2009年3月9日月曜日

『まんがタイムきらら』2009年4月号

四コマに限らず、漫画雑誌が出た日には、掲載作についての感想を列挙したりするっていうサイト、Blogは多いらしいですね。いや、どうなんだろう? 私はそうしたサイトは、まったくといっていいほど見ないできたから、その実態についてはよくわからないのですけれど、もしそういう需要があるのなら — 。ふと思うところがあって、試みに雑誌掲載の漫画についての感想というか思ったことというかを書いてみる気になりました。とはいいましても、掲載されている漫画すべてにコメントするのは無理です。いや、やってやれないことはないと思うけど、きっと、三日坊主の日記みたいになる。昨日と一緒、特になし。そんなのが続くのは正直どうかと思うし、それにネガティブなコメント書くのは好きじゃない。ここは気にくわないけれどこういうところは面白い、そういうのならまだしも、その存在が気にくわない、みたいなのは書きたくない。だから、ピックアップして取り上げる、それも面白いと思ったものすべてではなくて、面白いと思ったものからいくつか、みたいになるのかと思われて、しかしなぜ突然こうしたやりなれないことをしようと思ったのでしょうね。

ブログに書くことが思いつかないの

いや、ちゃいます。そうじゃないんです。思いつきますよ、ほら、いくらでも。えーと、えーと、うーん……。

まあ実際の話、いくつか候補はあるので、ネタを思いつかないというわけではないんです(今は)。じゃあ、なんで今日の『きらら』に限っては感想を書く気になったのか。それは、表紙がね『ゆゆ式』で、わお、これはいい表紙、気にいりました! シェフをよべ!! おいしいです!!

……

本日の目的は達成されました。というのもなんなので。

ゆゆ式

「ゆゆ式」は結構気にいっている漫画です。直に単行本が出るので、表紙で巻頭なのだと思いますが、ゆずこ、縁、唯の三人娘が、なんかよくわからん談義をして終わるという、なんとコメントしたらいいかわからない漫画。最初の頃は、部活? なにかテーマを決めて調べ学習しましょう、みたいな雰囲気があって、それが変に私の心に触れる、そんなところがあったようで、好きになったのでした。

今はもう、その調べ学習的雰囲気はないのだけど、毎回なにかひとつのテーマに関して話しあう、特に結論を求めたりするのではなく、徒然なるままに話す、そうしたところは残っていて、今号のテーマは、いっちゃっていいかな? いいよね?

なんで
生き物は死ぬんすかね?

って勘弁してくださいよ。悲しくなってしまうじゃないですか。でも、その悲しくなっちゃうところを汲んで、話をそらせてみたりするその配慮。けどゆるやかにテーマは継続して、そこで確認されるのは三人娘の仲のよさだったりするところはよいなあと。

基本的に仲よい漫画です。ドラマチックな盛り上げとかには無縁で、ゆるやかにゆるやかに進行する、そこで語られるのはただただ仲のいい友達同士のつながりである — 。こういうのがどうもこの頃の私の好みのようで、なんかいいなあって思ってるんですね。

って、しまった。これじゃ「ゆゆ式」だけで終わるぞ。っていうか、今月末に困ることになりそうな予感がする。

三者三葉」は、いかに双葉が可愛いかに終始しそうなので飛ばして、というか、私はそもそも『三者三葉』読みたさに『きらら』誌を買いはじめたんでしたっけね、って話も長くなるので飛ばして、「けいおん!」、なんでヴィンテージギター、とりわけエレキ、はなんであんなに高くなるんだろう、っていう話も直接漫画に関係しないので飛ばして、「おまもりんごさん」はいまいち楽しみ方を掴めないでいるんだけど、ヤバイ、踊るぞ…はちょっと面白かった。

最近新しく始まった漫画では、リサリサの「PONG PONG PONG!」が気にいっています。最初はどう楽しんだものかわからなかったけど、狸娘のリコの尊大さと必死さ、そのギャップがよいなと。あと登場人物がみな思うところをあからさまにして、直情的であるところ。真っ向勝負の口舌バトル? 絵もそうなんだけれど、勢いが感じられるところが好きです。

まん研」、買うなら知的美しさです。いや、眼鏡じゃない。眼鏡だからじゃないよ。それはそうと、102ページの眼鏡はずしたメガネデコがレアでいい感じ、知的美しさが感じられますね!

二丁目路地裏探偵奇譚」がちょっといい話。「まーぶるインスパイア」、具体的にパソコン購入の話が動いて驚きました。予算を文字通り食い潰すまでを描くんじゃなかったのか! なお、私も青春を無駄遣いした口です。合掌。「SweetHome」、結構気になってます。先月くらいから特に気になってます。

「メロ3」は、これだけで上記の三倍くらい書いてしまいそうなので、割愛。野々原ちき、好きなんだ。私は気にいると引用する変な癖があるのですが(引用とはリスペクトの別称であります)、このBlogにおける最古の引用は野々原ちき『姉妹の方程式』からでした。ほら、割愛といってるのに、止まらない。

きつねさんに化かされたい!」、ボーイッシュ女子鷹尾望は、思い人山村祐樹に気持ちを伝えようとして、

この卒業式という晴れの日に!

高校の制服を脱ぎ捨てると

どうかな…
山村君

その頬を紅潮させて、

恥ずかしいけど…
君のためにこんな姿になったんだ

だからさ

ああ、もうこれ以上は私には書けない!

……

えー、試してみてよくわかりました。この、雑誌を読んでコメントを書くというスタイル。私には向きません。分量的に思ったことの半分も書けず、ちょっとだけフラストレーション。それ以前の問題として、なんだこの支離滅裂、人間には向き不向きというものがあります。

けど、男は度胸! 何でもためしてみるものさ。実際、こうして試してみて、よかったと思います。でも、よほどのことがないかぎり、これは続かないですね。

  • 『まんがタイムきらら』第7巻第4号(2009年4月号)

引用

  • 野々原ちき「メロ3」,『まんがタイムきらら』第7巻第4号(2009年4月号),177頁。
  • あずまきよひこ『よつばと!』第2巻 (東京:メディアワークス,2004年),78頁。
  • 三上小又「ゆゆ式」,『まんがタイムきらら』第7巻第4号(2009年4月号),10頁。
  • ms/hirahira.net「おまもりんごさん」,『まんがタイムきらら』第7巻第4号(2009年4月号),53頁。
  • うおなてれぴん「まん研」,『まんがタイムきらら』第7巻第4号(2009年4月号),103頁。
  • 桑原ひひひ「きつねさんに化かされたい!」,『まんがタイムきらら』第7巻第4号(2009年4月号),204頁。
  • 同前,205頁。
  • 同前。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

私は単行本発売の度に,その作品について熱く語るmatsuyukiさんのスタイルが好きですよー。

matsuyuki さんのコメント...

こんばんは、いつも読んでくださっているようで、感謝しています。なにしろ、読者少ないBlogなので……。

またコメントくださって、ありがとうございます。私は他の人の感想を読むと、オリジナリティの罠にはまって書けなくなってしまうので、あまりすいーとポテトさんのBlogにはお邪魔できないでいるのですが、それでも雑誌の感想や単行本感想、界隈の情報収集をされていることは存じています。その精力的であるところ、まねができないなと思ってます。

また、好きだといってくださったこと、嬉しかったです。でも、私は熱く語っていたのか。実はあんまりその自覚はないのですよ。熱いと感じられるなにかがあるとしたら、きっと私にではなくて、漫画の方にそういった要素があるのだと思うんですね。ああした、表現をなさる方たちというのは本当にすごいなと、いつも思っています。