2009年11月18日水曜日

「けいおん!」第5巻

 アニメ『けいおん!』の第5巻が発売されました。第9話「新入部員!」、第10話「また合宿!」を収録して、ああ、いよいよ2年目本格稼動であります。新入部員、すなわち中野梓が加わって、また少しにぎやかさを増した軽音部。とりあえずオープニングがマイナーチェンジ。アニメもそうですが、音楽も変わってるっていうのね。ギターが増えて、アレンジもちょっと違ったものになってという、当時、一部で微妙に話題になったことを思い出します。

話題になったといえば、「新入部員!」の演出が多少物議をかもしたとかいう話もありましたっけ。あの緩い部活の雰囲気に順応できないで、梓が、迷って、悩んで、ついには泣き出してしまうっていう展開に、あんなに重く湿っぽくする必要あったのかという意見があったのでした。私なんかはあれ見て、ええいああ、梓にもらい泣きしちゃってるわけですが、ええ、割と好意的なんですね。そのあたりのことは以前にも書いたので繰り返しませんが、期待を胸に飛び込んでいったのに、そこは理想とはかけはなれた場所だった。その失望と、けれど自分のあの時確かに感じたもの、その合間で悩む梓は魅力的であったと思います。で、そのギャップが埋められていくのが「また合宿!」だったんでしょうね。あの回、あんなにもいろいろ詰め込んで、けれどちっとも息苦しいだなんて思わせないのね。たっぷり遊んだ。その上で、唯と梓ふたりの練習風景。あれがすごく効いていて、そして梓に映っていただろう上級生たちの印象が変わる。少し身近に感じられるようになったといっていいのか、また数歩接近したんだろうなと思う、そんな回だったって思って、ああ、いい話でした。

というわけで、オーディオコメンタリー。キャストコメンタリーは第5巻から梓役の竹達彩奈さんが加わった5人によるトークで、いやあ、前々から短い、2倍欲しいだなんていってましたが、今回は3倍は欲しいと思いましたよ。面白いんだ。スルメからはじまったのは予想外も予想外だったけど、先輩後輩という話、学生時代の部活話なんかが楽しく話されて、そしてあのライブハウスのシーン。はっと静かになって、その様子に私もまた打たれました。演奏のシーンなんかでも、そこで話されたこと、しみるようで、とてもよかったんですね。そしてまた合宿をうけて、合宿やりたいねなんて話になって、意外とインドア派だった佐藤さんとか面白く、で、この回では楽器の話、それが楽しくて、やっぱり自分に割り当てられた楽器だけでなく、他の人の楽器にも興味もったりされてたんですね。豊崎さんのギターを触った日笠さんの、本当に指が切れそうだという感想もあれば、佐藤さんが日笠さんのベースでチョーキングを試そうとしたら怒られたみたいな話もあって、いや、わかる。チョーキングってなんかネックに影響でそうで、それからフレット傷みそうで、最初、躊躇しますよね。まあ、ある程度弾いてたら普通にやっちゃったりするんですけど、新品の楽器でもさ。だって、普通の奏法だし。でも、チョーキングを遠慮するっていうエピソードに、ああ、楽器大切にされてるんだなと思って、ベー子でしたっけ、すごく楽しかった。

スタッフコメンタリーは、10話絵コンテ、演出の坂本一也さん。9話作画監督の秋竹斉一さん。10話動画検査の中野恵美さん。以上の三名によるもので、いや、しかし、面白かった。細かい見どころや遊びについての紹介、そういうのも楽しかったんですけど、梓可愛いですよねから、えらいつっこまれていた秋竹斉一さんの状況。萌えですよね、とか、萌えポイントの詳細説明させられるようなところ、なんだか罰ゲームみたいで、大変なことになってて、申し訳ないけどめちゃくちゃ楽しかったです。細かい見どころっていうのは、作り手の頑張ったところっていっていいのかも知れません。10話、合宿に突如乱入してくるさわ子先生の衝撃的なアップ。あれは撮影の方の頑張りで、予想以上のものに仕上げてくださったとか、こんにゃくの上下にゆらゆらゆれるところとか、そういうのも。少し戻れば、時計の秒針が動いているとか、こういう随所随所に、少しでもいいようにしてやろうという意思が反映されて、結果的に全体の質を上げているんだろうなというのが、本当によくわかる話でした。ほかに印象的だったのは、9話楽器を描く苦労、人物との対比とか膨れあがる動画とか、そしてさわ子先生の瞬獄移動。10話ドリアンバーガーから憂の真似して入ってくる律先輩、いや、あれ、気付いてませんでした。本当に全然。話聞かされて、見直して、うわ、本当だ、これ憂じゃないよ、驚きました。あと、クルーザーの回り込み、可愛いすぎる紬、その背後で見過ごされた唯律、おいしそうなバーベキュー、線香花火の描かれたこと、キャベツ、努力っ子唯、坂本さんは律が好き? ほかにもいっぱいあったんだけど、とりあえず思い付いたもの書き出せばこんな感じ。でも、面白いこと、はっとしたようなことは、もっとたくさんあった。スタッフコメンタリーにも、キャストコメンタリーにも、どちらにもたくさんあって、ああやっぱりコメンタリーは楽しいなあ。そう思わせてくれるのでありました。

Blu-ray Disc

DVD

CD

原作、他

  • かきふらい『けいおん!』第1巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2008年。
  • かきふらい『けいおん!』第2巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2009年。
  • かきふらい『けいおん!』第3巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2009年。
  • 以下続刊

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