2013年4月9日火曜日

『まんがタイムきらら』2013年5月号

『まんがタイムきらら』2013年5月号、発売されました。表紙は『ゆゆ式』、お花見? 桜の花は描かれないながらも、散っている花びら、三人の見上げるその視線の向こうに桜が咲いているのだろうなあ、そんなこと思わせる仕掛けが面白いです。ええ、みなこちらを向いていて、けれど少し上向きなんですね。カメラがあるとしたら、その斜め後ろ、そこに花が咲いているんでしょうね。真正面から上向き、こちらを見上げる、そんなゆずこでありますが、けどいわゆる上目使いとは違って、なんだか天真爛漫、元気いっぱいな感じが出てまして、いや、素敵でした。ゆかりも唯ももちろんナイスですよ。そうそう、冒頭に『ゆゆ式』本編、次いで『ゆゆ式アフレコ現場に行って決ました。』アフレコレポートが掲載されてるのですが、ついに『ゆゆ式』のイントネーション、判明でありますよ!

箱入りドロップス』、春は出会いの季節というわけで、新キャラでありますよ。ひとりクラスが別になってしまった陽一。めちゃくちゃ卑屈になってしまって、からかいにきてる委員長に対しても、いいやつだのいって感謝してしまう。なんて陽一、いいやつなんだろう! さて、クラスにもうひとりいたぼっちの人。関さんと急接近ですよ。雫がですね、親しげに歓談してるふたりを見てダメージ受けてるんですね。そこからの展開、面白かったです。ぼっちだった関さん、見た目に怖いがとてもいい人で、雫になでなでされて嬉しそう。ほんと、面白そうな人が加わりました。あと、雫と陽一、やっぱり当然のごとく仲良しで、いいねえ、とてもよいですよ。

チェリーブロッサム!』は、いよいよ合宿当日ですね。って、朝起きたら大倉山先輩から三葉まで、大咲のベッドに潜り込んでるのか。妹様がイカします。沙咲野さん、大好きです。綱島先輩からマイシスターのくだりとか、実にナイスでした。さてさて、部員たちは駅まで徒歩で移動。新丸子先生は車で、っていうんですが、ここから電車移動。駐車料金とか大変じゃないのん? 大丈夫なのかな? 合宿先は大倉山先輩の11番目の兄の屋敷だっていうのですが、兄貴、かっこいい好青年! と思わせて、えらい妹大好き兄でしたよ。真顔でえらいこという。そうした言動をにこにこやり過ごす大倉山先輩が、びっくりするほど美しい。いつも飛ばしている大倉山先輩だけど、今回は兄様のせいでむしろ常識人に見えて、それだけに美しさが際立っていた、そんな感じがしています。部活も順調みたいですね。少ないコマで、充実した庭仕事、それが伝わるのは大変よい感じでした。三葉がとりわけいい感じです。

『きのこクラック』、ゲストです。柿崎かずきの妹はひきこもり。自室からまったく出ようとせず、ずっとコンピュータをいじってる。ありす、ちょっと偉そうで、いい感じ。で、ありす、どうも只者ではない。兄貴を使い走りに使うのは当たり前、普通のこととしても、コンビニにてジュースを選んでいる兄をどこからか監視してる。レジを乗っ取って兄に指示を出す。掃除機を自動操縦する。ああー、なるほど。クラックというの、そういう意味なんですね。と納得してたら、最近世間を騒がせている情報漏洩騒ぎ、これありすの仕業なのか! やばい妹様、ほんと、ありすが最後に語るに落ちたところ、ちょっとにやりとさせられましたよ。

『うちのざしきわらしが』、素晴しいよ。4月1日、エイプリルフールなので隕石が落ちてくるとか嘘をついたわら。その直後にものすごい落下音が響いて、さすがのざしきわらし力だな! そう思ってたら、なんかちょっと違うみたい。庭に小さなクレーターができていた。宇宙からの遭難者みたいですね。小さな宇宙人。言葉は通じないんだけど、ざしきわらしなら大丈夫。すげえ、さすがのざしきわらし力だな! で、ここからが素晴しかった。宇宙人が家に帰れるよう、宇宙船づくりを手伝うんですね。材料を一緒になって探し、時には宇宙人を守り、ほんと協力的。大福だって分け合っちゃう。このふたりの関係。あのお別れの時の大福、勝手に学の大福をとってきて、わらは自分が怒られることわかってるんだけど、友達になった宇宙人のために、笑って怒られることを受け入れて、大福を手渡すんですね。ほんと、いいじゃないか! いい話、宇宙人もほろりと涙こぼしてたけど、自分もちょっと涙ぐんじゃったよ。宇宙人のこと、学に話しても信じてはもらえなかったわらだけど、最後に宇宙人からのお礼。あれは本当によかった。ふたりの秘密、それがとても美しくて、実に素敵なエピソード。見事、光ってましたよ。

棺担ぎのクロ。 — 懐中旅話』、素晴しかった。加減を知らないサンジュ。命を損ねてしまうこと、その意味をまだわかっていない。ニジュクとは随分違うんですね。そんなニジュク、サンジュが街の女の子たちと仲良くなって、また遊ぼうと約束して、その翌日のこと。サンジュが失敗してしまう。ああ! 女の子の大切な子猫の腕を千切ってしまった! 思えば最初からそうしたことが示唆されていて、センに対しても加減のないサンジュ。彼の翼がもがれずにすんだのは、ニジュクがいてくれたからか。そして痛みの話。サンジュを作った博士は、最初彼女に痛覚を与えていなかった。だからなのか? いずれにしても、サンジュは痛みを知って、それは心の痛みなのだ。クロのサンジュに伝えようとしていること、その言葉のひとつひとつが重い。そしてサンジュの心の動き、その眼差しにもはっきりと表れて、なんと強く物語る力であろうか。素晴しかった。誤ってしまったことはもう取り戻せない。その痛み、それがサンジュに教えたこと。悲しい、ちくりと胸に痛みを残して、けれどそれ以上に跡を残す余韻、それは深く、じょうじょうとして、豊かでした。

『ふぉりぼら』、連載になりましたね。眠ってるくぬぎ。机にはリンゴの芯が残されていて、ときわ、それを白雪姫のごっこと解釈するんですね。そこからナルシアノ、たかねとのやりとりはじまって、昨夜頑張って課題をやってた、そういってくぬぎのこと労うのかなと思ったら、どうやって寝てるのか、そんな話に流れていって、面白い、ナルシアノ、うずくまって寝るのか、羽根、痛いんだ。そして最後にまた白雪姫話に戻って、キスでないと目覚めない。たかねのキスのかわしかた、それが実にナイスでした。ちょっとブラックな天使、それもナイスでした。

『すいまさんといっしょ』、前回の学校編にて登場した女の子、夢野さん、すいまさんを探してユウの家までやってきたんですね。突然の雨に雨宿りしてたと言い訳をして、そんな彼女をすんなり家に通すユウくんはさすがです。タオルを渡して、風呂でも乾燥機でも好きに使ってくれ、自分は部屋に用事あるから、そういって夢野さんから距離を置くユウくん、かっこいい! それに紳士的! 感心したんですが、あー、部屋に用事があるって本当だったんか。すいまさんに隠れるよういいにいったのか。まあ、まったく空振りだったわけですけど。すいまさん、お風呂。それで夢野さんと遭遇。って、なるほどやっぱり知り合い。実はですね、ユウのところにくる前に出会ってたとか、そういうのだと思ってたんです。けど違った。まさかの夢野さん、あくむちゃんってのか! 夢の精なんだそうです。って、悪夢見せられるのはやだなあ。夢の精あくむは、すいまの星で眠ってしまう、などなど、眠りの精ともまた違うんですね。そんなあくむは友達を作りたい。いじらしいこといっちゃって、その願いを自然に受け止めて応援するかのようなすいまさん、よかった。ところで、すいまさん、お風呂に入ってるわけですが、普段の服装の方がずっときわどいって、考えたらすごいな!

  • 『まんがタイムきらら』第11巻第5号(2013年5月号)

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