者っぽくなりそうなところ、日陽子だけはののかと同じ目の高さでいてくれる。そんなところがあって、って、それは日陽子も駄目ってことじゃないの!? うん、ちょっと駄目かも知れない。でも、ののかとはまた違った駄目さで、それがキュートで魅力になっているのでありました。
皆にそれぞれ目標、目的、課題? といったものがあるのがいいのですよ。ののかは天使に戻りたい。ただもともとが天使だったからというんじゃなくて、ののかにとって切実な理由がちゃんとあるんですね。姉あやかの妹愛の根拠、それはもういいましたね。そして、叶恵、玲緒奈にもそれがある。それを知っていて、さらには後押ししてくれるのがまさかの日陽子というのも面白い。ええ、意外や日陽子さん、できる子なんですよ? 皆をぐいぐい引っ張って、それが皆の成長を促しているっていう描写に、ああ、いいじゃないか、面白いなあ、しみじみとそう思わされる。あなどれない、ほんと、そんな感触のある漫画なのです。
- 水乃ミナト『ののかノート』第1巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2014年。
- 以下続刊
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