『少女セクト』と同日に購入。
先日のことです。最近流行ってる『テニスの王子様』についての話をしておりまして、けれど実をいうと私は本編をほとんど知らないんですよ、漫画読んだことがないんです。私の知っている『てにぷり』ではぜんぜんテニスをしてなくってですね、そのかわりに、といったところで私の言葉にかぶさるようにもうひとつの声が! 「ラブラブしている」! ああ、私のいった言葉はなんだったかというと「いちゃいちゃしている」。そう、どうやらその声の主も私同様の趣味嗜好傾向の持ち主であったようで、ギャグ系いちゃいちゃがお好きなようでございましたとさ! そうそう、本編を読んでないというのも同じだったのが笑えるところでありますね。
さて、いきなりなぜ『テニプリ』から入ったかといいますと、このエピソードというのが私の嗜好というものを実によく物語っているからだと思うのです。以前、『少女セクト』について書いたとき、私はいっていました:私にとっては女性の描くエロの方がよいようで、それもできれば直接描写の少ない、寸止め系の方がよりよい
。そう、以前はまわりくどくこう書くしかなかった私の嗜好がまさしく実体を伴った瞬間というのが、先ほどのエピソードだったのです。いちゃいちゃないしはラブラブしているのが好きなんだー、と思いいたって、またひとつ私は自分について明るくなったのです。
『くちびるためいきさくらいろ』は、ごくまれに突っ込んだ描写もありますが、基本的にはいちゃいちゃとラブラブの世界。はっきりとかたちにしにくい、女の子の女の子に向けられた恋心が、ほのかに揺れてみたり、時に盛り上がってみたり、そしてハッピーエンドもあれば恋破れてしまうエピソードもあって、そうしたそれぞれの話がそれぞれにラブラブしている? ともあれ、ことにいたることが主目的ではないわけで、その結果、ふたりの恋の周辺がこそばゆく描写される。そういうところが私は好きです。
しかし、面白いよね。いろんなキャラクターが出てきて、いろんな恋愛感情の向け方をしてみて、時に強引な展開を見せたり、時に急いだような描写であったり、けれど基本的にはダイナミックさよりも切々とした様が表立って、そこがこそばゆいんです。ああ、なんというんでしょう、同人の人ならもにょるとかいうのかも知れませんが、それとはちょっと違うと思います。おたく系なら萌えるというのかも知れませんが、それも違うように感じます。ああ、このこそばゆさが言葉にならない。でもなんか、にまにましてしまう感じがあって、ああこの感覚はなんと呼びあらわしたらよいのでしょう!
というわけで、私の自分探究は続きます。とりあえず、この感情にふさわしい名前を見つけなければいかんですね。
- 森永みるく『くちびるためいきさくらいろ』(IDコミックス 百合姫コミックス) 東京:一迅社,2006年。
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