2010年3月21日日曜日

『まんがタイムきららMAX』2010年5月号

『まんがタイムきららMAX』2010年5月号、おとついの続きであります。さて、本日はその後半に入ろうと思います。中盤から後半にかけては、新しくはじまった連載が続く、新鮮味感じさせるそうした雰囲気ありまして、そしてだんだんに落ち着きつつある、そうしたところに、これからの『MAX』の色の定まりつつあることを感じています。

『SUNNY SIDE UP.』、新連載です。タイトルを変えて新連載というわけで、もともとのタイトルはなんだったのかと振り返りましたら、『もー★ぐり』。2010年1月号に掲載された漫画ですね。もともとのタイトルはモーニンググローリーからきている模様で、すなわち朝顔。八重歯の可愛い小柄のお嬢さんが主役と思えるようなタイトルだったわけですが、連載開始にあたってのタイトル変更は、誰がメインヒロインと確定させないためなのかも知れません。といったわけで、といいきっていいかどうかは不明ですが、今回は都会から田舎に引っ越してきたお嬢さん、加奈子がクローズアップされて、頑張りすぎてしまう女の子、ちょっと空回り気味で、けれどそんな加奈子に朝顔が積極的に働きかける。キャラクターがはっきりと違ってる、そのコントラスト、鮮かです。

『もっかい!』、おお、なんか普通っぽくなった。絵に独特のタッチは残るけれど、あのハッチングに似た表現はトーンに改められて、少し普通の漫画っぽくなりました。きっと、見づらいとか、そういう意見が寄せられたんだろうなあ。画面はおとなしく、また見易くなったけれど、テンション、ノリは以前のとおりで、掲示物めぐるエピソード。馬鹿な話といえばそれまで、けれど男子っぽい調子ののりようが結構気持ちいいんですね。どうも、好きみたいです。

『ハッピーステッチ』、今回は採寸の話、であるんですが、ちょっと淫靡な雰囲気もないではない。でも、別にエロエロみたいなことはないので安心です。女の子ものっていったらあんまりにも大雑把なくくりだけど、女の子メインの漫画ではよく見る展開ではあります。この漫画は、眼鏡のリコ、変に可愛いなと思いながら読んでます。今回はその傾向特に強かったです。

『ここみみなたね』、前回まではいまいち面白さがわかりにくい、なんて感じていたのですけれど、舞台が学校に移った今回、多少でもみみに勝てるところがあるんではないかという期待がことごとく打ち砕かれていく、そんななたねが不憫、しかしその様子が面白かったです。で、ラストは学校崩壊。こういう大掛りな馬鹿展開、私、大好きです。来月には復活してるのかなあ。それとも青空教室? どうするんだろうって思って、興味わいてくる大落ちでした。

『つかえて!コハル』、今回はコハルのテスト勉強だけど、面白い。コハルにしてもなつきにしても、テスト勉強となれば違うことに熱中してしまうというのはくある話。しかしそこで、イスに縛りつけて!! 続いて千秋! 千秋ッ!! と呼ぶ、その切実なる表情の魅力的であることったらないですね。最高です。超可愛いです。超キュートです。でもって、面白いです。シンプル、それでいて面白いというのはとてもよいと思います。

『お願い神サマ!』、これ好き。今回はお泊りであるのですが、柚梨子さんの家、ものすごい。どこまで無茶に大風呂敷広げられるか、大げさにことさら大げさにして、けれどヒロインふたりの関係は、密やかに密接に接近しながら、最後の一歩をつめようというそこでドギマギするという、そのあまりのスケールの違い。けど、この小さな一歩を埋められないというところ、けれど勇気振り絞って自分の思い告げたりするところ、これがいいんだなって思うんですね。

『はる×どり』、これも好きです。でもって、冒頭の一本。これ、わかります。私もこんなのばっかりですよ。枕元にはメモ帳置いて、けどメモしても後から振り返らないからなあ。よって、私もたいていああです。この漫画では、はなちゃんが気にいっています。アイドル志望、結構気さく? な女の子。なんか今回は、はなちゃんの歌が犬を引き付けるってことが判明して、で、そこから話が広がっていくのは面白かったです。気にいってるのは、京子がはなちゃんの歌が犬呼び寄せることに対する仮説をたてて、けど根拠ないからと棄却する、その流れ、なんだか好きな感じでした。そして、最後にまた冒頭の流れに戻る。ええ、日々、こうしたことの繰り返し、それが人生であると思います。

ぽすから』はいよいよ試験当日となって、学科こそはみなで一緒で受けるけど、実技ともなればそうともいかず、けれど離れてそれぞれに違う課題に取り組んでいても、気持ちだけは一緒にあろうよというかのような皆の気持ち、そのともに試験に向かおうという連帯感、見ていて心地よいなと思わされるのでした。いや、もう、気恥かしいくらいに青春です。けれど、この気恥かしさ、これは若い人の特権と思いながらも、振り返って懐かしみ、ああいいねと思う。そして私は気持ちだけでも、彼らの気恥かしさに同調していくのですね。

ねこにゆーり』、これは面白い。あっちゃんが帰ってきたら、ゆーりが猫になっていた。ええっ! これは漫画的ギミックなのか、それともゆーり、セラが共謀してあっちゃん騙しているだけなのか。それがわからん、うそかまことか、その合間をふらふらと曖昧にしたまま最後まで進めちゃう。その、あっちゃんの戸惑いをまた読者である私も共有するかのようで、これは楽しかったです。

超級龍虎娘』、最終回でした。感情をあらわにする毬虎。彼女の言葉の端々に、これまでのことが思い出される。そしてだんだんに別れを受け入れていくみたいなところ、それが切なく、しんみりと胸に沁みます。この漫画は、人の思いの、感情の、細やかに動いて、そして繋がり伝えあうところ、よくすくいあげて表現して、そういうところ、大好きでした。だから、こうして終わること、残念と思いながら、けれど毬虎がそうであったように、私もだんだんに受け入れていくのでしょう。とりあえず、次は2巻ですね。1巻2巻と揃えて、通しで読んでみればどう思うことだろう。それが今は楽しみです。

ぐーぱん!』、赤城さんはとにかく大変な目に合わされる、そんな印象ありますけど、今回は別に未理がなんかしたわけじゃないから、でも全般にはセクハラ風味でした。赤城さん、可愛いなあ。そして、赤城さんのお父さん、これは一撃が出るか!? と思ったけれど、そうでもなかった。ちょっと残念、ちょっと安心です。で、最後の最後ね、ちゃんと友達と思ってもらえてる、その様子、赤城さんはよくわかってないみたいだけど、よかったなって、いや、ほんと、よかったねって思ってるんです。ええ、赤城さん、報われたって思ってるんですね。

表色89X系』、葵がけん玉をはじめた、なんで? っていう感じですが、そうか地味の克服でありましたか。っていうのはともかく、変なノリで進行していくエピソード。あとにいくほどにおかしさは増すのですが、それでも途中途中に、嫉妬する雨音が描かれたりとかね、ちょっといいもの見たって感じで嬉しかったです。でもって、最後、ああ、なんという。やっぱり克服には失敗したのかと。でも、私は地味な葵が大好きです。

  • 『まんがタイムきららMAX』第7巻第5号(2010年5月号)

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