2010年3月2日火曜日

『まんがホーム』2010年4月号

『まんがホーム』2010年4月号、発売です。今月号、今の『ホーム』はかなり面白いのではないかと思える、そんな誌面でありました。中盤がですね、充実しているなと思えるのですよ。新しく始まった、そんな漫画も落ち着きながら定着して、安定して読めるようになってきてるなという印象です。実際、中盤といってるそこには、他誌からのゲストがあったり、まだ連載にいたらないゲストがあったり、いや、これは厳密には中盤を過ぎたあたりなのかな? けど、それらも充分に面白くて、今の『ホーム』はよいなと、そんな感想を持った4月号でした。

さて、今月はゲスト多めです。『うのはな3姉妹』が他誌からのゲスト、『ゆとりの手もかりたい』と『こむぎみっくす』、『じゃじゃプリ!』が連続ゲスト! そして『天国のススメ!』、『ときめけ!女塾』がスペシャルゲストです。で、『まりかちゃん乙』が新連載なのかな。これらゲストのうち、『天国のススメ!』、『ゆとりの手もかりたい』が連載に昇格するそうです。

今回のゲスト、全部好きで楽しみに読んでいます。『うのはな3姉妹』は安定して面白いし、『ゆとりの手もかりたい』、『こむぎみっくす』はそれぞれ違ったキャラクターの可愛さ打ち出して、そしてそこにちょっとシニカル、人の悪さみたいな味を加えてるところがよくてですね、そしてなにより皆仲がいいっていうところが素晴しい。『ゆとりの』は、天の声とでもいったらいいんでしょうか、ゆとりやお嬢様のすることにつっこみが入る、そのテンションや見守ってるような様子が気にいっています。『こむぎみっくす』は、めーぷるがめちゃくちゃ可愛い! これは家族を描いてあたたかで、読んでいてちょっと仕合わせな気分になれる。いい漫画であると思います。

『じゃじゃプリ!』は、よく飼い馴らされた亮の健気に世話を焼く様子が見ていてすごく心地よい漫画です。背のちっこい暴れものふみかも当然魅力的で、ガキ大将だった、今も元気はつらつ。その元気や活発に振る舞う原動力はなになのか、それが自然と語られた今回、とてもよかったです。また、眼鏡をかけた一コマ、おおっと間違えた、一度だけ泣いたという、その一コマ、ぐっと胸に迫るものがあって、なんかこういう感情に訴える強い表現があったかと思えば、静かながら多くを語るような表現もあり、そのバランスがとてもよいです。

『天国のススメ!』は緑の妖精が登場して、なんかすごい一発ねたっぽいキャラクターでありますよ。けれど、この妖精をもって、太一の特殊能力、十子の強烈なアプローチ、お婆ちゃんの可愛さ描かれて、そしてほのぼの人情ものとしての味わい、これがこの漫画最大の魅力である、ひいては作者の持ち味であるのだろうと思わされる展開でした。

『ときめけ!女塾』は、最後に、続くとあったのを見て、おお、続くのか。ちょっと嬉しく思っています。これ、ナンセンスではあるんだけど、ちらりと夫婦仲のよさみたいなの描かれたりしてたでしょう。そういうところいいなって思ってまして、結構気にいってるのです。と思ったら、今回はナンセンス一辺倒だった。でもって、塾長交代の危機ときた。これ、息子の塾長返り咲きはないのかな。しかし、この息子の扱われ方の酷さ。これがもう最高に面白かったです。現金な人たちといいますかね、その変わり身のはやさ。見事でありました。

さて、以前から芳文社では眼鏡がブームだったりするのか、みたいなこといってましたが、今回のホームは眼鏡多め? 『紫乃先生美録』みたいにレギュラーで眼鏡があるかと思えば、『となりのなにげさん』扉で眼鏡、『つくしまっすぐライフ!』はレギュラーで眼鏡ですけど、続く『東京!』が扉で眼鏡、『じゃじゃプリ!』劇中で眼鏡。なんということでしょう。一応断っておきますが、眼鏡が魅力的だから、今月の『ホーム』が素晴しいといってるわけではないです。

『三日月の蜜』、台詞を軸に展開される、そんな感じかと思えば、だんだんに言葉少なになっていって、表情の変化、間、それらが伝えるふたりの思いが切々として、佐倉のわだかまり、対して桃子は底が知れず、そのふたりの様子にはどきどきさせられっぱなしです。この漫画、辛気臭いといえば辛気臭いのですが、その辛気臭さがたまりません。もう大好きです。

『横浜物語』、ああ、これは面白いよ。隣に住んでいる女。雨の日にベランダを越えて布団を取り入れてくれた、そんな変な女なんだけれど、主人公はなんだかちょっとずつひかれているようで、しかしそれは相手の思う壺なのか? 変な隣人ものかと思ったら、危ない隣人ものなのではないかという今回のラストに、興味ががぜん高まって、これは面白いよ。一気に評価逆転です。

つくしまっすぐライフ!』は、クマの着ぐるみパジャマ、可愛いな! と思ったら、それ本編にちゃんと関連がありまして、なるほど。なずなはすっかり五行さんと仲良くなってるんだなっていう、しかし片や社会人、片や学生というジレンマ? ちょっと年の離れたカップルもの、しかもものすごく健全な、その素朴なお付き合いの様子がいいのだと思うのですね。ホワイトデーのお返し。クマのかっこうで一緒に歩く。そのいちいちがおかしくて、けれどおかしいながらもよいのでした。

『東京!』は、いや、もう、扉が、扉が。今回は、ちいさなたまが大人っぽく見られたいと思う、そんな気持ちをぐーっと一本続けて描きながら、その合間合間に他の登場人物のエピソードも盛り込んで、このにぎやかさが好きです。秋葉原正親。渋谷とともに電器店にいく、それってデートなのか? 仲がいいなあ君ら。この渋谷の秋葉原に対する懐っこさがもう大好きで、でもって秋葉原、美少年だなおい。美少年大好き。本編のラスト、皆にかまわれたたまですけど、そのままがいいよという、そのあるがままがいいよという、こういうのもまた好きなんですよね。楽しく、そしていい話でありました。

  • 『まんがホーム』第24巻第4号(2010年4月号)

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