『まんがホーム』2014年1月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』らいかがサンタクロースになって、プレゼント手に煙突から忍び込もうとするところ。こっち見て微笑んでる、可愛いイラストだと思います。他には、おそろいの赤いマフラー、『孔明のヨメ。』のふたり、『いぬにほん印刷製本部』紙谷さんはツリーになって、なんだか不思議な雰囲気です。そして『まんがの装丁屋さん』告知カットもございます。
『まんがの装丁屋さん』、これは連載じゃなくゲスト扱いなのかな? まんがの装丁を手掛ける冬坂律なる人の、デザイン事務所なのかな? そこに就職の面接に訪れた青年、斉藤麦が主人公。憧れの冬坂律が女性と知って驚く、それはいいんだけど、妹? 奥さん? と、信じない様は、ちょっと失礼じゃなくって? と思ったりしたのでした。ともあれ、この斉藤氏の履歴書を見て思うところのあった冬坂さん。決してうまくないその字が、今やってる本にマッチする! ひらめいて、そうしたら面接なんてやってられない、スタッフ総動員で仕事にとりかかるんですね。この仕事の風景、勢いは面白かった。いきなり扱き使われてる斉藤も面白い。それで見事に採用。ええ、いい導入だったんじゃないかと思いましたよ。
『黒い大家さん』は、アパートの見た目をどうにかして欲しい千花。お化け屋敷扱いですもんねえ。それで、外壁工事にこれくらいお金がかかると提示する華織さん。ああ、ちゃんと考えてらっしゃるのね、納得の説明でした。日向和田さんのことが、家賃、夕食をきっかけにいろいろ説明されていましたね。なるほど、没落なさったのね。そして河辺さんにお願いして、おお、アパートがイルミネーション。普通のレベルではない仕上りと、ばっちりわかるあの絵のインパクト。見事でしたよ。それで、千花、自分のため? とか思ったり、かかった費用を工事費の足しにした方が? とか、いろいろ思わされるラストの流れに、華織さんという人がちょっと垣間見えるようで面白かったです。
『ただいま独身中』は最終回ですね。前回ラストのデキ婚、それを新年会の席で語り合う楓と操。操の恋愛に対する感覚、そのドライさがまたも光って、いやもう、最高でした。恋愛よりも、同人誌、BL趣味が優先されるというのが、ほんと徹底されていて素晴しい。桂さんを狙う彼女の言動もまたまた物騒で、ほんと、この人も面白仲間になっちゃってます。そして楓はというと、なんだかんだあったけど、結局姫くんとの恋愛がじわじわと進行していくって感じみたいですね。ええ、なんだかんだあった、それでハッピーエンド。いい展開、いいラストだったと思いますよ。
『新宿さんと周りの人々』、面白かったです。突然女になったイケメン新宿くんですが、家業のキャバクラで必要なので、酉の市の熊手を買いにいく。宇津宮ヨーコと神楽坂桜もついてくることになって、おおう、新宿さん、美しさを競わないではいられないというのか。天晴れ。けど、自然の可愛さに負けるのね。いや、うん、ほんと、桜、超可愛いですよ。しかしそれでなにが面白かったといっても、二丁目さんですよ。はー、本気メイクすると男子の人生変えるからと、学校だと手加減してるんだ。いや、ほんと、今回はこの人が見事に全取りしていった、そんな感じがございます。
『歌詠みもみじ』、ゲストです。面白かった! 川柳が好きな高校二年生、山城もみじが、思ったことをことごとく五七五で表す。そうした着想はよくあれど、読むほどにその川柳が効いてくるところが優れてた。いや、ほんと、川柳がよくできてたと思ったんですよ。最初は普通かな、そう思ったんです。でも、「テスト出る」静寂破る筆の音
、これがうまいなと思って、そこからがまさしく本番ですよ。角を減らして角が立つ
。追い討ちの七七も実によかった。ただ単純に川柳が好きな女の子というだけ、川柳で思ったところを表現するってだけのキャラづけじゃなく、その川柳がちゃんと機能してるところ、それがよかった。もみじという人、その人となりに説得力がともなっていた。そう感じたんですね。
- 『まんがホーム』第28巻第1号(2014年1月号)
引用
- オオトリキノト「歌詠みもみじ」,『まんがホーム』第28巻第1号(2014年1月号),173頁。
- 同前,174頁。
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