2013年4月2日火曜日

『まんがホーム』2013年5月号

『まんがホーム』2013年5月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』らいかをメインに、はるらんまん、お花見の情景でありますね。お花見、なので、桜の花の散る中、右手に食べもののせた皿、左に飲み物持ったらいか、風に吹かれて、ブラウスのすそがひるがえしています。背景には『孔明のヨメ。』孔明が、けれどこの人はお花見というわけではないようで、対して『いぬにほん印刷製版部』なほ子と『まりかちゃん乙』まりかとゆなは立派にお花見です。なほ子はビール、まりかちゃんは団子が大事みたいですけどね。

『ただいま独身中』は楓が姪のまゆを預かることになって、最初は母が世話することになってたみたいだけど、歯が痛いといって歯医者へ。ひとり残された楓の奮闘ぶりがおかしくてですね、いや、そりゃちゃんと子供見たことないのに、いきなり1歳児は大変でしょう。不安にかられて出掛ける母に呼ばわる声のいたいけさ。そしておむつの交換で泣きだすとか、ほんと、おもしろおかしいお姉さんです。それですっかり、姪大好きになってしまったわけですが、この人見てると、恋愛的状況からちゃくちゃくと撤退している、そんな風に感じられて、いやもう、面白いです。

『200年の夜と孤独 — おひとりさま吸血鬼』、ゲストです。以前にも掲載されてたんですが、感想書いたつもりで忘れてしまってた模様。あれー。現代に生きるヴァンパイア、月夜野さん。憂いをおびた美女、そんな風貌なんですが、コンビニでバイト、夜の時間帯に働いてる理由は、吸血鬼だから。日光に当たると大変なことになるので夜しか出歩かない。なにが面白いかというと、自分が吸血鬼であるということを隠してないところでしょう。全然信じてもらえてない。むしろ、いわゆる痛い人みたく思われてるのがおかしくて、今回も桜に会いにいく、そのいい方を女子っぽいいい方、そう思われてた。いやね、実際に桜の精霊に会いにいくというんですけれど。月夜野さんの昔を知ってる桜。山の中、兎など鳥獣をとって暮らしていた月夜野さん。山姥かと思ったとかいわれてますが、ほんと、そうした妖怪にしか見えないです。さて、桜の精、この人も月夜野さんに負けず劣らずあれな人、血を吸った獲物を根本に埋めてくれ、あと桜を見にきた人たちに、あれやこれやと酷いものいい。こうした残念なところ、大変によかったです。そして老夫婦をめぐっての会話、月夜野と桜の、いいようこそは残念でも、やはりなにか通ずるものがあるってところ、よかったなって思ったんですよ。

企画エッセーは「引っ越しエピソード」です。参加者は辻灯子、師走冬子、高野うい、カワハラ恋、盾山ヒロコ、ミナモであります。辻灯子は子供の頃に引っ越しでやってきた住宅地のこと、その変わりゆく様子を淡々とした筆致で綴って、その情感、よかったですよ。そして師走冬子の失敗談。いや、これくらいは普通の気がします。誰でもやってしまうことだと思います。高野ういの驚きのお客さん。断わられた後、どうされたのだろう。そして幽霊話がふたつ。盾山ヒロコのエピソードは、いつの話なんだろう。なんだかずいぶんフォーキーな雰囲気がある話でありましたよ。

『さえずり少女、しんしん鎌倉』は、単行本発売を目前に特別編だそうですよ。って、ちょっと待ってくれ、これはつまり単行本に入らないんだな? おおう。コズリと静が思い出の場所にいった、それってデートじゃん!! と嫉妬? ちひろがおかしなことになりまして、コズリと一緒に皆でデートという名のピクニックに出掛けようということになるんですね。素敵な建物、バラのお庭。コズリも喜ぶ、そんな場所で皆でお弁当食べてのんびり。ヒマだからと皆で1・2・3・ソレイユで遊ぶことにするっていうんですが、へー、こんなのあるんだ、知りませんでした。フランスのだるまさんが転んだなのだそうですよ。だるまさんが転んだとソレイユがまざりあう遊び、テンポが変わるから面白いな。その止まる時にいちいちポーズをつけるコズリが可愛くて、いやほんと、それだけなんですけど、楽しい、そんな話。皆が影響されて、思い思いのポーズ。ほんと面白かったです。こういう皆で楽しそうに時間を過ごしている、それが本当に面白かった。とてもよかったです。

  • 『まんがホーム』第27巻第5号(2013年5月号)

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