2014年7月21日月曜日

『まんがタイムきららミラク』2014年9月号

『まんがタイムきららミラク』2014年9月号、先日の続きです。

『ゆずりはコーポレーション』は、ちょっと起業を離れて学生らしい話でありましたね。そろそろ期末テスト。なので皆で勉強するんですが、ゆずりはに彩音はいろいろ不安含みですよ。彩音は真面目そうに見えるんだけど、決してそういうわけでもないのか。ふたり、精一杯、薫に頼るんですね。その様は、遠くから見ただけの亜紀乃が回避するほど。ハンデマイナス100点で薫と点数勝負するというイベントも、もうほんと、まったく駄目で、薫優勢。けど、このテストでゆずりはと彩音の違い、同じテスト死滅組といってもちょっと違うというのがわかって、なるほどなあ、彩音はおっちょこちょいなんだ。テストが終わって、彼女らの日常にもどるんですが、なるほどそうなると起業がメインになる。会社設立、そして亜紀乃に釘をさされて、いよいよ気が引き締まろうというものですね。合同会社ゆずりはコーポレーション。最初の一歩が水たまり、ちょっとケチがついた? けど、これをひとつの厄落としとして、ゆずりはのチャレンジがよい方向に向かってくれるとよいですね。

『竜の森の午後』、これまたいい展開ですね。冒頭、いきなり危機的状況に陥ってる面々。木登りしてるんだけど、その理由がね、えらいことになってる。木の下に殺到するは、我々の知識における狼に似た生き物、リドエナであります。退路は完全に断たれたこの状況下、いかにして彼らはこの危機を乗り越えるのであろうか! やられましたよ。なるほどなあ、こういう手! 空に飛ぶ巨大鳥、それを利用する。ニケを使って誘き寄せて、なるほど、こいつに乗って逃げるのか! と思ったのはソフィです。いや、私もそう思ったんですけど、そんなに生易しいものじゃないのね。迫り来る巨鳥の存在感、その恐怖でもってリドエナを追い払う。ああ! けれどまだ危機は去っておらず、今度は地上での逃避劇。多勢に無勢の状況で、どう逃げる? どうする!? ジルのサバイバル能力に感服、そんなエピソードでありましたよ。あと、ニケが気の毒でした。

アンネッタの散歩道』、これまた切ない話でした。とある夜の出来事。夜の闇にぼんやりと灯る光、いったいなにかと確かめてみれば、そこには人間の女性がいたんですね。メイヴ、脅かすつもりがつかまって、ちょっとした人間とのコミュニケーションが見られたんですね。シェリーの語る兄ジャックの話。ああ、ハロウィンの彼か。伝承の原形はカボチャではなくカブのランタンだっていうのがばっちり語られていて、ああー、ジャックの求めたもの、そしてシェリーの真実。何段も何段も重ねられた構成の妙にやられました。

『箱庭ひなたぼっこ』、これ、いいですね。植物同好会に入会した一年生たちに渡された鉢。鉢植えをしてみましょう。好きな植物を選んで育てる。皆でなにを植えようかと相談する、その会話のはしばしに、彼女らの個性、性格や、バックグラウンドが見えてくる。それが自然だったものだから、素直に彼女らのことを知って、知り合っていくような感覚を読者である自分も感じられた、そんな風に思ったんですね。そして園芸店でのエピソード。一年生3人が、それぞれに選びあおうという、それがね、本当に目の前の相手のことを考えて、思って、選びました。そうした感触ありまして、そして先輩への贈り物も素晴しかった。ええ、これは魅力的。ぐっとくるものありました。

  • 『まんがタイムきららミラク』第3巻第9号(2014年9月号)

0 件のコメント: