昨日ちょっと話してたように、今日は学研の『シンセサイザー・クロニクル』を買うつもりになって、書店や楽器店をまわってみたんです。なにせ2008年の本で、しかも無闇にかさばるものですから、置いてる店は少ないんじゃないかななんて思ったのですが、いやまさかこんなにも置いてないとは思いませんでした。紀伊國屋書店ならあるんじゃないかなって思ったんですけど、残念でした。ただ、そのかわりといっちゃあなんですが、先日来気になっていた本、『非実在青少年読本』を発見しました。
『非実在青少年読本』っていうのは、もうすっかり有名ですよね、東京都が漫画等の表現を規制するにあたり作りだした新概念、非実在青少年、こいつをめぐる状況についてまとめた本であると聞いています。聞いていますというのは、出る、という話を聞いたところから情報のアップデートをしていないからで、とりあえず伝え聞いた感想によると、読者サイドの話ではなく、表現者サイドから見ての「東京都青少年の健全な育成に関する条例」、といったところだそうです。
今日はかなり歩いて疲れてしまって、この本の内容を確認するところまでいけませんでした。なので、都条例をめぐる状況についての印象を書いて、お茶を濁しておきたく思います。そもそも、都条例については、2009年の衆議院法務委員会あたりからの流れがあるのですが、この時議論されていたのが「児童買春・児童ポルノ処罰法」について。単純所持も処罰の対象とするというのが問題だといわれてまして、いったいどれが児童ポルノにあたるのか、例えば自分の子供の写真とかもそれとみなされるのか、自分の子供の写真や自分が子供の頃の写真を所持してるために罪に問われうるのではないか、曖昧であるとか恣意性があるとか、いろいろいわれていたんですね。
で、この後に東京都議会議員選挙があって、運よくといいますか、自民がかなり議席を減らしまして、これが後に効いてくるんですね。けれど、この頃からこうした規制の動きに注視していた人間から見ても、3月の都議会、見送りにまで持っていけるとは思ってなかった。本当、これは誤算でした。向こうからしてもそうでしょうが。私はこの状況をひっくりかえしたのは、もちろん漫画家や小説家、出版界、そしてもちろん一般市井の漫画ファンなど、多くの人、団体が反対を表明したからだと思っているのですが、しかし多くの人の意識をこの問題に向かわせることとなった新概念、非実在青少年、この異様さ、本気でいってるの? 一種正気を疑わせるような異常感、これもあったのではないだろうかって思っています。
本日、2010年6月1日、都議会が開始されました。今議会に提出すべく「東京都青少年の健全な育成に関する条例改正案に反対する請願署名」が準備されています。締め切りは今週末、4日の金曜日。これはもたもたしてはいられないなと思っています。
- 『非実在青少年読本』COMICリュウ編集部編 (ロマンアルバム) 東京:徳間書店,2010年。
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