『まんがホーム』2013年7月号、昨日の続きです。
『200年の夜と孤独 — おひとりさま吸血鬼』。月夜野さん、コンビニではいまだになんちゃって吸血鬼と思われてるんですね。って、まあそりゃそうか。普通のご飯は食べない。興味がないわけではないけど、おいしいとかまずいとか、そういうのがわからないっていうんですね。映画の中の吸血鬼たちは甘いのなんだのいってるのに、え? 自分は? 疑問に思うんですが、わからんならわからんでもういいじゃんねえ。映画の中のは、吸血鬼でない人間が想像してしゃべらせてるだけなんだから。とはいかないみたいです。レンタルビデオ店のバイトも続けてるんですね。映画を探していたおばあさん、説明を聞いて探し出したところ、晩餐会の様子、それがおいしそうだっていう。おばあさんは食事制限、月夜野さんはご飯食べない。けど、ふたりがおいしいってどういうことだろう、話し合って、それでちょっとおいしいがわかった気がする。月夜野さん、200年生きてなお知り、学んでいく意欲があるんですね。そのいろいろと気付いて、生活? を豊かにしていく。そういうのはとてもいい感じ、そう思いましたよ。
『黒い大家さん』は、ここのところ華織さんというより日向和田さんが中心になってますね。お嬢様学校に通っているけど、本人は貧乏。それで身につくのは節約の技術。たとえば裁縫だっていうんですね。千花のピンチを助けてくれた。つれてしまってボロボロのスカートを、見事既製品みたいに仕上げてもらえて、家庭科の課題、見事にクリア。その過程で見える、日向和田さんのつつましい暮らしや、学校に対応する大変さ。その懸命さや健気さが可愛く思えて、大変によかったです。明るく元気な千花に、いろいろ面倒見てくれる日向和田さんに河辺さん。アパートの住民たちが、本当に個性豊かで楽しいです。それだけに203号室、気になりますね。すごいのがくる? 楽しみですよ。
『鉄仮面のイブキさん』、いやほんと、伊吹さんがたいそうよいです。あの思い出し笑い。いきなりフフフはちょっと怖いなあ。伊吹さん、喜多くんに観察されて、ちょっと嫌だったり恥ずかしかったりっていうのね、ぜんぜんそうは見えないっていうのが相変わらずでとてもいい。あくびもいいですよね。小さいながらもあくびして、そしたらちゃんとうつる。ほのぼのだなあ、そんな感じがして、こういう雰囲気、すごく好きです。伊吹さんの逆襲も、そして最後のいつかという言葉、それが意味するところを思うと、ほんと、ふたりの仲、わかりづらくともじわじわと深まってるのかも知れませんね。
『半熟やおよろず』、面白かった。鳴の家って発電所なのか。雷神だから、太鼓を叩いて雷出して、それで高天原一帯に電気を供給する。なるほどなあ、独占事業か。食いっぱぐれがないのね。そりゃ笑いの神になれるなれない別にして、雷神としての修行、おこたらない方がよさそうです。ああ、そうそう、前回スカウトされてた彼、詐欺だったのかあれ。神様の世界も大変だな。あと貧乏神もいるのね。それで、神様の家に居着いたりするのね。面白いなあ。神様間でもいろいろあるんだな。そしてお父さんのピンチ、ぎっくり腰で太鼓叩けない。それで鳴が代理で叩くというんですが、なかなか踏ん切りつかなくて、そんなところをはげましてもらって、半熟ながらもだんだん育っていくその様子、そいつが実にいいんです。
- 『まんがホーム』第27巻第7号(2013年7月号)
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