2010年3月20日土曜日

『まんがタイムスペシャル』2010年5月号

『まんがタイムスペシャル』2010年5月号、発売です。表紙は『ベツ×バラ』です。元気感じさせる、そんな別所たまき、溌剌とした印象がいい感じです。ほかには、『あんちょこ』、『ちるみさん』、『丸の内』、『おてんき小春ちゃん』、そして新連載なのか? 『シュガービーチ』のカットが飾っています。

『ベツ×バラ』は新しいキャラクター登場、であるのですが、今回はその前段階といった感じです。新人がこない、人手が足りないねという状況に、待望の補充員が! しかしそれが社長の娘さん。社長の娘とかいうと、世間知らずで尊大でわがままで、みたいな展開よくあるけれど、このお嬢さん、なんかすごく完璧っぽくて、その上すごくいい人そうだ! そのいい人が今後どういう風に場に影響していくのだろう、とりわけたまきと原田について、それはちょっと予測のつかない、そんなところがあって、ゆえに楽しみであります。

『スーパーメイドちるみさん』の冒頭、この一本は見事に面白かったです。状況をほのめかすばかりでなく、ナンセンスな味わい、なんじゃこりゃ、って感覚も意外で面白く、そしてあとはどたばたと進んでいきます。しかし、大樹はちるみさんと接近して、なんかいい雰囲気? になったりしてましたけど、それを見逃してあげるちゆりさん、いい人だ。でもって、いい雰囲気は見事にぶっこわれる、大樹、運の悪い人だ。そして、紅林のお嬢さん、くやしそう、けれどその様子こそが可愛いと思える、そんな人。ええ、面白かったです。ところで、大樹はナース好きっていうの、隠してるの? 今さら、みたいに思うのはきっと私だけではないと思う。

えすぴー都見参!』はスランプを扱った話であったのですが、そのスランプについての説明、なるほどな、そう思わせてくれて、そして士気高める都、こういう真っ直ぐな人たちの描かれること、よいなって思います。うん、私も士気高めていこう、そう思わせてくれる話でありました。

『シュガービーチ』、ビーチバレーの漫画であります。部員不足のビーチバレー部、今日中にあと二人が入らなければ廃部になってしまう。そこにやってきた、ちょっとどじなヒロイン。ええ、この、あと何人入らないと廃部というの、基本になっちゃった感がありますね。『けいおん!』の成功体験がベースにあるとしたら、なんだかやばいぞ! って思っちゃいますが、まあ『けいおん!』の時点で部活ものの王道ではあったから、ことさらいう必要ないとも思うんですけどね。でもって『シュガービーチ』、部長ひとりが経験者? 残るは皆今日入部したばかりの初心者。どうなるかは次回以降に期待といったところです。

『笑って!外村さん』、今回は外村さんの部活体験が描かれて、そうか、この人、ペン習字やってるんだ。書道部での外村さん、少なくとも先生に対しているところ、すごく普通のお嬢さんって感じで、悪くないじゃん。ええ、読むほどに外村さん、いい子と思えて、そう思えるほどに誤解のされっぷり、その様子が面白くなる。不憫ではあるんですけどね。でも面白いんですね。

『ごめんね、委員長!』、人気があるのか、ゲストとして登場してきました。今回はデッサンの授業。委員長をモデルにして好き勝手に描くという、実にろくでもない友人たち。でも、その好き放題が面白いんです。で、途中藤子絵みたいになってるの、そういう表現、ちょっと好きかも。本当に委員長愛されてるなって、そういうのが伝わってくるのがいいなって思います。

ふたご最前線』、弓削さんのお姉さんがテレビに出てるという話。妹の弓削さんは、比較されてかちょっと複雑そうで、そうした気持ちの揺れ動きみたいなのは、実にいいなと思うんですね。そしてお母さんから大発表。うわ、大変なことになりました。次号でこの続き描かれたりするんでしょうか。

『強風記』、やっぱりこれ面白いな。あんまりに盆暗盆暗いわれる主人公には同情してしまうけれど、しかしぱっとしないのは実際で、さらに成功してる人間に嫉妬をたぎらせるなどね、もうどうしようもないんですけど、けれどこうした気持ちは誰にもあるものだと思います。だからこそ、この主人公には魅力面白みが感じられる、そんなように思います。

『放課後エア部』、面白いです。女の子三人がかしましく、楽しくしゃべりあってる、そんな漫画ですが、彼女らのごっこを受けて応えるファミレス店員さん、いかす! それまでの、自分たちだけでは盛り上がってるのに、店員さんくると普通に戻っちゃうっていう様子もおかしかったんですけど、この店員さんも巻き込んだ最後の一本まで、ちょっとずつエスカレートしながら面白さ持続して、なんでもない話なんですけど、よかったです。

『めいちゃんは心配性』、ゲストです。お母さんがいい味出していて、こういうつかみどころのないと感じられるような女性像、結構好きなんですが、こういうのうまくしないと、焼き直しみたいに感じられたりするところもあるから、それこそうまくやって欲しいと期待します。この漫画は、お母さんのいってることにめいちゃんが反応したり、あるいは反応できなくともロクでもないだろうって思ってたりするようなね、その反応の濃度が違うところ、いいなって思いました。で、ちゃんとお母さんを理解しようとしてる、それがよかったです。

『のぞみのノゾミ』、ゲストです。新入社員の小山希は超能力を持っている。けど、それをメリットと思ってなくて、むしろ異能のあったために、普通であることに過剰にこだわるようになってしまっているという、ええ、面白いキャラクターです。普通の人でありたいけれど、使うべきときには躊躇なく使う。そういうヒロインの超能力に対するスタンスには、なかなかに共感的であれました。

  • 『まんがタイムスペシャル』第19巻第5号(2010年5月号)

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