2006年5月27日土曜日

ぽこぽこコーヒー気分

 こんなこといっちゃあなんですが、私は喫茶店たんぽぽの店長さんが好きです。店長さんというのは、表紙に見えるコーヒーポットを手にしているほうの人。さて、私はこの人のどこが好きかというと、まずは身長が145センチというところ。私は背の高い人も好きですが、背の低い人もかなり好きなのです。次に30歳というところ。私は若い人も好きなのですが、ある程度年をとった人の方が好きだったりします。そして有能なところ。そうなんですよ。私はなにかに秀でた人を好きになる傾向があります。なんでもいいんです。けれど、それがその人の好きで選んだものであったらどんなにか素敵だろうと思います。そうなんですよね。やはり自分で選んだ道を全うしている人というのは、とても魅力的に見えるものです。

作者は笹野ちはる。私はこの人の描く漫画は結構なんでも好きなのですが、なかでもどれが一番好きかと聞かれたら、迷うことなく『ぽこぽこコーヒー気分』と答えます。喫茶店という固定されたシチュエーションで、店長と店員がレギュラー。あとの人たちは名前があるのかどうかさえわからず、そうしたミニマムな状況において展開される漫画は、ある種マンネリであり、けれど決まったネタの繰り返しに面白みがあるというのは大変なことであると思います。どこか一味違えてくる。見せかた、アプローチを変えてみる。そうした繰り返しの中で、少しずつ店長である彩さんやウェイトレス智ちゃんの人となり、キャラクターが見えてきて、だんだんと近しく感じられるようになるというのがなにより嬉しいことなのではないかと思います。

思うんですが、こういうプロセスっていうのは、現実の人間関係でも同じなのではないかななんて思います。最初はどんな人かなんてよくわからない。だから日常に垣間見るその人のいろいろをもってだんだんと理解していって、ときには好きになることだってあるさ。日常なんてものは、まずもって同じことの繰り返し、マンネリのリピートであるようなものですが、けどそうした中にもちょっとずつの違いがあって、その違いが面白いのだとしたら、この漫画もそうした面白さを含んでいるのだと思います。

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