『ガールズ&パンツァー』に感化されて、戦車のプラモデル作りたいなあ、なんてことをいっていました。けど、時間がないとか、塗装をどうするかとか、いろいろ理由をつけて先延ばしにして、ええ、いまだに作ってません、買ってさえいません。けど雑誌や本だけは買っていて、『モデルグラフィックス』と『アーマーモデリング』、結局毎月購読してしまっていて、そしてついに別冊、といってもいいのかな? 『ガールズ&パンツァー モデリングブック』を購入。やあ、ついにIV号戦車を作る気になったか? いやいや、なかなかそうもいかない感じでありますよ。
この本は、本当の模型初心者、それこそまったくまるっきり模型なんて作ったことない、それくらいの人を対象にしているみたいで、正直驚くほどの内容でした。だって、あんなに細かい模型製作ガイド、見たことない。そう思うくらいの詳細さで、対象キットはプラッツから出ているIV号D型と38(t)なんですが、ニッパを使ってパーツを切り離す際にどのあたりから切ればいいとか、パーツの貼り付けやヤスリがけの際の注意点なんかが、それこそこと細かく、手取り足取りといった具合の丁寧さでもって説明されているんですね。豊富な写真で、最初の工程である転輪の組み立て、これだけで見開き2ページを費している。だって、ランナーからパーツを切り離して、接着後パーティングラインをヤスリがけして消す、それだけの作業に見開き2ページ。すごい! 読むだけでくたくたになる! いやほんと、プラモデル作りって割と面倒くさい作業が多かったりしますけど、その面倒くささが逐一写真に撮られ、語られているというこの本。作るだけでも大変だろうに、その工程ひとつひとつに何枚ずつといった単位で写真を撮って、ひとつひとつ解説をいれて、編集して、本にしてる。大変だったろうなあ。普通だったら要所要所だけの解説ですむところが、この本のコンセプトがそれを許さない。小さくて切った時に飛ばしやすいパーツがあれば、その都度注意喚起する。パーツの合いが悪くて隙間ができるとなると、どこをチェックしてどう削って合わせていくか、丁寧に解説する。とにかく詳細という印象の一冊でありました。
IV号、38(t)ともに、組み立て編と塗装編があって、そのどちらも欲張らず基本的なところをきっちり押さえていこうという方針が見て取れます。組み立ては基本的に素組み。このプラモデルは劇中の仕様と違ってるところがちょこちょこあるんですけど、合わせて改造するとかはなし。とにかくきちんとキットを組むという基本に留まっています。塗装も同様で、缶スプレーもしくはエアブラシで吹いて、仕上げはスミ入れとデカールくらい。チッピングだとかドライブラシだとかはやりません。いや、IV号のデカールにドライブラシやってたか。とにかく、それくらいです。最初からいきなり難しいことに挑戦して、うまくできない、もう駄目だあ! と絶望させるんじゃなくて、とにかく完成させる。少しずつステップアップしていけばいい、そうした入門の第一歩をサポートしようという意図がしっかりと感じられたのですね。
そういえば『アーマーモデリング』8月号は中級技術指南と称して「戦車模型を創ろう」DVDが付録でついてくるんだそうですよ。プラモデル製作のノウハウを映像で見ることができる。基本編に続くステップアップ編でありますね。このタイミング、よく考えられていると思いますよ。
- けんたろう『ガールズ&パンツァーモデリングブック — ザ・スターティング・ガイド・フォー・パンツァー・モデラーズ IV号戦車D型&38(t)編』東京:大日本絵画,2013年。
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