2008年1月18日金曜日

金色の眼の猫

18日というのは私にとって少し特別な日付でして、NHKの語学テキストの発売日なのですよ。今はテレビもラジオも、どちらの講座も受けていないのですが、それでもテキストは買っています。一時期はNHKテレビでやっている語学を全部視聴して、まあほとんど残らなかったんですけどさ、それでも結構考えるヒントとでもいいますか、それぞれの言葉の持つ個性、あるいは共通性に思うところがあったり、またそれ以外にも、各講座の持つ雰囲気の違いに、それぞれの言葉のベースにある文化の違いを思ったものでした。思い返せば、楽しかったなと思います。知るということが、わかるということが楽しかった、それまで聞き取れなかったものがなんとなく判別できるようになり、そして少しずつ内容もわかるようになっていく、そうした過程がなにより楽しかったんだと思うのですね。

今も買っている語学テキストは、テレビとラジオのフランス語講座なのですが、なにしろテキストは買えど番組は視聴せずですから、ざっと見て内容把握して、興味のあるところだけ読むというような、そんな感じになっています。効率としては悪いというか、学習効果はまあないんですが、かわりにというわけではありませんが、Podcastで配信されているNHKのワールドニュースを毎日聞くようにしていまして、たった十分の番組ですけどね、けど続けていればちょっとでもリスニングの能力は上がる、というか維持できるというべきか、無駄にはなっていないと思います。

しかし、本当にいい時代になりました。無償でフランス語でのニュースを聞くことができる。他にもケベックの人がやっているPodcastも聞いていて、ほんとありがたい。昔はこういうのなかったから、フランス語を聞きたかったらNHKの番組と、BS1でやってるニュースくらいだったかな。あとはCD買うとか、ほらCD付きテキストとかあるでしょう、ほんとそれくらいしかなかったと思います。けど語学系の本って高くてですね、けどそれでも数冊は持っているんですね。結構頑張ってたなあと、自分でいうのもなんですが、そう思います。

『金色の眼の猫』は、NHKラジオのフランス語講座で使われたものを再編成して、一つの独立したお話CDにしたものなのですが、人の言葉を話す猫ペピートとともに便りの途絶えたペンフレンド、バンジャマンを探しにゆくというストーリー。もちろん会話はフランス語(一部日本語)で、旅の途中、いろいろな人と出会い、そして物語の核心に迫っていきます。不思議なファンタジー色あふれる展開は、語学講座とは思えぬ盛り上がりも見せて、結構楽しかったです。一時はポータブルCDプレーヤーに入れっぱなしにして、それこそヘビーローテーション。聞きまくったものでした。

テキストは二分冊、一冊は物語が収録されたもの、日本語訳もついています。そしてもう一冊が語学のテキストで、文法や語彙の解説がされるのですね。この番組は入門編だったので、そんなに難しくはありません。一部語彙がわからず突っかかったりしますが、まあそれは仕方ない。それで肝心のCDですが、どこかにしまい込んでしまって見つからなくなっているので、すぐには聞けず、まあ自室のどっかにあるんでしょうね。こんど暇を見付けて捜索してみようかと思います。

思えば私がこの本を選んだのは、実用色の濃い語学テキスト群にあって、物語、それもオリジナルで勝負するという異色さに引かれたのでした。味のある猫のイラスト、語学テキストに広告が載っていて、ちょっとこれ面白そうだなと思って、大阪旭屋書店で買った、そのことさえも懐かしいですね。けど懐古ばかりじゃ駄目ですね。今から本腰入れるのはちょっと無理だと思うけど、またちょっとフランス語、触れる機会を増やしてみたいと思います。

  • 古石篤子『金色の眼の猫』照井喜美子絵 東京:駿河台出版社,1999年。

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