2010年3月28日日曜日

『まんがタイムきららキャラット』2010年5月号

『まんがタイムきららキャラット』2010年5月号、発売されています。表紙は『ひだまりスケッチ』。抱き合うゆのとヒロさん、であるのですが、絵の具で汚れた白衣とエプロンがなんだかすごくいい味を出していて、こういう絵、いいなって思います。汚れが描かれることで、生活や活動の質感が浮きあがってくるように感じられるとでもいいますか、いきいきとキャラクターが動き出すように感じるのですね。

『ラッキー・ブレイク』。効用じんましんの温泉に入ってじんましんが出るヒロイン。おおう、ちょっと気持ち悪いぞ! とはいうけれど、これ、ちょっと前回を振り返らないとわからないな、といったわけで、珍しく先月号に遡ってみました。うん、そうそう、陸は旅館にアレルギーがあるから夕食のメニュー、注意して欲しいといってたけど、ちゃこはそれをしてなかったから、アレルギーで食べられない蕎麦がたくさん出てきてしまって困った。夕食抜きにしようとしたところ、陸が、それもおいしそうですね、半分こしませんかと、自分の夕食を分けて、ちゃこの食べられないものを代わりに食べた。以上前回のあらすじです。

こうした前提があって、そしてちゃこが、なんで陸がアレルギー出して寝込むことになったか理解して、これが今回ですね。ええ、あんだけ陸に対して敵愾心持ってたちゃこが、すっかりその態度を軟化させる、そのくだりはすごくよかった。この人の思いの移り変わりが丁寧に描かれて、そして陸にもその気持ちが伝わってという流れには、ちょっと感動してしまうくらいでした。けど、ふた月にまたがるとちょっとわかりにくい。といったわけで、これは単行本で読むと光るエピソードなのではないかと思います。うん、この単行本は面白そう、今からそう思っています。

うらバン!』、アンサンブルコンテストですよ、アンコン。今回は金管の三人がステージへ、残るふたりは聴衆として参加するのですが、とにかく緊張してわけわからなくなってるリーダーゆみはおかしくて、いつもマイペースなあさみん、そして宇宙的なアレに参加したい千夏。結局参加させてもらえなかったんだけど、その報われない感じ、ちょっと可哀そうで、でもその参加したいって思ってるところなんてすごく可愛くて、面白かった。で、彼女らの演奏の結果が出て、銀賞。この銀賞というポジション、すごく絶妙だと思います。このアンコンというのが、浦和泉市主催の小さなものであっても、またこれが全日本吹奏楽連盟主催のアンコンでも同様です。

以前にも少しいってたけど、吹連のアンコンの賞は、上位3団体だけに与えられるものではないんです。だから、頑張れば銀には手が届く。銀はいけるという発言は、それだけの実力はあるよ、よく頑張ってるよという言葉そのものであり、そして実際に頑張りが演奏の質となってあらわれて、評価されたというわけです。決して高望みではない、けれどいい加減では届かない、それが銀賞なんですね。だから、唐突でもなんでもない。ああよく頑張ったね、よかったねと、それでいてあなたたちの実力なら変じゃないよと、そういってあげられる、そうした賞を得たことは、すごくしっくりとして、またすごく喜ばしいと思えることだったのですね。

『Felice』、序盤導入部における山ができてきてます。凜がついに限界にきてしまって、灯里を拒絶してしまった。というところで、灯里に危機が迫る! これ、動きとしては凜の線と大地の線、ふたつの系統が期待できそうで、この両面からの解決、最初は凜で大地でとどめ、みたいになるのかなあ。ちょっとはらはらとさせて、けれど期待もさせて、そんな状況であります。

『勘弁してください』、ゲストです。女の子たちのたわいもないやりとりを、ちょっとナンスンス風に描いたという漫画なんですが、最近こういうのたくさんあるから、独自の味を出せないと埋没してしまう、そんな危険ぶくみであると思います。というか、この感想がすでに埋没してしまいかねないって感じで、危険だなあって思ってるんですが。独自の味を出そうという意図がある、それはわかるんですが、それを私が受けて表現できない、そんな感じであるのです。

『ちはやとまお』、これも同様です。あ、ゲストです。ちはやとまおのふたり、しっかりものの千早と、のんびりしてる万桜、ふたりのちょっと噛み合わない生活描いて、千早中学生で万桜大学生? 三食麺でもオッケーという千早に大いに共感してしまいました。うん、麺はいい。のんびりしている、そののんびりに独特の味を感じている、そんな気もするのだけど、それを言葉にするのは難しい。だから、もう少し続けて読みたいなって、それはこの漫画についても、『勘弁してください』についても、思います。

空の下屋根の中』は履歴書、そして面接の話。うん、私、履歴書書くのものすごく苦手です。特技とかなに書いたらいいかわからない。でも、うける履歴書の書き方とかあるっていいますよね。面接も同様なのでしょう。昔、エントリーシート書いて、面接うけてを繰り返してた時の砂を噛むような思い、ちょっと思い出して、そのやりがいのないという意見、共感して、なんだろうねえ、いや、本当に。でも、ヒロインかなえは、自分自身を省みることで、ひとつの結論を出せたみたい。この、省みて自分を知るということ、つまりはそれなんだろうなと思わせてくれて、ええ、いい話だった、そう思います。

ねこみみぴんぐす』、先月ちょっといってましたけど、猫耳、ぬいぐるみ、ヘッドホン、やっぱり目立つ特徴だったのか。今回は県の大会、団体戦を描いて、しかし勝負の現実は苦いね! いつぞやのお爺さんなど、あの実に食えない爺さんですけど、やっぱり味のある登場してきて、面白い。でもって、ライバルの双子、おおう、三つ子か、現れて、これ、宿命のライバル展開? 悪い子らじゃなさそうだけど、なんだか屈折してるなあ。話が進めば、意外にいいやつ! みたいになっていくのかな。とりあえず、次回は彼女らとの試合ですね。いい感じに白熱するのかなあ。

『かすみのそら』、ゲストです。キャラット初登場とあるんだけど、これ見たことあるよ? と思ったら、前回は『MAX』だった。ちゃんと前回を覚えてる、それくらいちゃんとした印象を残した漫画でした。坂の上にある学校に転校してきたヒロイン佳澄、体力ないから登校するのも大変といったところで、でも私も貧弱でしたから、気持ちはわかります。体育祭なんて大っ嫌いだった。運動嫌い、苦手な人間にとっては、計測やら体育祭やら、もう嫌な記憶しかないですよ。運動苦手はいいんです。けどそうした人たちが運動嫌いになるのは、学校の体育があるように思います。ああ、私も短距離の計測でこけたよ! この漫画が、きちんと記憶に残ったのは、そうしたヒロインに共感してしまったがゆえなのかも知れません。うん、可愛いヒロインです。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第6巻第5号(2010年5月号)

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