2010年12月6日月曜日

『まんがタウン』2011年1月号

『まんがタウン』2011年1月号、発売されました。表紙は『鎌倉ものがたり』、連載300回を祝う表紙であるのですね。鎌倉の海岸に妻亜紀子と並んで立つ一色先生。これは散歩なのでしょうかね。夕方でしょう、赤く染まった空。手前に伸びる影。お祝いの、記念の表紙としてはずいぶん大人しい、そんな絵であるのですが、むしろそうした落ち着きこそがこの漫画には相応しい、そんな気もするんですね。右下のすみには、今月からはじまった連載『SHIN-MEN』のカットもあって、やっぱり『クレヨンしんちゃん』の存在感、この雑誌には欠かせないのだろうと実感させられます。

そんな2人のMyホーム』、ああ大きな山でした。この漫画は、特にここしばらくの展開は、輝が深い喪失感から抜け出すまでの、ふたたび歩き出そうというまでの様子を描いていて、しかし今回は圧巻でした。学生時代の輝の彫刻、あのとげとげしいオブジェ、あれが描かれたのは、輝の変化を明確に見せるための布石なのでしょうね。母校で出会った学生たち。彼らの言葉が思い出させたこと。ああ、涙が出る。この石に向けられた思いの行く末はなにであるのか、もう目が離せないですね。

『無敵なおかん』、おお実にいいじゃないですか。大阪からやってきたおかんと同居することになった。これまでは、同居、嫌だわ、みたいな色がありましたけれど、今回はおかんから学べるものは学んじゃおうっていうそういう態度が見えて、よしこさん、いいじゃないか。もちろんギャップはいろいろあって、地域のギャップ、でいいのか? 炭水化物だらけの食事とか、そしてセンスのギャップとか、そういうのはあるのだけど、仲が悪いわけじゃないんです。そういうところがよかった。しかし、祖父母の孫に対する甘さ、これは問題だなあ。ほんと、この漫画がというよりも、身近な例を見ていてそう思います。

光の大社員』、北海道の型抜き、これいいなあ。北海道のかたちは、実際ブランドとして確立してるレベルだなと実感させられる話でしたよ。しかしこの漫画は、キャラ固有の定番枠を作って、それをマンネリにせずに展開していて面白いです。忍法全書だとか、よくこんなくだらないこと思い付くな。で、それが面白いんですね。今回はすずなさんの迷い、ちはるさんの怒り、なんともいえず素晴しかったのですが、気にいったのはあの彫刻だったりします。あれ、実際に作ってしまったら、しっかり芸術として成立させられそうな気がするんです。誰か作っちゃくれないものかって思いましたよ。

『みねちゃんぷるー』、雅が退院です。もうちょっと入院してるのかな、って思ったのですが、やっぱり盲腸だから退院はすぐですね。でもって、策略練っていた峰。これには驚いた。単刀直入、いつもまっすぐなあの子が、こんなにもいろいろ考えて立ち回るだなんて! そうかあ、成長なさったなあ。感慨にふけってもしかたないんですが、峰の策略があり、そしてわかばが雅の側について事態は混迷を深めていく……。これは面白いな。しかし、雅、もてもてだな。いや、そりゃそうだろうな、可愛いもんな。

  • 『まんがタウン』第12巻第1号(2011年1月号)

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