2009年12月16日水曜日

「けいおん!」第6巻

 アニメ『けいおん!』の第6巻が発売されました。第11話「ピンチ!」、最終話「軽音!」が収録されています。というわけで、まだ終わったわけではないけれど、物語における最大のクライマックスであります。また、オーディオコメンタリーも大いに盛り上がって、実に充実した巻でありました。いや、ほんと、地上波で見て、BSで見て、そしてこうしてBlu-ray Discで見て、何度見てもいいなと思います。最終話直前、「ピンチ!」のちょっとシリアスな展開。そして最終話の、最後に向かって盛り上がっていく様子。第1話から2年弱という時間がたって、唯、成長したんだなって思って、どうしようもなく泣けてくる。ああ、とてもいい話でした。

というわけで、本編感想については、このふたつ、散々書いてきたような気がするので割愛。それよりも、オーディオコメンタリーに驚愕。なんと、最終話の憂が唯のふりしているシーン、あれ、てっきり憂が唯っぽくしゃべってるんだと思ったら、違うんだって。唯が唯っぽい憂をしゃべってたんだ! っていうのは、声優さんの話。あのシーン、しゃべってたのは憂役の米澤円さんじゃなくて、唯役の豊崎愛生さんなんですってさ。うわー、すっかり騙されてたよ。私は原作からの視聴者だから、もちろんあそこでの入れ替わりはわかってたわけです。だからさ、あ、声が憂だって思って疑わなかったら、なんてこった! 米澤円さんに、唯っぽくしゃべってもらって、それを参考にして演技したりしたんですってさ! うはあ、すごいね。ほんと、すごいね。

コメンタリーは、ものすごい盛り上りを見せて、追うのが困難なほどでした。キャストコメンタリーは軽音部メンバーを演じた5人。「ピンチ!」においては、あのちょっとした仲違いの状況に心痛めながらの演技であったとのこと。映像に発想されてのテーマトーク、楽器屋さんにいった話とかですね、があったと思えば、演技、映像についてのコメントももちろんあって、とにかく面白かったです。それこそ、最終話にいたっては、アニメ『けいおん!』総括とでもいったところがあって、あのラストのステージ。駆けていく唯、皆が見守っているっていった感じになっていて、ああ、なんてったらいいんだろう、言葉にならない。演じられた方にとっても特別な作品であったという、そんなコメントを聞いていると、なんか込み上げるものがあって、ああ、私も『けいおん!』大好きでした。

そしてスタッフコメンタリー。12話演出、石原立也さん。11話演出、高雄統子さん。色彩設計、竹田明代さんによる解説です。しかし、めちゃくちゃ面白かった。丁寧に言葉を選びながら話される高雄さんと、やけに明るくて楽しい竹田さん。おふたりの勢いがすごくて、石原さんが押されているようにも感じられるほどでした。11話の演出について、あまり深刻にならないよう気をつけたとか、そういう大筋の話があったと思えば、ケーキの演出意図、そのケーキは山田さんが取材時に頼んだものだ、みたいな小ネタ含みで展開して、そして、ええと竹田さんだと思うんだけど、律が好きだという発言が熱を帯びていて、実に最高。アニメ『けいおん!』には、スタッフの愛が注がれている。そういった話はこれまでにも何度も出ていて、各スタッフがこれでもかとよいものにしようとしている、そんなエピソード。今回も出てきて、ああ、こういう姿勢は見習わないといけないと思いました。やっぱりさ、よいものっていうのは、これでもかと手をかけられた結果であるんだなって思ったんですよ。こうしたら面白くなるんじゃないか。こうしたらよくなるんじゃないかって、手を尽くして作られている。ほら、以前にとてもいいといっていた、律を見舞う澪の髪の表現。あれなどもそうだっていうんですね。本当、あのシーンは屈指の名シーンだと思っています。

第12話にはいっても、やっぱり女性ふたりの勢い衰えず、すごく楽しかった。朝早くに資料写真を撮りにいっている石原さんの話とか、面倒を面倒くさがらないっていうのはやっぱり大切なことなんだなあと、またしても感心。そして、オープニングのアニメーション、毎週あるものだから力入れるんだけど、折角の貼り込みが見てもわからないとかね。残念ながら、それがどういう効果を持ったものかわからないんだけど、ロゴとか入れるやつかと思ったんですけど、キラキラとかおっしゃってた。今度、一時停止して見てみようと思うけど、わかるかなあ。

コメンタリーは、こんな風に、わからなかったものがわかるという効果もあるけれど、こちらがいいと思っていたこと、それが語られるというのもまた嬉しいもので、最終話のステージシーンとか、やっぱりコメントは熱が入って、そしてそこには共感覚えるものも多々あって、これはキャストでもそうでした。作っている人たち、演じている人たちにしても、ぐっと見入って、視聴者の立場になってしまう。それはやっぱり、それだけのものがあるんだろうなって。そして、見ている私に同じく、ここがいいって皆さんも思っていらっしゃったんだなって、そう感じると、すごく嬉しくて、やっぱりいいアニメだったって、そんな気持ちになるのでした。

あ、そうそう。指紋の表現。ちゃんと気付いてました。っていうか、ちゃんと手を拭いてから弾こうよって思ってたりしました。私、こういうところ、異常に神経質です。

Blu-ray Disc

DVD

CD

原作、他

  • かきふらい『けいおん!』第1巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2008年。
  • かきふらい『けいおん!』第2巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2009年。
  • かきふらい『けいおん!』第3巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2009年。
  • 以下続刊

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