2009年12月17日木曜日

『まんがタイムファミリー』2010年2月号

『まんがタイムファミリー』、2010年2月号が発売です。2月! ああもう2月か! って、一足はやく年が改まったような気がして、妙に慌ただしさ感じさせますが、表紙はといいますと、きたる新年、正月の装いです。真ん中には来年の干支、虎の衣装を着た蜂谷、手には鏡餅持っています。わきには、着物着た豆腐屋三姉妹、そして同じく着物の『リフォーム』茜がはなやかです。そして、再びのゲスト『ひなたフェードイン!』のヒロインひなたの、淡く塗られた色合いがやわらかに印象的で、あ、なんかよいなと思わせるものがありました。

『うのはな3姉妹』、お正月の様子。なかなか改まらない生活習慣っていうの、働きものの習慣なんだから、むしろ見習いたいものがあります。豆腐屋さんは早起きだっていいますものね。そして美人三姉妹の着物があって、三女が好きな南田くんの素直になれない態度になんか微笑ましさ感じて、ああもう、可愛いやつよ。こういう人って実際にもいますけど、付き合ったり結婚したら大変な横暴野郎になるか、あるいは素直な甘えんぼうになるか、南田くんは後者かなあ。そして、出戻りの次女、桃子、私、この人が好きだわ。自由な感じ。のびのびとしたところが素敵です。この作者の漫画の雰囲気もそんな感じなのかな。だからか、すごくひかれます。

『教師諸君!!』、勝訴。はいいとして、西名先生が素晴しい。着物、不断着、教師コスプレ、そして袴。この先生、すごく魅力的、とか思うのは、この人が自由だから、いやきっと変わりものだからだと思う。私はかわりものお嬢さんが好きなんだ。で、数学って実生活で使うっけ? うん、これ、すごく難しい問題だと思います。ただ漫然と日々を過ごすだけならいらんよね。数学も歴史も、国語でさえいらんかも知れません。けれど、ちょっと込み入ったこと、突っ込んだことをしようとしたら、こうした知識がないと前に進めなかったりすることもあるんです。実際、私も世界史の復習とかしてたもんな。学校の教師は、自分の担当している教科に関しては、なぜそれを学ぶのか、学んでどうなるのかっていうことに対する答を持っとくべきなんだろうと思います。だとすると、私の専門分野はどうなるんだろう。なんて思わせてくれたりもする回でした。

音楽はともかく、主要5教科はどれも大切だと思います。受験とかの対策と思っていたら、それは損してると思います。私は歴史に疎く、英語できず、数学物理がわからないのが、今になって効いてます。ああ、勉強はできるときにしておいたほうがいいよ。

『ひなたフェードイン!』、結婚式場でアルバイトする大学生のお嬢さんふたりの話。絵の雰囲気がよいこともあるけれど、なんだかちょっとぼうっとしながら、それでも仕事をするということを理解していく。そんなヒロインひなたがとてもよいです。基本的に真面目。とぼけたことも、いいかげんにしてるとかじゃなくて、真面目にやってる。コーディネートの話とかね。そういうところがいいのだろうなって思っています。で、次号から連載だそうです。ああ、これはちょっと嬉しいです。

今回の『よめ×ヨメかなたさん』は、ちょっと私には冗談ですまないことが描かれていて、動かしたらいつ頃の本かわからなくなる、じゃなくて、ラストの落ちですよ。本は重いですからね。私の部屋、一階につながったりしないよね? いや、本当に、こうなることを怖れている。それが具体的に絵になって、ああああ、どうしようかなあ。ほんと、こりゃ怖い話でした。

『美大道!』、なかなかによい展開でした。合コンにいくことになった。慣れない場でとちくるって、それでスケッチに明け暮れるという、その夢中具合はとてもよかったです。私の友人に美大いってたのがいるんだけど、そいつもいっつもクロッキーやらスケッチやらしてたものなあ。この、描くことに飽きない、いくらでも描ける、描きたい、というのが絵の才能なのかもなって思って、だから彩ちゃん、なかなかにいいじゃないかって思ったのでした。

『どっきゅん♥乙女荘』は、面白いと思えるものと、それほどでもないもののむらがあるように思えて、面白い! ってのは、本当に、えらいこと面白いな! っていうくらいにいいんですが、うん、ちょっと惜しいと思っています。今はわりと面白いにとどまってるけど、この先はどうなるのだろう。ちょっと期待しています。

『はなまるドロップス』、なでしこの本性が垣間見えて、これはいい。ただとろくさいだけの女の子だと思ってたら、なんのなんの、しっかり女の子じゃないかと。普段の可愛さ、それが帳消しになるくらいの地の表情。けれど私はその地の性格こそが魅力的だと思います。基本的にはいい子なんですね。ただシビアで、身も蓋もないってだけ。その本性のあからさまなるところ、とてもいいです。

『一緒にかえろう』、詩緒と春の仲直り。詩緒の告白。しみました。しみじみと胸に広がって、そして詩緒の表情に、春の様子に、胸を詰まらせて、涙ぐむ思いでありました。この作者の味でしょう。こうした心情に切々と訴えるものがある。とてもよいです。

『きょうも幸あれ』、やっぱりこれとてもいいです。お兄ちゃん大好きのさっちゃん。いつもなら妨害するライバルの桜が、今回は新年初詣、晴れ着着ているものだから、もう興味津々で、けれど素直に甘えられない。ライバルだから。その様子。すごく可愛くて、とてもいいです。

『くるっとまわって営業中』。生意気な馬渡かの子、けどスローペースの来島さんにうまいこと懐いたというか、仲良くなっているところがとてもいい。来島さんがいい人なんだろうなあ。最後の一本なんて、ちょっと駄目な大人であると感じさせるんだけど、ああ私も駄目な大人だけどね、でもそれで親孝行できることを喜んでるっていうのがさ、本当にいいなあって思えてくるんですよ。親孝行できるときにできるっていうのは、子のしあわせかも知れないって思える、そんないいラストでした。来島さんのような感性、大好きです。

  • 『まんがタイムファミリー』第28巻第2号(2010年2月号)

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