先達て紹介しました『ぽこぽこコーヒー気分』の笹野ちはるが『まんがタイムラブリー』にて連載している『微妙なお容姿頃!!』。『コーヒー気分』が小さな店長さんであるなら、こちらは大きなOLもの。身長180センチのヒロイン横山克巳がとにかく男に間違えられたり、女性から惚れられたりという、そういう感じの漫画です。
しかし、実際背の高い女性からすればその背の高さというのはコンプレックスなのだそうですね。身長170センチくらいの知り合いがいましたが、背が高いねとか大きいねとかいわれるのはすごくいやだといっていまして、なら180センチの克巳はなおさらでしょう。けど、実をいうと私自身は背の高い女性というのも嫌いではありません。街で見かけると、ああ素敵だねって思う。つまるところ、好きなのですね。
ええーっ、あんた、こないだは背の小さな人が好きだっていってたじゃん! ええ、いってました。けどよくよく確認してくださいましよ。
私は背の高い人も好きですが、背の低い人もかなり好きなのです。
ほら、ちゃんと背の高い人も好きっていってる。
もしやあんた、標準身長も好きというじゃあるまいな、といわれたら、残念ながらイエスと答えねばなりますまい。なんだっていいんじゃん! うん、まあ、身長のどうこうに関してはあんまりこだわりがないっていうか、もっと他に大切なものはあると思います。けど身長だけにしぼるなら、背の低い人が好き。次いで背の高い人、最後に標準がくる。つまりここから導き出されるのは、私は標準からの偏差が大きい人を好きになりやすいということ。いや、これ実際そのとおりであるようで、私の変わり者たるゆえんであると思われます。
私の話はどうでもいいや。けど、この克巳様という女性、決して魅力がないとは思わないんだけどなあ、っていうのが私の感想。凛々しい女性をさしてハンサムと褒めるのは欧米では普通ですし、けど日本ではそうでもないのかしら。でもですよ、背の高い女性がさっそうとしている様というのは、見ていて実際ほれぼれとさせる魅力に溢れていると思うのです。
この漫画は、そうした前提があるから、克巳様が散々に男みたいだとかいってコンプレックスを助長するような方向にネタを展開しても、それほど嫌みにはならないのかも知れないななんて思っています。とはいうものの、ジェンダー論のうるさ方からすればとんでもない設定であるのは間違いないんでしょうけど、まあOLという半分死語になりかかってる(よね)前提を含む四コマ文化の真っ直中にある漫画だから、そのへんのちょいアナクロなところも含めて楽しむのがきっとよいのだと思います。
そんなわけで、私はこの漫画は好きです。克巳様とその友人典子の関係が好きかな。結婚しちゃえばいいのに、なんて思いながら読んでます。
- 笹野ちはる『微妙なお容姿頃!!』第1巻 (まんがタイムコミックス) 東京:芳文社,2004年。
- 笹野ちはる『微妙なお容姿頃!!』第2巻 (まんがタイムコミックス) 東京:芳文社,2006年。
- 以下続刊
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