2011年5月22日日曜日

『まんがタイムきららMAX』2011年7月号

『まんがタイムきららMAX』2011年7月号、一昨日の続きです。

ラッキーストライク!』。前回、レイレイ先輩が負けん気をぐぬぬと燃やしていた、そんな終わり方をしていたわけですが、今回は調子にのりかけている後輩に先輩からの優しいアドバイス。これまであまりレイレイ先輩が前面に出て、場を主導するっていうことありませんでしたけど、今回はもう素敵。2本のレーンを使ってプレイするアメリカンなるスタイル。それぞれのレーンに塗られたオイルの量も違えてあるという念のいりようで、後輩を指導ですよ。レイレイ先輩、よっぽどレンのアベレージ発言、腹に据えかねたんでしょうね。

で、レイレイ先輩、すべてのコマで魅力的。機嫌そこねた顔、怒った顔、疲れはてながらもへこたれない顔、ギャグを冷たく流す顔。希少な鉄拳制裁があれば、以前からもたまに見せていた悪い顔。もう、最高じゃないですか。一番の好みは、とりあえずやってみましょうのコマなんですが、ここからのレイレイ先輩。レンの出端をくじくとともに、ちゃんとアドバイスもするっていうところ。ああ、ライバルないしは自分を脅かしかねない存在としてレンを見ながらも、ちゃんと先輩として指導しようと思ってくれている。こういうところ、本当にスポーツものなんだなって感じるんですね。スコアによってレベルの差が明らかにされる、また技術の差も一目瞭然という残酷さ。後からはじめた人間に抜かれるなんてめずらしくもなく、努力が常に報われるわけでもない。スポーツっていうのはそうした世界でしょう。レイレイ先輩の焦り、内心ものすごく悔しかったりするのがわかる。けど、それでもちゃんと後輩を指導する、そのフェアネス。ああ、スポーツマンなんだな、そう思わせられるところが、本当に素晴しいと思います。まあ、ちょっとレンのストライクを自分のにしようとしてたっぽかったりしますけど、こういうちょっとずるいところはチャームポイントでしょう。スポーツマンとしての公平さに加え、人の成長を妬んだり、失敗を喜んだり、ちょっとずるをしたりという弱さなんていうのも持ち合わせてる。ただただ理想的な姿が描かれてるわけじゃないところが、ありそうな感じや、またキャラクターの個性を引き出して、面白さを支えていると感じるのですね。

『グラッチェ!』、読み切りゲストです。かけると美少女になる眼鏡を手に入れた女の子、都。どうもこれ、都には効果がないようなのですが、つかさがかけると効果てきめん。一瞬で美少女に早変わり。男の子なのに! この、自分の意思でではなく、外的要因で強制的に女の子に変化させられる、で、その変化をコントロールできるというのはいいですね。で、つかさが常識人で、この眼鏡を悪用しようと思ったりしないところ、それがよいなって思いました。むしろまずいのは都とつかさの姉、潤。つかさに女子の制服あてがって、そのまま学校にいかせて、女子として学校生活させる。女子つかさを、男子つかさと別人扱いのままで受け入れてしまう、この学校はすごい包容力ですよ。この漫画の軸は、都のつかさに対する気持ち、そこにありそうで、男女の恋愛コメディでありながら、女装男子的要素と百合的要素を内包する、なんとも欲張りな構造。うまくふくらんだら、結構いけたりするんじゃないかな、なんて思わされます。

『カラフルスナップ!』は、人型端末の可愛さで、がんがん押してくるといった感じですね。写真部部長も参加して、ネオンとミナモをしっかり愛でる。猫セット、猫耳、みんなでお揃い、写真を撮ってと、それだけったらそれだけ。けど、それだけのことがすごく楽しそうで、それはそれだけキャラクターがいきいきと描かれているからなんだろうなと思います。ちょっと危ないシーンもあって、ハッとさせられはするけれど、たいしたことない程度にとどめてくれて、こうした安心感をあたえてくれるところなど、とてもよかったです。

  • 『まんがタイムきららMAX』第8巻第7号(2011年7月号)

引用

  • みそおでん「ラッキーストライク!」,『まんがタイムきららMAX』第8巻第7号(2011年7月号),158頁。

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