『まんがタイムきららミラク』Vol. 1、発売されました。これまで、ほぼ情報を出さずにきた『まんがタイムきららミラク』。はたしてどんな陣容なのか、雑誌のカラーはどうなのか、ほとんど情報が出てこなくって、正直なところちょっとはらはらしていたのですが、手にしてみれば、表紙、なかなかいいじゃない。ドキドキ☆ヴィジュアル進化型、FreeStyle 4komagazineなんだそうですが、はたしてどれほどにフリースタイル、自由なんだろう。不安まじり、というよりも、期待まじりの不安をともに読みはじめてみましたよ。
そうしたらですね、いや、これがなかなか悪くない。確かに、4コマ一本で落ちがつく、そういうスタイルを求める人からしたら、これは違う、そう思うかも知れないけど、でもそうしたスタイルをあえてとらない、その宣言はもうなされてるわけですよ。そして私は、そうしたストーリー重視というの、落ちが弱いスタイルっていってもいいのかな、気にならないどころかむしろ好きだったりするくらいだから、『ミラク』、すごくいいですよ。ええ、Vol. 1、気にいりました。
『桜Trick』、やっぱり多いですね、学園もの。仲のいい女友達ふたり。高山春香と園田優の学校生活がはじまる、そのわくわくとした感覚、よく伝わってきて、そして新しく知りあう人達。よろしくハロりん!
ちょっと癖があったりするのがいい。そして南しずく、名前から美少女間違いなしとかいって煽られてて、わお気の毒。でも、こうしたじゃれあってるみたいな描写がすごくよいのでした。しかし、驚きましたよ。春香の優に対する気持ち。それっぽくほのめかすだけなんだろうなと思ってたら、おおう、なんとガチではないですか。いやはや、驚きました。
と思ってたら、『前から2両目』。三葉と百合のふたりがヒロイン? その名前から、おおう、もしかしたらこれもそうなのか? 少なくとも三葉はそれっぽいぞ、とか思ってたら何が「百合」よ! 名前負けにもほどがあるわ…
とかいうせりふがきて、いやもうこの台詞は笑いましたよ。でも、この漫画、女子高生的なるものへのフェティシズム、いや高校生とは限らないか。ともあれ、女子というものの可愛さを語る三葉、もうえらいこと面白い、というか、ちょっとうおなてれぴん的のりを感じて、けどうおなてれぴんとはまた違う味があります。面白かったですよ。この漫画は、三葉のフェティシズムと、百合のお家の喫茶店? その二本を軸にしていくんでしょうか。しかし、3コマにわたって紹介された彼女、最高でした。
『メラン・コリー』、微妙に絵が、というか描きかた、構図もそうかな? 色気を押し出している感じで、なかなかにドキドキさせられますね。で、まさかのスイカ擬人化、というか、そういう理解でいいのかな? スイカ割りをしていたら、そのスイカが女の子になってしまった。いや、女の子だった? なんともいえないナンセンスさがただよっていて、ちょっとイラっとさせるスイカ娘が皆から酷い扱いをうける。アグレッシブなボケに、もっとアグレッシブなツッコミが入るって感じでしょうか。テンション高めでわあわあいってる。こういうの、なかなかに好きですよ。
『月曜日の空飛ぶオレンジ。』、で、こちら、まさかのスイカ割りネタがかぶるっていうんですね。まだ寒い3月というのに! こちらもいろいろナンセンス風味。で、妙なハイテンション。けど、ところどころの台詞、おかしみがあって、今絶対電車のってるよね
みたいなのね、ものすごく面白かったです。でもほんとナンセンス、スイカの自販機とか、それからバッティングセンターのスイカのくだり。もう、わけわからんのですが、面白かった。で、謎の生物、生物教師、ツカぽん、ほんとなんだかよくわからない、けど変なおかしみがある漫画です。
『Good night! Angel』、これ、気にいりました。殺し屋稼業の女の子、境川ユリがヒロインで、凄腕の殺し屋なんだそうですけど、普段はなんだかどんくさいようでして、いやもう可愛いんですね。仕事の秘密を守るため友達を作ることが許されなかった。そんな状況を嫌って、一人暮らしすることにしたユリが、学校でちょっとずつ友達をつくっていこうっていうね、その様子もすごくいい。全然慣れてなくって、ちょっとのことで喜んだり落ち込んだり、もういろいろとばたばたしてるところ、本当に面白かった。学校生活、日常におけるちょっと抜けた表情と、仕事の時の表情と、違った感触、それらをうまくひとつにまとめて、ちょっとスリリングで、けれどほのぼので、そうした感覚を相互にゆきかわせる。とてもよくできていて、面白かったです。
- 『まんがタイムきららミラク』Vol. 1 (『まんがタイムきらら』2011年5月号増刊)
引用
- タチ「桜Trick」,『まんがタイムきららミラク』Vol. 1 (『まんがタイムきらら』2011年5月号増刊),18頁。
- name「前から2両目」,同前,65頁。
- あfろ「月曜日の空飛ぶオレンジ。」,同前,91頁。
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