『月刊アフタヌーン』2010年1月号が発売されました。表紙は漆原友紀の新作『水域』がきて、水に漬かった木に腰掛ける少女のイラスト。実は私は『蟲師』を読んだことがないので、この人の作風ってあまりよくわかっていないのですが、『水域』第1話を読んだ感触は悪くないなって。まだ序盤も序盤、1話ラストにいたってようやく物語が動き出したか? あるいは状況がわかるかなというような雰囲気。次回以降、続けて読んで、それでわかっていくのかなあ。好きになれるといいなと思っています。
『ヴィンランド・サガ』、実は結構好みっぽくて、わからないながらも楽しみに読んではいるのですが、なにぶん最初の方を全然読んでないので、ちっとも状況がわかりません。既刊に手を出せばいいんでしょうけど、8巻かあ。どうしようかな、すごく迷いながら、とりあえず連載を読んでいます。いやね、今月なんか、トルフィンがすっかり気力なくしてるかと思っていたのに、用心棒の頭領についと誘われて、本気を出してしまった。あの周囲の驚く様子とか、いいなあって思って読んだわけですよ。わかるわからないを度外視して、まず読むものをよくひきつける。そして楽しませる。うまいなあ、いい漫画だなって思っています。
『百舌谷さん逆上する』、なんだか表紙が大変なことに。誰!? と思って、あおりで理解して、今はやりの女装男子!? 一発ネタ? かと思ったら、おおいに本編に関係してきた。素晴しいな。この馬鹿といえば馬鹿、ろくでもないといえばそのとおりなんですが、しかししっかりと見せ場用意して、千鶴が仕掛けた罠が発動しても、それがなんだか充分に予見された演出であるかのような有り様。きりりとして立派、というか、なんでそんなにしてやったりって感じに得意気なんだ竜田は。あれは笑わないではおられません。
と、そうした馬鹿な展開を見せ付けながら、その合間に、竜田と勇次郎が邂逅。竜田が勇次郎のおかれた状況を理解して、助け船を出す。なんだよー、竜田、すげーいいやつじゃんよー。今回は、本当に竜田の見せ場が多かった。そして百舌谷さんにもスポットライトは当たって、韮沢さん、珠ちゃんの妹ですよね、彼女の百舌谷さんを慮った行動、落ち着いたその態度にじんとさせられて、そして本当に嬉しかったのだろう百舌谷さんのその後の行動にまたじんとさせられて、しかしこうした仕合せな光景、見るほどに不安もまたつのるのですね。この吊り下げられた感覚、たまらないです。
『いもうとデイズ』は、お母さんがたの衝突が派手に盛り上がって、けど仲悪いのに、険悪になりきらない。そういうところ、ちょっといいなと思って、そしてセーラー服に憧れてるディアナが可愛くて、ほんと、罪のない感じで、すごくいい。罪のないといえば、純情ホスト。彼はとてもいいなと思います。純朴で、人がよくて、すごく真面目。すごくいい。ディアナの成長に戸惑って、きっと兄さんとしては、ずっと小さい可愛い妹でいて欲しかったんだろうなって、そんな感じ。すごくよい。この兄さん、大好きです。それから、石田さんのお母さん、大好きです。
- 『月刊アフタヌーン』第24巻第1号(2010年1月号)
0 件のコメント:
コメントを投稿