2009年1月11日日曜日

山吹色のお菓子

Bright yellow coloured pastry今日、人と会う機会がありました。学生時分からの友人であるのですが、年に何度かあるイベントにいくと会える、そう、今日はそうしたイベントがあったのですね。そのイベントでのこと、新年明けて最初のイベントですから、挨拶まわりする人も多い、特に長年活動していたりすると、結構な繋がりができていたりするのでしょう。友人が山吹色のお菓子を貰っていたのでした。ふふふ、お主も悪じゃのう、そうした台詞がつい口をついて出そうになる、時代劇における定番お約束ともいえる贈答品。しかし、なぜそんなものが現代に!? それは、そうした名前のお菓子が実際に売られているから。知る人ぞ知る、というか結構有名? 山吹色のお菓子であります。

私も名前は知っていたのですが、実際に目にするのははじめてでした。詳細は、書いちゃっていいのかな? まあ、販売しているサイトにも詳しくあるのでかまわないっちゃあかまわないんでしょうが、けれど実際に目にしたときのインパクトを損ないたくないという人は、説明をすっとばして、末尾のリンクをたどってみてください。

山吹色のお菓子は、風呂敷を思わせる包装紙に包まれています。今回の場合は熨斗紙がついており、そこには袖の下の文字が! これ、注文時に熨斗紙を依頼できるそうなのですが、カスタムではないとのことです。つまり、選択肢に最初から含まれているというんですね。熨斗紙を取り除け、包装紙を開くと、現われるのは重厚さを感じさせる黒塗りの箱。山吹色のお菓子という箔押しの文字が眩しい。そろりそろりと箱を開けますと、薄紙の向こうにきらりと光るものがずらりと並んでいて、こ、小判ですよ!

この一連の作業、実にわくわくできる、楽しいものでありました。しかし、洒落の固まりみたいなお菓子です。熨斗紙のオプションにデフォルトで用意されている袖の下にしてもそうですし、そもそもこうしたものを実際のお菓子として作って売ってしまうというところからがそうです。しかも、サイトが素晴らしい。商品についての一問一答風FAQは山吹色の質問に玉虫色の回答ですし、熨斗紙説明ページの弔事の場合なんかもすごい。本当にセンスあふれるサイトであると思います。

このお菓子を拝見して、そのインパクトや面白さを見知って、そして、今の時代、不況とはいいますが、それでも必要なものはある程度いきわたっているといっていい状況に達した日本においては、こうした付加価値が重要になってくるのだろうなあと実感しました。付加価値とは、質の高さであってもいいし、こうしたエンターテイメント性でもいい。これはいい、面白い、話題性がある、なんでもいいから他にない価値を付加することが重要。その価値が認められれば、多少くらい値がはろうとも売れる。その価値を、たとえ無形であったとしても、買おうという人があるってことなんだなあと思いました。

こうしてかたちとして提示されれば、ああこういうのありだな、って思えるけれど、実際に作ってみる人っていうのは少ない。それこそ、コロンブスの卵の故事に似たものがあると思います。着想こそが価値だけれど、実現されるより前にそれを思い付けただろうか、そして思い付いたとしても実行できただろうか。大切なことは、発想することを忘れないこと、思い付きを思い付きのまま捨てないこと、行動することなのでしょうね。

お菓子、お裾分けをいただいています。これは、食べるだけならただのお菓子、けれどそこにはそれだけではない価値が上乗せされています。その様子に触れて、はたして私は自分にどのような価値を付加できるだろうかと自問、新年から少し新鮮な気持ちを呼び起こすことができました。

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