2009年12月30日水曜日

『まんがホーム』2010年2月号

『まんがホーム』2010年2月号、発売しています。発売は一昨日のことで、まあ昨日もいってましたけど、忘れてまして、この年末年始の発売日の変更、また仕事に出る出ないの状況の変化などなど、いろいろがからみあって、いつも買っているもの買い忘れたりすることがやたらと増えるんですよね。昨年もそんなことがありました。あとになって気付いて、あれ? 買ってなかったっけ? 確認して買ったのですが、それが単行本であったのは不幸中の幸いでした。雑誌ならきっともう手に入らないタイミングでした。といった具合に年末年始はパターンが崩れて、いつもどおりにはいきません。

『天国のススメ!』、久々のゲストです。前回ゲストは2009年10月号でした。『晴れのちシンデレラ』の宮成樂の漫画なのですが、幽霊になっても元気なお婆さんが可愛くっていいんですよ。若ぶってることもあるんだけど、見た目が可愛いだけでなく、その行動が可愛いのですね。そしてそれは主人公太一の友人十子さんにしてもそうで、この宮成樂という人は、気持ちをはっきりとぶつけられない女の子の可愛さを描かしたらすごいなと、あらためて思うのでありました。けど、この漫画は可愛さだけが売りじゃない。霊が見えるということを取り上げて、はっきり見える、それともおぼろげに? その違いで全然違う反応とか、そういうのが面白くて、この人の漫画はやっぱりいいなって思うのでした。

『東京!』。東京の駅名にまつわる名字をもった生徒たちの学園ものなんですが、はじまった当初は土地土地の特徴が強く押し出されていたのが、あっさりと触れられる程度に後退して、けれど今のバランスはとてもいいと思います。八王子、武蔵、国分寺が遠いとか、それはもう前提として馴染んで、だからキャラクターの個性そのものを前に押し出そうというフェーズに入ったという感じ。悪くないです。そして秋葉原正親と渋谷ケンジ。なにかと対立してるみたいなふたりだけど、なんだか妙に仲良いところも見えて、ちょっとこのふたりの関係、気に入っています。渋谷が正親のこと、嫌いじゃないから、気になってしようがないからちょっかい出してるみたいに見えてね、なんかいいなって思うのですよ。そして私は国分寺さんが好きです。ちょっと人付き合いが苦手そうなところとか、とてもいいです。

『おしのびっつ!』、面白い。忍者の末裔、ふたりの本領発揮というか、リミッターがない状況での活躍。あの手この手でのスーパー売り出し攻略が、そして万引きGメンとの邂逅なども。しかしこうして見ると、ふたりはまだ修行中の身なのだなと、すくなくとも母上が怖いのだなと、そんな様子が見えるのも面白かったです。というか、これまでも母上最強だったような気がします。

『こむぎみっくす』、ゲストです。先生に恋する幼稚園児のこむぎと、パパとの話。小さな子供とパパとママ。その三人の関係は見ていて面白く、おしゃまなおちび、強いママ、弱いパパ。しかしほんと、なんでパパは趣味が制限されたりするんだろう。なんて思いながら、それでもなんだか和気藹藹と家族のあたたかさが感じられたりするところはいいなと思いました。とりあえず、ママが酷いな。その酷さもまた魅力とは思うけれど、夫にも子にも微妙なジョーク、態度を見せながら、けれどそれでもちゃんとやさしくするところはやさしいというのがよいのだと思います。

『お江戸とてシャン』、最終回です。まさに大団円といった様子。焼けたお江戸の再建話。そして、以前とはちょっと違ってくる関係。その変化していく様子もまたよくて、よかったなあ、亀松さん。そして虎吉の去就も決まり、またおひなとの関係も決まり、いい盛り上がりを見せた晴れやかなラスト。とてもよかったです。今を一番に楽しんでいる、そうした気性が気持ちいいんだよっていうお話に、なんだか元気をわけてもらったかのように感じています。

『三日月の蜜』、仙石寛子の新シリーズです。これ、この人の得意の気持ち、心情をこまごまと描いていく、そんな漫画なのかなって思っていたら、最後に思いもしなかった展開になって、これはいい、これはいける、これは面白いよ。俄然前のめりになってしまったのでした。この人の漫画は、繊細だったり辛気臭かったりする、そういう心情のもろもろをふふりと笑いながら楽しむ、そう思ってたのに、こんなに前のめりになってしまったら、もう後には引けない。今から次回が楽しみです。

『まりかちゃん乙』、ゲストです。ヒロインゆなは転校生。ものすごい説明的な1ページ目を抜ければ、そこにはすごい変わりものが! モーレツー!!! わりとベタめな漫画ですが、それでも面白かったです。一筋縄ではいかない九鬼まりか。素直じゃない、ひねくれてる、変わりもの、でも根は悪い子じゃなさそう。ベタめとかいったけど、類型的かといわれると、そんなこともないまりかちゃん。彼女のキャラクターがどう動くか。それが肝かなって思っています。

  • 『まんがホーム』第24巻第2号(2010年2月号)

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