2009年11月19日木曜日

『まんがタイムきららMAX』2010年1月号

『まんがタイムきららMAX』2010年1月号が発売です。おおお、2010年。おそろしい響きであります。表紙は『かなめも』。教室の風景。みかを囲むクラスメイトといった様子は、なんだか青春ものみたい。こちらを見るみなの視線がとてもいい。特にみかの目、凛として、とても素敵。ああ、この人は、ただつんとすましていれば、非の打ちどころのない、それこそ完璧な美少女であるのかも知れないなあ。なんていうのは、本編はじまれば自ずとわかる、ああ、なんか残念なお嬢さんだなあ。でも、その残念なところ、それも魅力的であると思うのですよ。

ひろなex.』、ああ、あのメカメカしい物体、見覚えあります。というか、操作したことがあるような気がします。あれ、なんてったっけ。多分、近所の誰かが持ってたんだと思うんですけど、昔はとにかくガジェット盛り沢山、詰め込んでみましたみたいなおもちゃが多かったように思うんですね。筆箱も、あちこち飛び出したりして物騒でしたが、『ひろなex.』にはそうした昔の風物が混ぜ込まれて、なんだか懐かしさ思わせて、ええ、ほんと、あのトリガーってなんのために使うんだったっけなあ。気になってしかたないです。

『お願い神サマ!』が新連載です。女子校における、女の子同士の、友情よりもちょっと深く踏み込みすぎた関係が描かれて、いや、やっぱりこの人、カラーの雰囲気が素敵です。本編での、名字から名前を呼ぶ関係になりたいという、それだけのやりとりにふたりの可愛さが浮き上がってきます。しかし、本の人物名を置き換えてというの、あれは面白かった。面白さだけでなく、ほのかに照れのようなものも出る。そこもよいのでしょう。

『ラッキーストライク!』、これ、とても好きです。扉のレイ、むやみやたらと可愛いなあ。でもって本編、ボウリングに関する知識が自然に増える。これはとてもいい。でも、ただ情報が詰め込まれただけでない、ちゃんと面白さも意識されていて、読んでいてとても楽しいです。キャラクターの個性を出しつつ、ボウリングにも焦点をあてて、そして舞台、状況が明らかにされていきます。まだ導入だとは思う、けれど今の時点で充分面白い。だから、この先がどうなるんだろう、期待しちゃうんですね。ティーセットも完備です。

『ヒメとトノ』。ずっとふたりで展開するんだと思ってたら、新キャラ登場。おおう、人数増えるんだ。しかも、王様。かなりアクロバティックな命名でしたが、でもこの人加わって、展開に膨らみが出て、これまで優勢だったタイトな感じとは違う、やわらかに華やいだ印象が一色添えて心地よいです。いいですね。

『もー★ぐり』、ゲストです。田舎にやってきたお嬢さん、加奈子がヒロインなのかな。けれど、タイトルはモーニンググローリー、朝顔とあるから、小柄な高校生、朝顔が主役みたいですね。明るく元気で素朴でちょっとやんちゃな女の子と、都会育ちの女の子、ふたりの仲良くしていきましょうというところに見え隠れするギャップみたいなのを楽しもうという話のようです。

『ふたりトラベル』、ゲストです。大学に通うことになった女の子ひな。なんだか弱気? なんだか外が苦手? 独特の雰囲気漂わせて、ああ、こういう人好きだからすごく困ります。そして、ひなが大学へ向かう途中で出会ったあおい。このふたりが旅に出るのかな。ひなの、これまで自分の内に向かっていた意識が、風車の並ぶ風景を思い出したことをきっかけとして外に向かって、最初の目標はその夢見た景色なんでしょうね。なんだか、嫌いでない雰囲気です。ちょっと期待したい、そんな感じ。きっと好きになれる、そんな感じです。

『はる×どり』、後輩が登場。なんかすごくよくできたお嬢さん。素直で、育ちもよさそうで、けどちょっと謎もありそうなところ。そんな彼女が京子と話すところ。変な名前で呼ぶようにいわれて、その時は躊躇してたのに、よりによってそこで呼ばれると恥ずかしいというポイントで呼ぶ。素晴しいな。なんか自分のペースに持っていけなくて悔しそうな京子、とてもいいキャラクターで、やっぱりこの人、好きです。

『ブックセラーズ!』、ゲストです。書店でアルバイトすることになった女子高生ふたり。しっかりしてそうで鈍臭いヒカルと、なんだかのんびりが過ぎるお嬢さんセラのふたり組。なんだか頼りなさそうに思ってしまうところだけど、ちょっとずつ、助けあったりしながら、成長していったりするのでしょうね。そんなふたりを見守る書店さん、その視線もよいなって思います。

超級龍虎娘』、サイレント風味で展開して、お題はこたつをめぐる風景。描かれるのは、なんだか駄目な春希と、やんちゃな毬虎、そして有能な龍楼。シンプルなんだけれど、キャラクターのらしさはばっちりと効いていて、面白かったです。龍楼、可愛いし。そして最後のコマ、ああ暖かい風景だなって思って、とてもよかったです。暖かいのは、こたつがあるからだけじゃないんだっていう、そうしたところ、よかったです。それにしても、龍楼、いい子です。

表色89X系』、私がこの漫画が好きな理由、なんとなくわかった。ちょっと昔風の、学生コミュニティものなんだ、この漫画。誤解を怖れずにいえば、『究極超人あ〜る』的ななにかを感じて、けれどもちろん『あ〜る』のようではないんです。悪ノリというと、ちょっと違うかも知れない。けれど、粗野な男どもの、なんだか変にひねくれて、けれどこじつけてでも楽しむときは楽しむんだ、そうした馬鹿な勢いがあって、そこに女の子たちの華やかさ、穏かさが加わって、それぞれでちょっと楽しみ方が違うのね。今回みたいなノリはイレギュラーではあるんだけど、でもそこにこの漫画の魅力の一端は確かにあると感じられて、ああ、そりゃ好きなはずだわと。ちょっと変わった人たちと、比較的ちゃんとしてる人たちが、一緒の場所でコミュニケーションとってるの。そのおかしみ、楽しさ。そういうのとても好きです。

ワンダフルデイズ』。私は今とても仕合せです。それはこの漫画で一番好きな珠季さんがメインだったからです。そして、あのしっとりとした展開にうっとりです。ああ、鈴吾よ、応援してやる。なんか悔しいが応援するよ。

  • 『まんがタイムきららMAX』第7巻第1号(2010年1月号)

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