一昨日の夜、黙々とBlog用の文章を用意していた時のこと、母の見ていたテレビが妙に気にかかりまして、なにかというと男と女の差を扱った番組です。脳の理解が進んだことで、男と女の得意とすることが違うということが、次々わかってきているといいます。ほら、ずっと前に話題になった本で、『話を聞かない男、地図が読めない女』というのがありましたけれど、そういった類の話だと思ってくださればよろしいかと。この番組におきましても、男は空間把握に長け、女は言語能力に優れているなどなど、そういった話がなされていて、そしてそれはかつてヒトが狩猟採集生活を送ってきた、その名残りなのだというのです。男は、逃げる獲物を追って遠出をした後、最短距離で帰るための能力が求められた。対して女は、動かないものを採集するため、目印を頼りに移動していたなどなど。しかし、これだけなら特に真新しい話ではなく、だから音楽など聴きながら適当に見ていたのです。それが、きちんと見よう、そう思ったのは、途中途中に差し挟まれた小芝居、そのあまりの意外さのためでありました。
小芝居といいますか、ミニドラマだそうです。筧利夫と西田尚美のふたりが、なんだか居酒屋? いや、定食屋だっけ? でなんかやってる。それが妙にコメディタッチで、それがあまりにNHKスペシャル風ではなかったものだから、飽きた母がチャンネルを変えたのかと思ったくらいでした。けれど、気がつくとNHKスペシャルに戻っている。なんだろうと思って母に聞いてみれば、チャンネルはそのままだというんですね。そうか、あの小芝居含めてNHKスペシャルなのか。ここで、私はヘッドホンをはずしました。無視できないくらいに、興味が大きくなってしまったのですね。
母のいうには、この番組はその前日もやっていて、その時のテーマは恋愛であったのだそうです。そうかあ、どんなだったんだろうとNHKのサイトを確認してみれば、なんだか面白そうだ。再放送予定を見れば、14日午前にあるという。なので、遅ればせながら見たのでした。
恋愛における男と女の脳の働きの違いが語られていました。男は視覚優位、女は記憶優位であるという話。それは男は、相手が子供を産めるかどうかを視覚情報にもとづき観察する。女は、子を産み育てるに際し相手が協力的であるかどうかを、その行動の記録から判断するというんですね。しかし、そうして育まれた愛は、せいぜい三年四年で終わってしまう……。なぜか。その理由と、そして破局を避けるにはどうしたらいいのか。米国での離婚防止の取り組みなどが紹介されて、ええ、正直にいいますが、これは本当に役に立つ番組であったと思います。
いや、役立てる機会があるかは別の話ね。ただ、いつなんどきなにがあるかわからないのが人生ですから。
この番組は、ミニドラマで興味を繋ぎつつ、現在わかっている事実をわかりやすく紹介し、そしてその結果が社会にどうフィードバックされているか、例えば第1回なら離婚防止のカウンセリングであり、第2回では男女別クラスであるなど、理屈とその実践をバランスよく紹介しているところがよかったです。女性との話し合いを口論にしないためにはどうしたらいいか。クライアントの性差によって効果的な営業のアプローチはどう違ってくるか。男の子に教える場合、女の子の場合、それぞれどういうやり方が適しているか。それらは、ただの知識にとどめてもいいし、あるいは人生における実践の場で役立ててもいい。それは見た人次第でかわってくる。そうした発展の可能性、広がりを持ついい特集であったと思います。
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