『まんがホーム』2011年1月号、発売されました。表紙はクリスマス、『らいか・デイズ』、らいかをメインに、『笑って!外村さん』、『ミライカナイ』、『夫婦な生活』、それぞれがサンタクロースの格好をしていて、そして新連載『孔明のヨメ。』とゲスト『そよ風そよさん』のカットもございます。
さて、今月号は特集ページ、僕が「竹田くん」だった頃。男性作家5人に、子供のころを振り返ってもらうというエッセイ企画であるのですが、これが面白い。木村和昭氏のヒコーキ少年だったというイラストに見えるUコン。なんと、これってそういう名前だったのか。その存在は知ってたのですが、エンジンで飛ばしていたんですね。遠心力で振り回す、グライダー的なものだと思っていました。さて、皆それぞれにやんちゃだったり運動苦手だったり、あるいは漫画に夢中になっていたり、そんな少年時代。なんだか、妙に共感するところあったりして、それがよいんですね。運動神経に劣った私は、常に動いてるフリしてましたし、漫画のヒロインのそういった場面に心動かされた少年は多かったことでしょう、私もそうでした。しかし豊田アキヒロ氏、どんなやんちゃ少年だったのでしょう。いや、ほんと、他人事とは思えないのが不思議です。
『孔明のヨメ。』、新連載です。諸葛亮の妻になる黄月英がヒロイン。この人、なんかいろいろ発明したりしてたっていう伝説みたいなのが残ってるそうですけど、ちょっと変わりもので、あんまり美人でなかったっていう伝承を、うまいことアレンジして、そりゃ当時の人からしたら美人でないかも知れないが、今じゃ結構いけてるよね、そんな風になってるのがナイスですよ。いえね、この人、あんまり美人じゃなかったはずだよね、そう思いながら読み進めていたら、ちゃんとそのへんすくいあげられていて、やられました。月英はキュートで、三国志ものであるけれど、三国志の知識がなくとも楽しめるだろう。そうしたところ、とてもよいと思いました。
『紫乃先生〆切前!』、タイトルが変わりました。以前の『美録(美は○つき)』は、こうしてBlogに書こうという時にうまく表現できなくて、丸美と書くかどうか迷って丸なしにしてた。そうしたことを思い悩む必要がなくなったのは少々ありがたいです。さて、今回はパーティでの状況です。見た目だけの作家だと陰口たたかれる紫乃先生。しかし、この人も負けてない。あの、エステをがんばるっていうような発言、こういうの見ても、ああ紫乃先生はずれてるなあ、みたいな感想はまるで出てこない。むしろしたたかさを感じさせて、そうした食えない人たちの話になっているところが面白いです。それは鶏野唐揚子さんも一緒、そして今回のパーティの主役、赤染先生も一緒。この、ろくでもないことばかりいってやがる、そんな人たちの食えなさ、どんどんこうした連中が出てくるんだろうか、そうだときっと面白いなって思っています。
『まりかちゃん乙』、めんどくさい子だな。もう、ほんと、つくづくめんどくさい。しかし、このめんどくささがあるからこそまりかはまりかなんだっていうのは、これまでにも描かれてきたことであって、しかしそれにしても今回のまりかのめんどくささは堂に入っていましたよ。話してめんどくさい、行動してなお面倒くさい。もうー、この子はー、そう思う気持ちも無視できないほどで、けれどやれやれ困った子だ、しかたない子だねと思いながらもそこにおかしみが生じてくるのはまりかの人徳なのかも知れません。そしてまりかの反省、この子は自分で自分のことちゃんと見てるんだな。わかっていながらとめられない、そんな子なんだなって思えて、そして友人への感謝の気持ちを素直に表現する。よくもわるくも、この率直さ、素直さがこの子の個性で魅力なのだなって思わせる回でありました。
- 『まんがホーム』第25巻第1号(2011年1月号)
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