アニメのですね、『はたらく魔王さま!』が面白いんです。勇者に追い詰められて、異世界から逃げてきた魔王とその腹心が、現代日本でバイトクルーとして働く、そんなアニメ、もともとはライトノベルですね。あなどってましたよ。やたら評判がいい、面白い面白いという感想がいっぱい流れてきて、おおう、第1話もう終わっちまってるよ。しかたがないので、第2話から録画して、第1話はweb配信で見たの。そしたらなるほど確かに面白くて、そして音楽もまたよかったんですね。とりわけ気にいったのはEDテーマ曲、『月花』。これは買わずにはおられない! ええ、買ってしまいました。
歌っているのはnano.RIPE。結構アニメの主題歌を歌ってるバンド、そういう印象があるのですが、調べてみれば、『花咲くいろは』、『さんかれあ』、『人類は衰退しました』、『バクマン。』、そして『はたらく魔王さま!』。もっと歌ってるものと思ってたんですが、意外、たまたま見てた番組が、たまたまnano.RIPEとタイアップしてただけだったのか。
正直なところをいいますと、自分はバンドの名前とか全然覚えられません。主題歌は知ってるけど、タイトル知らない、歌ってる人も知らないっていうのが普通で、けど印象的な人となると知らず覚えているものです。nano.RIPEもそんな感じでした。はじめてこの人たちの歌を知ることとなった『花咲くいろは』、この時点できっちり覚えていたようで、だから別の番組で聴くたびに、ああ、よく耳にするなあ、そういう印象を持ったのだと思います。技巧派といった感じではなく、元気で真っ直ぐに伸びる女声が気持ちいい、そういった覚え方をしていたのだと思います。実際、『魔王さま!』以前、どの時点でCDを買っていたとしてもなんらおかしくなかった。今となってはそう思っています。
『月花』は、ちょっとスローなテンポ、シャッフルのリズムが気持ちいい。歌詞にして月の影に隠してた
からはじまるリフレイン、これが気付けば頭の中、何度も何度も繰り返されて、シンプルなメロディ、けれど不思議と心に残る。シャッフルの裏拍、そして半音階的に揺れるそこに生じるメロウな情感。歌い手、きみコの声の質、歌い方ともよくマッチして、長調の曲なのに、切なさがたなびいて美しい。いい曲だなあ、そう思いながら聴いていたんですね。
構成もいい。印象的なドラムのみのイントロ、ボーカルのカウントを経てギターが入り、そしてコーラス。導入は落ち着いて、それが嘘つき 臆病者
のフレーズから色を違えていく。そしてリフレインに向けて盛り上げていくというこの流れ、短い時間、決して多くはない小節数で、うまいなあ、感心しています。
技巧的とは感じない、そういっていたのはまったくもって間違いだな。今ではそう思っています。『サンカクep』に収録された3曲、どれもに工夫があり、どれもが、ここと印象に残る瞬間を持っている。メロディに美しさがあり、歌詞、ことばがリズムに、メロディにそって、いきいきとしている。本当、『月花』のために買ったシングル、けれど『スターチャート』も『ツマビクヒトリ』も、耳に、心にしっかりと跡を残して、自分はnano.RIPEがかなり好きだな。そう認識させる一枚になりました。
引用
- きみコ『月花』
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